第2話「愛情過多」
ーー誰かが踵を鳴らして入ってきた。
?!
「…マ、マゼンダ!久しぶりだなぁ〜…。」
「サリュ〜!ソレイュ!!ずっと忙しかったの!!全然時間が開かなくって…。
ソレイュも会いたかったでしょ〜?」
「ァハ、ハハ。」
ーー隣りに座った?
あぁ、ソレイュを特等席で見る為か。
こっちに絡んで来ないなら、なんでもいい。
「ソレでね〜ソノお客さんがマリアジァしないかぁ?って言うの〜!」
「ふ〜ん。大変なんだなぁ。」
ーーえ。
聴き流してる?
全く話を聞いてない。
「あの」ソレイュが⁈
「誰かさんが、早くワ・タ・シをシェリィと呼んでくれないかしら…。」
「…い、いつかそうなるといいなぁ…。」
「あ!今日もお菓子を作ってみたの!」
「今日はね!サブレィを作ってみたの!!ソレイュ、味…見て?」
「ぁ…あぁ、うん!」
「どぉ?」
「んん!!悪くない…悪くないけどな…何かが足りない…。
なんだろうなぁ…うぅん…。」
「もぉうっ…ブロンジェでしょ!?しっかりしてよ!」
「ねぇ?じゃあ、あなたも食べてみて!!」
ーーこっちに話を振って来た‼︎
でも、この女はソレイュに夢中みたいだし…。
…別に普通。
→→→♥︎
「そう言えば、あなた初めてね!なんて名前?」
モア。
「ゴロゥプは、何してるの?」
探偵。
「そうなの?かっこいい!!何歳なの?」
ーーあれ⁇
ソレイュ入ってこない⁇
いつもは頼んでもないのに入って来てた様な…?
25。
ーーまぁ、いいや。適当に答えとこ…。
「同い年ね!何もない日は何してるの?」
本を読んでるかな。
「へぇ!!どんな本読んでるの?」
物語。
「本が好きなの?面白い?」
まだわからない。
「何してる時が楽しい??」
さぁ、何が楽しいかな。
ーー質問攻めにされてしまった。
女はやけに楽しそうだ。
くいっとワインを飲み干す。
「ふふふっ!!
ァビエント!
モア、ソレイュ!またパティスリィ味見してネ!」
「ァ、ァビエント〜…。」
「モア!!お前、絶対。
グゥテンダァにされたぞ!」
?
ーーソレイュがどう言う意味で言っているのかわからない。
「マゼンダのお菓子はな…!
……。
ある時は、甘い煉瓦をかじっている様で、ある時は、甘い粘土の様で。
今日のは、甘い砂の塊の様だった…。
うあぁぁ…!!
俺が、味見してやるよ〜とか気軽に言わなければ…。
なんで、モアは表情1つ変えず食べられるんだよっ?!信じられねぇ!
でも、これからは…モアも大変だぞ!
感想捻り出すのっ!」
そう。
ーーふぅん。
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