ボク

第9話 意外な発見

遊覧船の船内を一つ一つ丹念に探索していくボクだったが、期待していたような手がかりはどこにも見つからなかった。失望と不安が心を覆いつつある中で、船内の最後の部屋にたどり着く。深呼吸をして、扉をゆっくりと開けると、目の前に広がる光景に一瞬言葉を失う。

落書きされたメッセージ

部屋の壁には、「もらってください」と大きな字で落書きされていた。このシンプルなメッセージが、なぜここに、そして誰が書いたのか、その理由は不明だった。しかし、そのメッセージの下には、さらに意外な発見が待っていた。

子猫たちの発見

部屋の隅に置かれた段ボールの中から、3匹の子猫がボクを見上げていた。子猫たちは明らかに弱っており、何日もこの場所で過ごしていたことが推測された。人類が消失したこの世界で、彼らはどうやって生き延びてきたのだろうか。

子猫たちの救出

一瞬の躊躇もなく、ボクは子猫たちを手に取り、彼らを自分のもとに引き取ることを決めた。この孤独な世界で出会った小さな命を見捨てることはできなかった。段ボールを持ち、子猫たちを船から連れ出し、車に乗せる。彼らに水と食料を与えながら、ボクは新たな責任感を感じ始める。

意外な収穫

この遊覧船から得たものは、人類消失の謎を解き明かす手がかりではなかった。しかし、ボクはこの小さな生命たちを救うことで、自分自身の中に新たな光を見出した。孤独感が少し和らぎ、この子猫たちと共に、どんな困難も乗り越えられるかもしれないという希望が心に芽生える。

新たな旅の始まり

子猫たちを救出したことで、ボクの旅は予期せぬ方向へと進むことになった。彼らと共に、新たな日々を過ごしながら、依然として未解決の謎への探求を続ける決意を固める。この小さな出会いが、物語に新たな展開をもたらすのだった。

この第9話では、遊覧船の探索から始まったボクの冒険が、意外な形で新たな仲間たちとの出会いへと繋がり、彼の孤独な旅に暖かい光をもたらすことになる。