第14話
「えっへへ〜、どう? これはもう信じるしかないでしょ?」
「……ゲリラ……豪雪だ……」
「……君、どんだけ頑固なの……」
雪女の能力を酷使してしまったのか、額に汗を流した彼女が得意気に聞いてくる。
それに対して、意地でも理解したくない俺が戯言をほざくと、彼女は呆れていた。
混乱し、言葉を失っていると、不意に玄関のドアを叩く音が聞こえてきた。
チャイムがあるのにドアを乱暴に叩く。
そんなことをするやつは、俺は1人しかしらない。
間髪入れずに、ドアを叩く輩の声が部屋に響いた。
「岳斗ー? いるんでしょー?」
声の方角に目を向けて、彼女が聞く。
「誰か来たみたいだよ?」
「え、あぁ、多分知り合いです。高校からの同級生で……はっ!」
話しながら気がついた。
今、ドアの前にいるのは、おそらく秋葉だ。
栗原秋葉。
俺の高校、大学の同期で、やたらと俺に突っかかってくる訳のわからない女。
そして、今目の前にいるのは、もっと訳のわからない女だ。
おまけに、何故かその女は汗だくだった。
それが何を意味するのかは、言わなくても分かるだろう。
事態は、最悪だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます