特殊なテイマーの力

新たな街に来て奴隷商とあって

売られていたS級モンスターを買い取り

新たな旅の仲間として名前を付けたところ

ユキと同じように人になったのである

どうしてこうなるの?


「アンタはいつまで固まってんのよ」


「いやいやいや ちょっと待って!

 ユキ!ちょっと説明して」


「私に振られても無理だよおにぃちゃん!?

 とりあえず2人に聞いてみたらいいじゃん」


「そっかぁ〜 サラ フウカ

 2人はどうして人間になったの?」


「知らないわよ

 あんたに名前付けられた瞬間に

 アンタの魔力が流れ込んできて

 それでこうなったんだから」


「私もそうでした

 ご主人様がやったのではないのですか?」


「うん

 給与式はB以上には通用しないし

 魔力渡した覚えもないし」


「私の時もそうだけど

 不思議だよねぇ」


「ふぅむ お客様」


「はい?」


「多分それは【貴方の特殊な力】なのかも」


「特殊な力?」


「えぇ 一度テイマーの方の

 テイムを見たのですが

 人間にはなりませんでしたからなぁ」


「やっぱり僕だけなのかな?」


「えぇ きっと貴方様にしか出来ない

 特殊なテイム法なのでしょうな」


「特殊なテイム法・・・」


「えぇ 〔討伐式〕や〔給与式〕とも違う

 〔友好式〕とでも言いましょうかな」


「〔友好式〕・・・」


「えぇ 貴方と魔物がお互いに信じ合える時

 貴方と魔物の魔力が共鳴し

 魔物を人間にするのでしょうな」


「これが僕にしか出来ない・・・テイム」


「そうです 貴方にしか出来ない

 唯一のテイム」


「僕にも・・・出来ることがあったんだ」


「えっと・・・おにぃちゃん」


「ん?どうしたの?ユキ」


「お腹・・・空いちゃって😅」


「えっ!?ユキ さっき肉屋のおばちゃんの

 おにぎり食べてなかった?」


「💧 ナンノコトダロ〜」


「お〜い 目が泳いでるよ〜

 まぁ なんか食べに行こうか

 サラとフウカも何か食べたいものある?」


「えっ?」


「へ?」


「まぁ いいや!

 一回行こうか!

 ありがとうございました」


「えぇ またお越しくださいませ

 奇跡のお客様」



そして僕達は奴隷商の店を出て

夜の街を歩いていた


「さぁて一回帰ろっかな!」


「・・・」


「ん?」


「おにぃちゃん?どうしたの?」


「いや・・・なんでもないよ」


「? じゃあ行こ!」


「うん!『転移・サンガルド』」


  レアガルド最大の街・サンガルド


「おぉ〜 ホントに便利だなぁ

 この転移指輪💍」


「え? ここどこですか?」


「ここはね〜この国で1番大きい街らしいよ

 フウカちゃん 私も初めての時は

 びっくりしたんだよ」


「そうなんですね!

 ユキちゃん・・・ですよね

 仲良くしましょう」


「うん!サラちゃんも!」


「・・・ふん」


「サラちゃ〜ん!!よくないよ」


「フウカは警戒心なさすぎ!

 私は認めてないもん」


「あはは

 まぁ なんか食べに行こうよ」


       カランコロン


「いらっしゃいませ〜」


「よいしょっと 皆んな

 好きなもの選んでいいよ」


「えっ?いいんですか?」


「うん いいよ」


「サラは?」


「・・・ハンバーグ」


「オッケー あとはユキ〜」


「・・・💦!!」


「まためっちゃ悩んでる!!

 えっとユキちなみに候補は?」


「候補?普通一個でしょ

 アンタ何言って・・・」


「今4つありますね!!

 おにぎり3個とビックピザとハンバーグと

 オムライスが候補です!!」


「うわぁ〜 ユキちゃんすごい食欲」


「うわ〜 いつもの事ながら

 バケモノだな〜」


「どうしよう 

 選べにゃい」


「あ〜 うん ユキ

 もう全部頼んでいいよ

 僕も半分食べるから」


「ホント!?やったぁ!

 おにぃちゃん やっさし〜」


「アンタ胃袋どうなってんの💧」


「え?普通だけど?」


「アタシがバカだったわ」



        10分後


「ごちそうさま〜!!」


「お〜 さすがユキ食べるねえ

 2人はどう?」


「ごちそうさまです!

 お腹いっぱいになりました!」


「アタシも一応」


「ありがとうございますね!

 ご主人様!」


「フウカ それやめて

 普通にハヤトでいいって」


「ならハヤトさんで」


「うん まぁ 大丈夫?」


「ハヤト ね 覚えとくわ」


「あれあれ〜?サラちゃ〜ん

 信用してないんじゃ〜?」


「うっ!うるさいわよ!フウカ!」


「ふふっ 素直じゃないね〜」


「黙ってなさいよ!」


「フウカとサラのやつ見に行こうか!」


「へ?」


「見に行くって何をよ?」


「2人の装備だよ」


        武器屋


「こんにちは〜」


「お〜っす らっしゃい!!

 っておぉ にぃちゃんか!

 どした?新しい装備か?」


「はい!この2人の装備が欲しくて」


「おぉ〜 にぃちゃんまた仲間増えたのか!

 にしてもまた不思議な子だな」


「また?」


「いやぁ 見た目が不思議な子ばっかり

 にぃちゃん連れてくっからよぉ」


「・・・

 (確かにユキは人間だけど耳と尻尾あるし

サラとフウカも尻尾と羽根?あるし)」


「んまぁ! どんな装備がいいんだ?

 武器か?」


「はい!」


「嬢ちゃん達ちょっと来な!」


「はい!」


「ん」


        5分後


「う〜ん 緑の子はなぁ 

 これがいいかもな!」



「これ 剣ですか」


「ただの剣じゃねぇぞ?

 それは珍しい【チェンジウェポン】だ」


「チェンジウェポン?」


「剣を上と下に引いてみな!」


「はい  うわぁ!剣が分かれた!

 二刀流になっちゃった」


「それだけじゃねぇぜ!

 武器に『チェンジ』って言ってみな」


「『チェンジ』

 うわっ!弓になった!」


「そう!それがチェンジウェポンだ!

 状況において使い分けな」


「はい!」


「そっちの黄色い子は〜

 これかな!」


「これ 棒?」


「そうそう!でもそれもチェンジウェポンだ」


「何か変わるの?」


「武器にこう唱えな『伸縮』」


「『伸縮せよ』

 うわっ!長くなった!」


「そう!戻したい時は『収縮』って

 唱えな」


「『収縮せよ』

 わぁぁあ すごい!」


「どうだ!気に入ったか?」


「はい!ものすごく!」


「うん!気に入ったわ!」


「らしいけど どうする?

 にぃちゃん」


「買わせて貰います」


「お得意様だからな!銀貨6枚!」


「余裕です!どうぞ」


「おう! 毎度あり!」


「ありがとうございました!」


「おう!また来いよ!」


僕達は武器屋を出て街を歩き始めた


「旅はまだまだ続くけどよろしくね

 ユキ・サラ・フウカ!」


「うん!任せて おにぃちゃん!」


「はい!よろしくお願いします!」


「ん よろしく」


「(まだ皆んな子供だし

僕が面倒見ながら進もう)」


新しい仲間も加わり

旅が本格的になってきたし!

いつかにぃちゃんと会えるかなぁ

今はとりあえず前に進むか!








        ???


「どうだった?シレイ」


「主様 たくましくなられておりました

 既にS級を3体テイムしておられました」


「そっか!あいつも頑張ってんだな!

 バレてないよな?シレイ」


「少し危なかったですが

 バレてはいませんよ」


「そっかぁ さすがシークレットスパイダー

 さぁて行こうぜ シレイ」


「どこに行くのです?」


「新しい仲間探すぞ!

 次あいつに会うのが楽しみになってきた」


「兄としてですか?ライバルとしてですか?」


「ん〜

 両方だな!

 俺はあいつの兄貴でもありライバルでもある」


「そうですか」


「おう!行くぞ!」


「了解です 主様」


待ってるぞハヤト

早く俺がいるところまで来い

2人で最強のテイマーになろうぜ

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