第11話「白百合の夜2」
部屋に案内される間、モアに。
ちょっと考えるから黙ってて。
と言われた。
モアは部屋に行くまで、何やら考え込んでるようだった。
そして、部屋に入るなり服を脱ぎ出したッ⁈
ッ!!
慌てて背を向ける。
わぁあ…モアの着替えなんて今の俺には、毒だ‼︎
…モアの背中、綺麗だったな…。
本当に咲いているみたいだった。
ブランが凛と佇むフレィレ・ド・リィリィの華…。
さすが〜!注目ぅ集めるだけあるわ〜!
俺のフラレンス〜♪
ソレイュ、頼みがある。
!!
ッ
我に返って振り向くと、いつもの格好にリネェをかけたモアがいた。
もし、誰か来たら妻は、体調が良くなくて休んでると。
朝食の時もそう言って。ここからは、単独行ー動だからしっかり!
「そんな心配しなくも、やってみせるって!!
安心しろよ!」
男の格好でよかったぁ!
女の格好じゃ外、出せねぇ‼︎
助けてくれる人はいないから。失敗するな。「絶対」
失敗したら、ゆ・る・さ・な・い。
なっなんだょ…。
その言い方、ちょ…かゎ…ぃ…じゃねぇか。
じゃあ、行って来るから。
「ぉ、おう!行ってらっしゃ〜い!!」
少し外を伺って、颯爽とモアは出て行った。
…行っちまった。
俺も行けたらいいのに…。
ちょっと寂しいな……。
ん?
あれ⁈
寂しい⁇
待てよッ!
待て!待て‼︎
もしかして、俺…モアを…。
…意識している⁈
確かに何かと世話を焼いている。
だから、「あの時」は焦ったし⁈
初めて会った時、青い髪が物珍しくて無性に友達になりてぇと思った。
いろんな話をして…俺がわかってやんなきゃ…。
もしもの時…俺を頼って欲しくて。
だから、この仕事を受けれるって時は嬉しかった。
俺がモアの事を1番、知ってそうだから「やりたい」って思った。
イグニス役には1番だと思った…。
……やっぱり俺、モアを意識してんのかな……?
わっかんねぇ‼︎
ハァ…。
ソレに、きっとこんな風に考えてるのは俺だけだ。
モアは、何にも感じてないよな…。
いつもモアは、変んねぇもんな…。
わかりやすいけど、俺に心が動かされてるわけじゃねぇし。
あ''ぁぁ‼︎
こんなんでモアが帰って来たらどんな顔すればいいんだ!
はっず…‼︎
落ち着けぇぇぇええッ!
外でも見て落ち着けぇぇぇええッ‼︎
ぁ 今日は、そう言えばアノ月だったな〜。
ヴィン色の暗い空を見てぼんやりと思った。
モア…。
わぁぁぁあ!寝ちまぉう‼︎
起きてるからいろいろ考えちまぅんだ!
早く寝ちまぉう‼︎
チッ
トドッ
チッ
トドッ
チッ
トドッ
…は、計の音が…‼︎
…に、心臓の音‼︎
そう言えば、アノ月で思い出した。
「あの時」あんな弱々しいモア初めてだったな。
骨貼った体、苦しそうな吐息、苦しみに堪える声。
いつか、聞くことは出来っかな…。
甘い吐息を、漏れてしまった声を、あの細い体をだッ……ぅわぁぁああ‼︎どうしよう‼︎
寝れねぇ‼︎なんで寝ようと思ったんだ…俺。
モアの事ばっかり考えちまう‼︎
シャンドルジュは、やり過ごしたし。
何も異常はない。
でも、あ''ぁ‼︎
計と心臓の音がうるせぇ!
真っ暗で気を紛らわせる物は何もない。
チッ
トドッ
チッ
トドッ
チッ
トドッ
カ チャア
あ、モアが帰ってきた。
ヴィストを脱いで、シュっと何かを外した音が聞こえる。
モアの体重をイリット伝いに感じた。
ドッ
ドッ
ドッ
あ’’ぁ‼︎心臓の音うるせぇ‼︎
ドッ
ドッ
ドッ
はぁ…は…。
心臓の激しい鼓動…止め!
ドッ
ドッ
ドッ
は…はぁ…。
だから、止めッ!!
ドッ
ドッ
ドッ
…ぅ…うぅ…。
んっ?なんか、モア辛そうじゃねぇ⁈
「モア、大丈夫か?」
…大、丈夫。
ぃいや!絶対、大丈夫じゃねぇ!!
言ってくれょ…俺を、頼ってくれょ!
カバッと振り向いて、モアの肩を掴む。
「モア!」
その瞬間、リドゥの隙間から僅かな灯りが微かにモアの顔を照らした。
その顔は苦しんでるようにも、色っぽく高揚してるようにも見えた。
押し退けてきた手が、俺を求めている手にも見えた。
…ソ…ィュ…大…丈……から…。
その消えそうな声で、名前を呼ばれて心が熱くなって。
モアの細い体を抱いて、深く口づけしてた。
んんッ⁈
…ぁっあ。
んぅはっ…ゃめ。
モアの反応が可愛い‼︎
耳に舌を這わせる。
…はっ。ぁあっぁぁ……。
首筋を舐めようとした瞬間。
駄目。
モアにあっさり押し倒された。
*:*
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます