第4話
「・・・は?オンリーが謹慎?どういう事ですか?」
「金聖派からの報告書通りじゃ。罰が決定するまでこちら側はオンリーを自室謹慎させとけということじゃ。」
「そんなので!納得できるわけないでしょう!」
報告書を読んだタイタンは憤慨していた。
あまりにも一方的な物申しに報告書を破り捨てる勢いで握り潰していた。
その上、金聖派どころか教会で昔から献身的に主に尽くしてきた貴族の御子息が相手という事でオンリーにはこの子より重い罰にしてくれという上からの要望にもブチギレていた。
「落ち着くのじゃ。」
「サトゥルヌス様はなんで!こんな横暴な物言いに!落ち着いているのです?!!まさか!こんな要望をサトゥルヌス様は受けるつもりないでしょうね。」
「・・・当然じゃ。それに落ち着けと言ったのは・・・・・・ワシ自身にじゃ。」
「っ!!」
激怒しているのはタイタンだけじゃなかった。サトゥルヌスも自身の弟子を侮辱しておいて、その上でのこの要望である。
ブチギレるなという方が無理な要望だった。
サトゥルヌスから僅かに漏れ出ている殺気によりタイタンの頭は一瞬にして凍りつき冷静さを取り戻す事ができた。
しかし、腹から込み上げてくる怒りのは炎が再度頭を溶かしより熱くしていた。
徹底交戦。
これがサトゥルヌスの結論だった。
「上にはワシが言ってくる。お主は・・・」
「茶会ですね。・・・プルクラも此方の怒りを予測していたのか、此処にくる前に招待状が届いていました。」
茶会とは各聖女の聖女候補達が集まって他派閥同士の揉め事や意見交換をして次期聖女同士の交流の場だった。
定期的に開催され、順に派閥で開催場所ともてなしを提供する事になっていた。
今回の緊急的に開催する場合は招集者が提供する事になっているので、今回は金聖派に赴く事になるのだ。
「私達の弟分を怪我させようとしたことを後悔させてやりますよ。」
「まぁ、一番の問題はそれをコミュニケーションを取れたとして嬉々としてワシ達に報告したオンリーじゃがな。」
食堂での出来事を自身もベターでもコミュニケーション出来たと報告して来たオンリーを嘘だろう。コイツと遅めのお昼を取っていたサトゥルヌスとタイタンを含めた上位弟子達の心を一つにして思ったのである。
今は自室謹慎を言われているのでと車庫から大量の本を持ち込んで、充実した謹慎を送ろうしているオンリーをタイタンを除いた上位弟子達が人とのコミュニケーションとはどういうものが該当するのかを説教している所だった。
もういっそのこと、オンリーと話す人物をこちらで選定した方が良いのではとサトゥルヌスは考えていた。
「プルクラも予測していたのならさっさと上を止めておけば良いものをあの良い子ちゃんは・・・将来禿げるな。」
苦労人気質なプルクラをもう少し自分自身本意にして良いだろうと思っているのである。
今回の件も態々上に掛け合ってから罰を下そうと律儀にするからこんな面倒な事になったのである。
あの場でさっさと正式な罰を下しておけば此処まで問題にはならなかったのである。
真面目なプルクラが自身の派閥贔屓にあのボンクラを擁護してオンリーに重い罰を下さい事は分かっている為、余計にそうタイタンは思ったのである。
「・・・これもオンリーの為、アイツらに会ってきますか。」
個性的な聖女候補達を相手にするのは疲れる為、あまり会いたくないと思っているのだが、それは他の聖女候補も同じであり、自分はまともだと思っているのも同じだった。
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