ボク

第10話 新たな家族

遊覧船で出会った3匹の子猫を救い出したボクは、彼らの世話をするために最寄りのペットショップを目指した。街は依然として人の気配がなく、ペットショップの扉も無防備に開け放たれていた。

ペットショップでの探索

店内に入ると、ボクはまず子猫たちの餌を探した。棚にはさまざまな種類のペットフードが豊富に揃えられており、ボクは子猫用のフードを手に取る。その後、子猫たちのために、水飲み器や小さなベッド、そして遊び道具を見つけ出した。この無人の店から、必要な物品を持ち出すことに少し罪悪感を感じながらも、子猫たちの生存が最優先だと自分に言い聞かせた。

子猫たちの反応

車に戻り、ボクが餌を与えると、3匹の子猫は飢えていたらしく、貪るようにそれを食べ始めた。食事が終わると、子猫たちは急に活気づき、ボクの周りをうろうろと歩き始める。そして、彼らはボクの膝に登ってきて、安心したのか、身を寄せ合いながら眠り始めた。

新たな家族の絆

この瞬間、ボクは自分がこれらの小さな命の保護者になったことを実感し、心の底からの喜びと責任感を感じた。孤独だった世界に、突然現れた新たな家族。彼らはボクにとっての大切な存在となり、これから先の旅路の中で、心の支えとなるだろう。

新しい日常の始まり

子猫たちとの新しい生活が始まった。ボクは、彼らにそれぞれ名前を付けることにした。遊びながら、彼らの個性を見分け、名前を考える。その過程で、ボクは自分の心が以前よりもずっと温かくなっていることに気づいた。

この出会いは、ボクにとって予期せぬ贈り物だった。人類が消失した世界で、ボクは新たな家族を見つけ、それぞれに大切な絆を育む。この小さな生命たちとの日々が、これからのボクの旅に新たな意味をもたらすのだった。