第11話 御山さんを看病②
(ここが御山さんの家か、凄く広いな)
御山さんの家は玄関から既に家全体の広さが伝わってくるぐらい広かった。
「お兄ちゃんは才ちゃんと一緒にいて、才ちゃん今日何か食べた?」
「何も食べてません」
「ならお粥作るから、台所借りていい?」
「好きに使っていいですよ、ゴホッ!ゴホゴホッ!」
ますます御山さんの顔色は悪くなっている。
「御山さん!早く寝室で横になろう!」
「分かりました、ゴホゴホッ」
そう言って御山さんはちょっとふらつきながら寝室に向かっていった。
「お兄ちゃんはタオルと水を容器に入れて持って行って、水につけて絞ったタオルで才ちゃんの額を冷やしておいて」
「分かった」
文人は可憐の指示に従って水とタオルを持って御山さんの寝室に入る。
「文人さん、いろいろありがとうございます」
「いやいや、僕は可憐の手伝いに来ただけだから、はいこれで額冷やしてて、もう少しぐらいでお粥できると思うから」
「本当にありがとうございます」
「そんなにしなくていーって、それよりお粥ができるまでは寝てていいから」
「では寝させてもらいますね、コホコホッ」
「うん、安心して寝てて」
そして御山さんは眠りについた。
「ふぅー、ぐっすり寝てるな御山さん」
(やっぱり今見ても可愛いし綺麗だな、って!何を考えてるんだ!今はちゃんと御山さんを看病しないと!)
文人は寝てる御山さんの隣でタオルを変えたりしながら、御山さんの寝顔を見るという至高の時間を過ごしていた。
(御山さんの寝顔が見られる何て今日はいい日!いや……御山さんが苦しそうにしているのにそれが嬉しいと思うのは失礼だな)
と心の中で反省しながら御山さんを見守っていると可憐の声が聞こえてきた。
「お兄ちゃん!ちょっとお粥取りに来て!」
「うん分かっ!」
文人は立とうとした時いつの間にか文人の服の袖口を御山さんは握っていた。
(いつの間に御山さんは掴んでいたんだ?でも御山さんは今寝てるのに)
だがそんな事よりも文人は自分の服の袖口を握っている姿にキュンッ!としている。
「早くしてよ!お兄ちゃん!」
「ごめん!ちょっと今手が離せない!」
「うん、分かった」
(ちょっとぐらいの嘘でもこの状況なら神様も許してくれるよな)
そう思いながら御山さんを見ていたら、可憐が部屋に入って来たのでバレる前に御山さんの手を袖口から外した。
「ちょっとー!手が離せないって言ってたじゃん!これぐらい手伝ってよ!」
「騒ぐなよ可憐、それに嘘はついてないし」
(だって御山さんの手が離せなかったんだから嘘はついてない)
「はぁー、もういいから才ちゃんを起こして」
「分かったから、もう怒るんじゃないぞ」
「怒ってない!」
そんなやりとりをし終わり、御山さんを起こす。
「御山さん、御山さん、お粥できたから起きて」
と呼びかけるとすぐ御山さんは起きた。
「はい……」
と言ったが御山さんは中々目を開かない。
「変わってお兄ちゃん」
「うっうん」
そう言われて文人は可憐と変わった。
「起きてーー才ちゃーーん」
「はい、分かりました」
(何で可憐の時はすぐ起きるんだ?まあ偶々だろう)
「ごめんなさい、ぐっすり眠っちゃいました」
「大丈夫だよ御山さん、今の御山さんは寝るのが仕事みたいなもんだから」
「そうだよ、才ちゃんは寝るのも仕事だけど、はい!食べるのも仕事だから」
そう言って可憐はお粥を御山さんの近くに置く。
「ありがとうございます」
「うん、ゆっくり食べてね、じゃあお兄ちゃんそろそろ帰ろっか」
「そうだな、長居しても迷惑になるからな、御山さんしんどくなったら可憐に連絡してくれればいいから」
「うん、いつでも連絡していいからね才ちゃん」
「ありがとうございます」
「じゃあまたね、才ちゃん」
「御山さん、またね、あとコンビニで買って来た物はそこに置いてあるからね」
「文人さんもわざわざ来てくれてありがとうございます」
「うん、ゆっくり休んでね」
そして文人と可憐は御山さんの自宅を後にした。
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