【RSF】一緒にワルクエ観よPart2【同時視聴】
「もう止めない! もう止めないから!!」
『笑笑』
『止めちゃう気持ちも分かるw』
『止めても良いよwww』
『初見はそりゃそうなるよ』
レイさんのワールドクエストを観て20分。動画のシークバーはまだまだ全然進んでいない。移り変わる場面場面で私が止めてしまっているからだ。
でも止めて一回落ち着かないと情報が追いつかないんだもん!!
「ふぅ〜、じゃあ再生するよ」
今はビーチで出会ったドラゴン、ラーグに乗ってシードラへと到着したところだ。
シードラへの船はモンスターの大量発生によって出ていなかったらしく、何があったのかを確認するのが一旦の目的のようだ。
映像に関しての感想を言うとしたら、映像が綺麗なのはもちろん、プレイヤーの目線と俯瞰的な目線が良いバランスで切り替わるので、イベントをレイさんを通じて追体験出来ているみたいで楽しい。
プレイヤーの音声はあまりなく、AI音声のナレーションや字幕、NPCのセリフから内容を視聴者に伝えている。
さて、レイさんとラーグくんがシードラの探索を開始したところで映像をまたしても止めそうになってしまった。何故ならそこに巨大なドラゴンが現れたからだ。
動画を止めそうになるのを我慢してストーリーの行く末を見守る。
現れた巨大なドラゴンは、ドラゴンの中でも力を持つ三大竜家の一つ、ドラグニル家の者で、シードラ付近の海を管理するドラゴンが行方をくらました要因を探っているらしかった。
巨大なドラゴンはレイさんたちを怪しむが、ラーグくんが同じドラグニル家の直系である事が判明し、そこで私は一旦映像を止める。
「うぅ〜、一息つかせ、つかせて…」
『笑笑』
『なんか息上がってね?w』
『疲労困憊で草』
深呼吸し、動画を再生する。
レイさんたちはそこからシードラを探索し、ドラグニル家と同じ三大竜家であるドラコーン家の裏切りだと突き止め、ドラコーン家がある妖精の国へと進む事となった。
********************
ワールドクエスト、【妖精の解放】はまさしくレイさんが妖精を解放する物語だった。
結論から話すと、事の発端は妖精の持つ聖なる力を嫌った魔族と、ドラゴンという妖精の頂点にいる種族が手を組んだ事から始まった。
三大竜家の一つ、ドラコーン家は領土を拡大するため、魔族の手を借りて人間の街への侵攻の準備を始めており、手を貸す見返りとして、ドラコーンには妖精を
そのため、ドラゴンや力を持つ妖精にしか人間の世界への道が絶たれた。
クエストの内容としては消えたドラゴンの消息を追う事から始まり、ドラコーンの野望を知ったプレイヤーが野望を打ち砕き、妖精を解放させるというものだった。
本当に内容が濃かった。
妖精の国へと渡り、様々な妖精と触れ合いつつ三大竜家の各当主と会話したり、ドラコーン家との戦闘やその協力相手であった魔族との戦闘など、これぞファンタジー、これぞ冒険と言った内容だった。
特にレイさんがクランの仲間を呼んで臨んだ魔族との最終決戦は控えめに言って鳥肌が立った。
RSFのゲームシステム的に取りたいスキルを取る事で、特定の職業に特化させなくてもプレイ出来るわけで、練度がものを言う世界だ。
RSFトップクラン、スターレインはさながら波のようだった。
HPが減ったプレイヤーから
これを全員が高レベルで流動的に行っていた。特にレイさんの火力は凄まじく、二属性を操るその剣技は同じ剣をメインにしてる私としても、参考になるものがあった。
「ふぇ〜、面白かった……」
レイさんが魔族にとどめを刺し、剣を高らかに挙げて妖精の解放を宣言するクライマックスシーンを観ながら、私は気の抜けた声を出してしまった。
エンドロールにその後が映し出されており、妖精と戯れる姿や、ドラゴンに何かアイテムを手渡されていたり、最後まで情報も見応えもたっぷりだった。
「……え、ヨルさんのも見る?」
『見よう!』
『お腹いっぱいではあるw』
『まだフクロウのは観てないんだけど、あの人の事だからギャグにしてくれてるんじゃね?』
『確かに、レイさんのが超王道ファンタジーだったら闇医者のはB級映画じゃない?笑』
コメントを見ると、ヨルさんだからきっと笑える動画になっているという意見が大多数だった。
確かに、PVにはゾンビが映ってたしヨルさんによるドタバタゾンビ映画みたいになってる気がする。
そう思うと自然と笑みが溢れてしまう。あの人はその場にいなくても面白いんだなぁ…。
「じゃあ見よっか! レイさんの後のデザートって事で!」
『賛成!』
『ポップコーンもう一つ用意しよ』
『さて、涙拭くようのティッシュを用意するかな…』
『あの人ゾンビにも治療費請求すんのかなw』
『フクロウ×ゾンビ=?』
この時は想像もしなかった。
「せーの、スタート!」
まさかヨルさんで大号泣するとは…。
******************
【イルルーンにて】
「ピノーくんの存在は知ってたよ。なんかまた配信者に晒されてたよね…」
『ティタニティの三人ね笑』
『フクロウの最初を奪ったのはルナ嬢だけどね』
『レイさんの観てからだと、ピノーくんもドラゴン族に並ぶ強い妖精って事なんかな?』
【明けずの墓地にて】
「これがウォーカー!」
『ピノーくん強くね!?』
『闇医者何もしてないなぁ…笑』
『ゾンビもすぐに倒せるっぽいし、マジでゾンビ大量討伐クエストなのかもね』
『ドリューくん…!泣』
【ビルズの家防衛戦】
「え、人…?」
『え、どゆこと?』
『あー、始まった…』
『腐敗の呪い…』
【エーテル戦、敗北】
「何このボス強すぎでしょ!?」
『余裕で魔族超えてくるのやめて…?』
『速い強い重い…、勝てる訳なくねぇ??』
『これレベルもっと上じゃないと挑んじゃいけないタイプだろ笑笑』
『フクロウが死ぬの想像出来なかったな…』
【サリアの聖女】
「何この人デレデレしてんの…」
『アリエッタさんは俺の嫁だ!!』
『いいや俺のだね!!』
『マジフクロウ殺す(血涙』
『まあでもヨガはナイス』
『うらやまけしからん』
【エーテル戦、リベンジ】
「準備して来たもん! 勝てる!!」
『行けぇ!』
『超近接戦マジ!?』
『こんなん誰が真似出来るんだよ…』
『聖ナイフがここで効いてくるのか』
『この戦闘能力、本当に闇医者なんですか?笑』
【エーテル戦、決着】
「うわぁ! プランは一つじゃないんだよ!」
『ピノーくんも囮にしちゃうの凄い…』
『アツすぎるだろ!』
『チートボスに勝った!www』
『ざまあ見ろ!』
【エーテルとの会話】
「エーテルさん…」
『いや、なん、もう…』
『純粋悪じゃないのやめてくれよ、マジで…』
『これで封印を復活させよう!』
『ここから涙腺大崩壊なんよなぁ』
【祠の前にて】
「…またイチャイチャしてるんだけど」
『え、嫉妬?笑』
『許せねえよ俺…!』
『なんかこの人アリエッタさんに似てるね』
『フクロウの女性の好みがわかるのなんか気まずいなw』
【呪いを断ち切って】
「呪いも、友の想いもってぇ…、こんなのさぁ…!」
『画面がボヤけてるんだけどどうした?』
『涙、拭けよ…』
『呪いが無ければ、エーテルの数百年に及ぶ想いもなかったわけで…、それを断ち切ってくれって表現するの凄すぎるだろ…』
『人の心あるのかないのか分かんねえよ、運営』
『フクロウじゃなきゃ、ここまで来れなかったもんなぁ…』
【黄昏の丘にて】
「アリエラさん、ピノーくん、ヨルさん…、ダメだぁ、涙止まんないよ!」
『これは感動巨編』
『闇医者なのに、とんでもない光のプレイヤーだったな、フクロウ』
『これはフクロウさんだわ』
『この映像綺麗過ぎるだろ!』
『フクロウ写真撮ってないかな、アップして欲しい…』
【エンドロール】
「ドリューくん…、エーテルとアリエラさんも逢えたのかな…」
『逢えてると良いよね』
『ビルズの人が報われて本当に嬉しい』
『考察の余地があるのたまんねぇよ』
『これは名俳優』
『面白かった! ありがとうな、フクロウ、ピノー!!』
こうして【ビルズの夜明け】も無事(?)観終わる事が出来た。ウォーカーが呪われた生きた人間とわかったところから、最後まで胸がぎゅっと掴まれるような、切なさとヨルさんとピノーくんの優しさで、涙腺が崩壊してしまった。
あの魂たちはどこへ行き、果たして報われるのか、考えさせられる物があった。
「ねぇ…?」
『うん?』
『面白かったね』
『泣いたの久しぶりだわ』
コメントを眺めつつ、涙を拭って言う。
「B級ドタバタゾンビ映画って言った人誰!? 全然違うじゃん!!!!」
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