第6話 妹の友達

 それから数日が経ち、御山さんもすっかりクラスに馴染んでいる。


 そして休日の今日は両親が二人でデートしているため家には可憐と文人の二人だけしかいない。


「ねえお兄ちゃん」


「何、可憐」


「お母さんには言ったんだけど、お兄ちゃんに言うの忘れてたなーと思って」


「だから何、可憐」


「今日さ、友達を家に呼んでるんだよね」


「へ〜…………って!えーーー!!」


(聞いてないんですけどーーー!!)


 文人の叫び声が家の中の隅々まで響き渡る。


「えっえっ!、何時頃に来るの?」


「10時前後に来るって」


(えっと今が、9時45分!)


 どうしようどうしようと家の中を行ったり来たりして考える。


(今出たら鉢合わせはしない筈だ!)


「可憐、お兄ちゃんは用事を思い出したから少し出かけてくる」


「えっ…ちょっと待って!」


(すまない妹よ、僕は妹の友達と会うと必ず気まずくなるだからお前の為なんだ!)


 そう思いながら家を出ようとした時、ピンポーンと家のインターホンの音がした。


(何でこんな都合のいいタイミングで来るんだ!)


「今開けるよー」


 そう言いながらドアを開けようとした時の文人が止めた。


「可憐、流石に心の準備が……」


「そんな事で待たせられないから、今度からは事前に伝えるから今日はごめんね」


 そして家のドアが開かれると見た事のある銀髪の髪の毛が見えた。


「才ちゃーん!久しぶり!」


「久しぶり!憐ちゃん」


(何で御山さんがここに!)


「凡内さん?何でここに……」


 そう妹の友達とは御山さんの事だった。


「二人って知り合いなの?」


「えっと……」


(どう説明すれば良いだろうか)


 文人は考えているがその前に御山さんが口を開く。


「同じクラスの友達です」


(俺と御山さんって友達だったんだ、普通に嬉しい!)


「へ〜そうなんだ〜、才ちゃんはそこでちょっとだけ待ってて、ちょっとお兄ちゃんこっち!」


 そう言われて御山さんから少し離れた。


「才ちゃんの事、どう思ってるの?」


「えっなんだよ突然」


「だからどう思ってるの!」


「クラスの中じゃ、一番仲はいいけど」


(御山さん以外とはほとんど喋らないからな)


「そうなんだ……じゃあ異性としては?」


「どういう質問だよ」


「だ・か・ら!恋愛相手だったら!」


 文人は十数秒フリーズした。


「ないないないない!だって御山さんだよ!顔も美人で成績も優秀、そんな子と恋愛なんてないない」


「そう…………なら私が頑張って二人をくっつけよう」


 そう言って御山さんの方に可憐が寄る。


「えっなんて言ったんだ可憐!」


 案の定、可憐の声は文人には聞こえてなかったらしい。



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