第一回 「話を作る力」と「文章を書く力」は別物
主題の通り、「話を作る力」と「文章を書く力」は別物です。ものすごく当たり前なことを書いておりますが、小説を書いていてスランプに陥るのは、この両者のバランスが取れなくなったときが多いと思います。前者は体内から吹き出るくらいにアイデアがあるのに、文章力が不足していて表現できない。反対に、文章を書く力はあり余っているのに、お話が浮かんでこない。誰もが陥る問題ではないでしょうか。
スランプの解決を求める前に、あなたは「話を作る力」と「文章を書く力」、どちらが大事だと思いますか? もちろん、両方あることが望ましいわけですが、我々素人物書きが大事にすべきはどちらでしょう、という話です。
わたしの結論は、素人の物書きであれば、全体を10とすると、「話を作る力」が9で「文章を書く力」が1だと思っています。極論すれば、話を作る力さえあれば、文章を書く力は0でも、後で座学で補えばいいと考えているからです。
スランプの話に戻りますと、一番厄介なのは「文章は上手に書けるのに、話が面白く書けない」という人です。どうしても技術力で話を補ってしまい、自分の「話を作る力」の不足に目を向けなくなってしまいます。文章がある程度上手に書けますと、読者もそれなりの評価をしてくれます。これがかえって作者に錯覚を与え、「あれっ? 頂いた評価のわりに、読んでみると面白くないな」という状態を引き起こしてしまうのです。
これは物書きだけの話ではありません。あらゆる趣味において、人より技術力があると、ある時期に上達が頭打ちになります。技術力の上達度というのはリニアなものではなく、ある時期に全てを捨てて、新しい自分を作るくらいの変革を遂げないと上のステージに行けないものですが、こと自分の技術力に自信を持っていると、なかなか自分のスタイルを捨てられません。ここにジレンマがあって、いかなる趣味においても、「そこそこ上手な人」で終わってしまうわけです。
ということで、わたしが言いたい結論は、「文章を書く力」なんて気にしないで、とにかく「話を作る力」を磨いて、どんどん書いていこう! ということです。我々素人が量を書かずに技術にこだわるのは、畳の上の水練になりかねません。ですので、
書きたいことを好きなように書いてきましょう!
と、この回ではお伝えして終わりたいと思います。
(様子をみて)続けます
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます