第13話

 ……するわけもなく、俺は淡々と暖房をつけた。


 いやーよく出来てる。


 普段、こうやって信者を作っているんだろう。


 しかし、その手には乗ってやるものか。


 そんなん、ただの冷え性かもしれないだろうが。


 騙されんぞ!




「まったく……疑い深いな君は……はぁ……じゃあもう取っておきのやつ見せるしかないか……」




 彼女はそう言うと、窓のそばへ移動し、指を組み。何かを念じ始めた。


 うわぁ、やっぱりそういう宗教だよ…


 そう俺がドン引きしていると、突如、外に異変が起き始めた。


 雪だ。


 季節外れの雪が、ポツリポツリと、空から落ちてくる。


 確か、今日の予測気温は15度前後。


 今朝のお天気ニュースで、本格的な春の訪れだとキャスターが笑顔で言っていたのを覚えている。


 けれど、目の前には、理外の雪。


 突如降ってきたそれは、まるで誰かの手に寄って操られたようにしか見えなかった。


 まさに、近くに雪女でもいるかのような……

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