夜の街の新たな出会い

僕とユキはレアガルド最大の街 サンガルド

を離れてから3日ぐらい歩いた

そして気付いたことがある

ユキは武器を持たないのだ

基本的に虎ということも相まって

雪の戦闘スタイルは

【素早さを活かした高速アタッカー】

持ち前の足の速さで相手を翻弄し

その隙をついてダメージを与える

実際ユキの戦術は恐ろしくハマっている

戦う敵のほとんどはユキの素早さだけで

着いて行こうと躍起になりバテてしまい

まともに戦闘は出来なくなる


そして今も


「おにぃちゃん!

 また魔物を倒したよ!」


「相変わらずお早いことで」


「おにぃちゃんも付いて来てるから

 中々だと思うけどね!」


「ほらユキ!

 そろそろ【ルナーリア】に着くよ」


「あっ!はい!」

 

     夜の街 ルナーリア


「うへぇ〜 夜の街というだけあって

 暗い!まだ昼なのに真っ暗だ」


「ホントですね

 どこもかしこも夜みたいです」


そんな雑談を交えつつ歩いていると


「ぐるうぁぁぁぁぁぁあ!!」


「街の中に魔物!?ユキ!」


「うん!」


突然魔物が襲って来たので戦おうとすると


「『エレクトロネット』」


「がうぁぁぁぁぁぁあ!!」


突如電気の網のような物が出てきて

その魔物を閉じ込めてしまった


「いやぁ すみませんなぁ〜」


道の奥から声が聞こえたと思ったら

スーツに身を包んだ 老人が出てきた


「えっと あなたは?」


「私はただの奴隷商でございますよ」


「奴隷商?」


「えぇ 奴隷といっても人間では無く

 【魔物の奴隷】ですがな」


「魔物を奴隷として扱ってるんですか!?」


「えぇ〜 この街では普通ですからな!

 お連れの方も 魔物でしょう?

 目を離すと攫われるかも知れませんよ」


「ユキ!」


「ハヤトおにぃちゃん!

 まだ大丈夫だよ!」


「よかったぁ〜 ん?

 なんかユキおかしくない?」


「え?そんな事ないと思うけど」


「う〜ん  💡!

 敬語だ!ユキの敬語が無い!」


「え?そんなことあるわけないじゃん

 私はいつも敬語を・・・

 嘘 敬語が使えない!?」


「呪われましたな」


「呪われた?誰にですか!!」


「この街が常に夜の原因である

 ナイトメアパンサー

 今は奴隷となっていますが

 常に強力な呪いを辺りに振り撒くのです」


「そんな!

 じゃあこれは一生治らないんですか?

 ってあれ?」


「呪いの効果は奴が決めますからな

 お嬢さんは多分

【そちらの方にだけ敬語を奪われた】のかと」


「それ以外は害がないのか

 よかったぁ〜」


「ふぅむ やはりあなた様は」


「え?僕がどうかしましたか?」


「こちらへ来ていただけますかな?」


「はい?」


そして僕とユキはその老人の後に

着いていくことにした

すると サーカス場のような

カラフルな建物に着いた


「ここは?」


「ここはですなぁ

 私が経営している奴隷売り場です!」


その言葉通り

建物の中には無数の檻と奴隷?がいた

色々な魔物が捉えられていた

中には少し弱っているものもいた

それに【グレイシャルタイガー】もいた


「うっ 最悪な気分です」


「大丈夫?ユキ 嫌なら目を瞑っててね」


「大丈夫だよ おにぃちゃん」


「さぁ お客様 どのような奴隷をお探し

で?」


「いや!僕達は奴隷を買いに来たわけじゃ!」


「おにぃちゃん!ちょっと!」


「何?ユキ」


奥からユキの大声が聞こえたため

声が聞こえた場所に行くとそこには


「! これはS級の

 エレクトロバードとウィンドバード!!

 S級の中でもレアなはず!」


「お客様それにはあまり近づかない方が

 よろしいかと思いますよ」


「え?なんでですか?」


「クァァァァァァア!!⚡️」


「うわっ!?」


「! 『雪壁』」


突然雷を放ってきたエレクトロバード

その攻撃に対してユキが即座にバリアを

貼ってくれた


「ありがとうユキ!助かったよ」


「うん!」


そして僕は思い付いたことを商人に聞いた


「この檻に入ってもいいですか?」


「え?はぁ

 この鳥達は姉妹でして

 ウィンドバードを守るエレクトロバードが

 大変危険ですが?」


「大丈夫です たぶん」


         ガチャ


「ねぇ 君達は」


「クァァァァァァア!⚡️」


「『障壁!』

 (魔力を使う攻撃はやめて欲しいなぁ)」


「大丈夫だよ 落ち着いて

 僕は君たちを傷つけるつもりはないから

 ただちょっとウィンドバードの怪我を

 治させてもらっていいかな?」


「クァア クゥ」


「大丈夫!傷を治すだけだからね」


僕は怪我をしているであろう

ウィンドバードに近づいた


「キュウ ゥゥゥ」


「大丈夫 すぐ終わるよ『ヒール』」


「キュウ?キュウアァ!」


「ははっ!もう元気になったの?」


「お客様 1度檻から出ていただけますかな?」


「あっ!はい」


「どういうことですかな?

 急に大人しくなりましたが」


「エレクトロバードは怪我した

 ウィンドバードを守っていたんです

 だから凶暴だったんですよ」


「なるほど・・・

 (ここまで目のいいお客だ 

今後も面倒を見るでしょうなぁ)」


「どうかしたんですか?」


「お客様 この2匹を買いませんか?」


「えっ!?僕がですか?」


「えぇ!2匹ともあなたに懐いている

 ようですしなぁ?」


「うっ!わ わかりました

 いくらですか」


「ふぅむ 初回ですし

 2匹で金貨一枚といったところですな」


「たっかいですね!!

 まぁ 買いますよ」


「まいど!ありがとうございま〜す!😁」


「う〜ん 一回檻から出しますね?」


「えぇ どうぞ?」


「おにぃちゃん おにぃちゃん!」


「ん?どうしたの?ユキ」


「この子達にも名前!付けてあげようよ!」


「あ〜 確かに旅仲間なら

 名前がないと不憫かぁ」


「クァ?」


「キュ?」


「う〜ん エレクトロバード

 雷 サンダー・・・ 💡〔サラ!〕」


「そしてぇ ウィンドバード

 風 ふく ふう

 ・・・ 💡 〔フウカ!〕


「今日からキミ達はサラとフウカだ!」


      パァァァァァア


「うわっ!」


「きゃっ!」


「むぉっ!」


        ペチペチ


「あてててて!」


「ちょっと いつまで目瞑ってんのよ」


「え?」


「サラちゃ〜ん!!やりすぎだよぉ〜

 大丈夫ですか?」


「うぇ?」


「えっと?サラちゃん

 固まっちゃったんだけど」


「はたけば戻るわよ 退いてなさい

 私がはたくわ」


「ダメだよ!?サラちゃん!」


「えぇ?ユキの時もそうだけど

 なんでぇ?」


えぇ?名前付けたよね?

そしたらまた人間になるよね

・・・うん ナンデ?



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