040 真っ赤なお肉との邂逅
『条件を満たしました。〈フレアヴァルプスLv.10〉が〈フレアヴァルプスLv.11〉になりました』
『条件を満たしました。各種ステータスが上昇しました』
『条件を満たしました。スキル〈視覚強化Lv.5〉が〈視覚強化Lv.6〉になりました』
『条件を満たしました。スキル〈魔力補充Lv.3〉が〈魔力補充Lv.4〉になりました』
『条件を満たしました。〈フレアヴァルプスLv.11〉が〈フレアヴァルプスLv.12〉になりました』
『条件を満たしました。各種ステータスが上昇しました』
『条件を満たしました。スキル〈並列思考Lv.2〉が〈並列思考Lv.3〉になりました』
おぉ~上がる上がる。
やっぱりレベルよりもステータスとかスキルが格上の相手のほうが経験値の入りもいいんだなぁ。
レベルは高いけどそれ以外は大して差のない相手だとこんなにレベル上がらないからなぁ。
ボーンイーターとの死闘をなんとか乗り越えた私は倒れ伏したボーンイーターの周りで歓喜の小躍りをしていたのだが、これだけの大物を倒したがゆえに、当然ながらレベルアップした。
しかし一気に二つもレベルが上がるとは。
これは逃げずに戦って良かったかも!
……まぁ逃げられなかっただけなんだけど。
結果オーライってことで!!
早速ステータスの確認をしたいところだけど……まずは拠点を確保しないと。
ボーンイーターと遭遇したところから結構離れてるし、このままだといつ他の魔物に襲われるか分かったもんじゃない。
私自身も、痛覚耐性と自動回復のスキルのおかげで動けてはいるけど、体の傷は結構酷いし…。
痛覚耐性があっても痛み自体はあるから、動けばより痛い。落ち着いてきたらさらに痛い。
なんだかんだで痛いのは嫌なので、さっさと休もう。
休んで、コイツを食べて回復したらステータスの確認をしよう。
よし、じゃあやるか。拠点造り。
今回は獲物がデカくて運びづらそうなので、地面に穴を掘る。
斜めに道を作っていって、ある程度まで行ったら小部屋を作ってそこを広げる。念のため、真ん中に支柱を残したら、小部屋までの道を含めた穴全体に
ふぅ、危ない危ない。
こんなところで魔力を切らして気絶とか、冗談じゃない。
気絶している間にボーンイーターを他の魔物に取られたら私は泣く。
拠点が完成したら、今度はボーンイーターの体を分解する。
部位ごとに分けて部屋の中に運び込むのだ。それで、食べて運んでを繰り返す。
……と、そうしたかったのだが。
私は、ボーンイーターの右腕を半分ほどまで抉って、分解するのを諦めた。
だめだこりゃ。私の爪じゃ腕一本ぶった切るのにもかなり疲れるし時間がかかる。
虫とは全然違うなぁ!!当たり前だけどさ!!
う~ん、どうしようかなぁ~……。
…もうここで食べちゃうか?
拠点の入り口は真横だし、周囲を警戒するのは拠点の中でも外でも一緒だし。
うん、もういいや。ここで食べよう。大丈夫だろ多分。
というわけで、ボーンイーター実食の時間だ~~~!!
わーいどんどんぱふぱふ~!!ひゅーひゅー!!
…何気にクマ肉って初めて食べるなぁ。
前世だとクマを生で見たことすらなかったけど、肉ってどんな味なんだろ。
なんか獣臭さが凄いとかって聞くけど…今の私はキツネの魔物だしその辺は魔物の味覚でなんとかしてくれないかな。
まぁ食べてみればわかるか。
このままだと食べづらいし、とりあえず皮剥ぐか。
爪を使って、食べたい部分の毛皮を切り裂いて剥ぐ。
爪や口をうまく使ってべりっとやったのだが、魔物とはいえ所詮はキツネ。大した範囲を剥ぐことはできなかった。
……色は普通だなぁ。
赤い、生肉だぁ。
いやまぁそりゃそうか。
…だけど、なんか、新鮮だなぁ。
この地下樹海に真っ赤な生肉とかなかったし、なんならまともな動物の肉をみるのはこれが初めてか私。
おぉ、そう考えるとこの赤にちょっと感動しなくもない!
…ん?まとも……?……いや、まぁ自分の数倍はデカい虫に比べればね…?
果たして味もまともなのか。
いざ、実食。
……うっ!!?っ!!!?……こっ!これはっ!!!?
うっ、うまぁぁぁああい!!!
肉!!そう!!これだよこれ!!これが肉ってやつだよ!!
あんなカピカピの骨格に覆われた白いスジは肉でもなんでもねぇ!!
これが肉だぁっ!!!
筋張っていてガツンと顎に来る弾力、噛むほどに溢れ出す旨味と脂身、そんな中、仄かに感じる甘み。
獣臭さなんて欠片も感じない。
これ間違いなく私がキツネだからだよね。
まぁでも美味しく食べられるならなんだっていいよね!!
あぁ、ヤバい、ヤバいなぁ。
ちょっとこれ食べちゃうともう虫とか食べたく無くなるなぁ。
クソ、コイツなんで群れてないんだ。もっとたくさん食べたい。もうあんなカピカピパサパサで味気ない虫の肉とか食べたくない。
なんなら不味い確率の方が高いし、たまに変な味だと思ってたら毒耐性のレベルが上がったりするし。
あぁ~コイツを食べて探索したいぃ~。
…まぁこんなのに群れられてたら今度は私がメシになるわけだが。
一対一のタイマンですらこれだけボロボロにされたのだ。もし群れてたら私にとってはもはや災厄に等しい。
今回の戦闘は本当にギリギリだった。エンペラービートルやアラネアの群れに襲われたときを思い出した。死の恐怖を間近に感じた。
もし、あの時タイミングよく恐怖耐性のレベルが上がっていなければ、今頃私の体は真っ二つだったろう。良くて腹わたがグッバイ。
そう考えると、肉が美味いことを差し引いてももうコイツとは戦いたくないと思えてくる。
……はぁ、やっぱり仕方ないのかなぁ。
くぅ、仕方ない。でももし他でまた虫以外の魔物がいたら積極的に狩ろう。
コイツはここで、食べ納めだ……。
っと、そうだそうだ。
あんまり肉が美味かったから忘れかけてた。
ステータスの確認をしよう。
ほい鑑定っと。
『《フレアヴァルプス Lv.12
ステータス
名前:なし
魔力:997/997(+332)
体力:110/724
基礎攻撃力:472
基礎魔法力:477(+159)
基礎防御力:351
基礎抵抗力:305
基礎敏捷力:893
スキル
〈魔力感知Lv.7〉〈魔力操作Lv.7〉〈視覚強化Lv.6〉〈嗅覚強化Lv.6〉〈暗視Lv.6〉〈気配抑制Lv.6〉〈気配察知Lv.7〉〈記憶Lv.6〉〈鑑定Lv.7〉〈威圧Lv.6〉〈思考加速Lv.8〉〈並列思考Lv.3〉〈魔力循環Lv.5〉〈魔闘気Lv.6〉〈魔鎧Lv.5〉〈魂思考〉〈魂記憶〉〈第六感Lv.7〉〈自動回復Lv.6〉〈魔力補充Lv.4〉〈体力回復Lv.6〉〈尖牙Lv.7〉〈尖爪Lv.8〉〈火魔法Lv.6〉〈風魔法Lv.4〉〈土魔法Lv.4〉〈光魔法Lv.1〉〈火耐性Lv.7〉〈毒耐性Lv.4〉〈痛覚耐性Lv.6〉〈恐怖耐性Lv.4〉〈虫殺し〉〈アラネア殺し〉〈渡り者〉》』
ほうほう……。
上がってるなぁ~!流石に一気に2レベル分アップしただけはある。
魔力なんて1000いきそうだし、基礎敏捷力もすでにボーンイーターを上回った。
スキルも少しだけレベルが上がった。
スキルはステータス以上に、というかほぼほぼスキルそのものが私の命綱だ。
スキルはあればあるだけ良さそうだし、使えれば使えるだけ生きれる確率も高まる。
それだけ強いってことだ。
これからもこの調子でレベルアップしていきたいなぁ。
そういえば、次の進化はいつだろ。
フレアヴァルプスへの進化がレベル10だったし、今度はレベル20とか?
流石に安直かな……。
まぁ、レベルを上げていけばそれも分かるか。
……あ、鑑定を使えば分かるかな。
というわけで、自分のレベルを鑑定してみた。
種族も鑑定してみた。
結果、次の進化のレベルは分からなかった。
やはり肝心なところで教えてくれない鑑定さんだった…。
はぁ、強くなりてぇ~。生き残りてぇ~!!
…………お、ここの肉うま。なんていうんだろうこの部位。
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