⑪豚の角煮-6-
『これよ!これ!これが豚の角煮なのよ!』
醤油の味が染み込んでいる豚バラ肉と大根、黄身がトロっとしている半熟の味付き玉子。
豚の角煮を前に感動を隠し切れない美奈子が箸で挟んだ肉を口に運ぶ。
美奈子の口の中に広がっているのは、甘辛い醤油のタレとマッチした豚バラ肉の柔らかい食感と脂身の甘さ。
大根は柔らかく、煮込んだ事で味が染みている。
黄身が半熟の味付き玉子が、豚の角煮をより美味しそうに見せているのだ。
『これがブタノカクニ・・・』
豚の角煮を食べて幸せそうな表情を浮かべている美奈子とは対照的に、ランスロットとレイモンドは生まれて初めて目にした料理を不思議そうに眺めている。
『では・・・』
二人はフォークで刺した豚バラ肉を口に運んだ。
((!?))
甘さと辛さが一つになっている豚バラ肉は柔らかく、脂身は口の中で蕩けていくのだ。
醤油の味が付いている玉子は、トロっとしている半熟の黄身が食欲をそそり、柔らかく煮込んでいる大根の味は優しい味がする。
ランスロットとレイモンドは、紗雪が作った豚の角煮を無言で食べていく。
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