第22話 すーちゃんの病気
僕は去年も受けたのだけど、今年はすーちゃんも一緒に受けることになったあんまり嬉しくない、健康診断。
多いところだと年に2回とかやるらしいと病院に通ってる患者仲間から聞いたことがあります。
オトシャンもオカシャンも僕たちの武器や毛の手入れは「嫌われたくない」という理由から毎回全部病院の先生にお任せしているので、
毎回心配事は相談しに行っているはずだから、僕としてはやらなくてもいいじゃん!とは思うのですが、いつもの相談ではわからない事が分かるらしいので、仕方ないと思ってワクチンみたいに受け入れた僕はエライでしょう。
暑い季節の炎天下いつもの狭い箱にはひんやりしたものが入っていました。
オカシャンは心配症です。
でも、ひんやりしたもの…悪くないですね。
病院に連れていかれた僕たちはまぁ、色んな検査を受けるのですが、ワクチンとは別のちょっとチクっとするやつとか、僕の事を押さえつけて何かしているのとかの結果をオカシャンとオトシャンが聞いて、対策を先生が考えてくれるみたいな流れらしいですね。
一先ずわかるのは僕たちの中身が元気に動いているかとかおかしな形をしているところはないかどうかみたいですね。
更に中の事は一週間後くらいにわかるという先生。
え?またすぐ来ることになるの?嫌です。
ああ、一週間後にはオカシャンだけでいいって。
今回の僕の健康状態は健康そのもの!
やっほーい!僕ってやっぱりすごい。血尿も水虫も風邪も乗り越えた僕は最強です!
さてさて、新入り黒きレディこと、すーちゃんは…なんと!健康診断で引っかかってしまいました。
薬か?苦くてオカシャンに無理やり飲まされる薬か?それとも注射か?
僕はどんな対策を取られるのかなと小窓から見ていたけど、特に何もされていませんでした。
すーちゃんは甘やかされています…先生にベッタリするし、これは贔屓です!
そんな気持ちでおうちに帰ってきた僕たちは、いつものようにとろとろの舌の止まらないやつを貰って、病院でされたリストバンドをなぜかオカシャンが奪おうとするのでひたすら逃げます!
オカシャンだって時々巻いてるじゃないですか!僕だってたまにはつけていたいことだってあるんです。
取るなら自分で取りたいときに取ります!!
とは言っても取られるんですけどねぇ。
おっと!忘れかけてた…すーちゃんの病気の対策にまさに贔屓としか言いようがないものが出てきました。
僕にはまっずいペラペラしたごはんが血尿だしてから出されているのに、すーちゃんにはとっても美味しい香りのするごはんが出されているじゃないですか!
こんなの…横取りに決まってます!
僕が自分に与えられたごはんを拒否してすーちゃんのごはんを横取りするので、困り果てたオカシャンが先生に相談した結果、
僕も食べても大丈夫と言うことになったそうです。
僕の大好きな味です。
ただこのごはん、食べてもすぐ消化されるみたいで僕はいつもよりも頻繁にトイレに行くようになりました。
お腹スッキリー。
ちょっとゆるめだったりもします。
そう、すーちゃんはこのおうちに来てから最初の三日間ナイスうんこをしなかったのでしたね。
喧嘩するときには撒き散らかしていたが、最近は僕との喧嘩でそうそう漏らさなくなりましたもんね。
うんうん、分かります、よく分かります。
銃弾は取っておかないといざっていう時に使えませんからね。
オカシャンの大好きな僕とのお風呂の時間がいつくるかわからないし、先日二度目の大きな敵とのバトルにも僕はすべての銃弾を撃ち尽くしました。
まぁ、勝てませんでしたが。だからこのあり様なんですが。
今回は僕との激しめの喧嘩のために取っておいた銃弾がすーちゃんの病気の原因。
なんとお腹の中に8発も隠し持っていたそうです…なかなかやりますね、さすが黒きレディ。
そして、その充填された銃弾はすべてこの新しいごはんによって綺麗に排出されたのでした。
すーちゃんもお腹スッキリー。
僕たちのごはんは基本的にそのごはんとなったようです。
それからというもの僕たちの喧嘩には銃弾なしの叩きあいがメインになったのですが、すーちゃんはズルいんですよね。
先に叩いてくる癖に(まぁ僕が先の事もあるけどさ)すぐに被害者ポーズでオカシャンの元に逃げます。
まるで僕が一方的に虐めているみたいに見えるようにまた演技をします。
オトシャンやオカシャンが居なくても喧嘩はするけど、そんな時も、もう銃弾戦はなくなりました。
そもそも、銃弾戦は僕たちは一切ダメージはなく、オカシャンとオトシャンへのダメージが大きいので遺憾の意と呼ばれています。
そして遠くから喧嘩を売りに行く僕は「じゃこ発射台」と呼ばれているのです。
このおうちに初めて来た時にオトシャンが振る紐を狙い撃ちしたらなぜかどんどん後ろに進んでしまって踏ん張らないと前に行けなかったからですね。
あの時はオトシャンもオカシャンも不思議そうな顔をしていました。
「なぜじゃこはおしり振りながら後退してから走っていくのか…チョ〇Qなの?」と。
その後からでしたねぇ…僕の足の裏の毛が武器と一緒に病院で刈られていったのは。
病院からおうちに帰ってきたときのあのちゃんと地面踏めている感じは好きです。
でも、病院も大きな敵がいるところも本当に嫌いです。
そして一週間後、オカシャンが先生にそのほかの結果を聞きに行ってきたようです。
すーちゃんも僕も健康そのものでした。
すーちゃんはあの新しいごはんで充填しっぱなしではなくなり、オカシャンも先生もそのままそのごはんで様子を見ましょうという事になりました。
僕もそのごはんのままでよくなりました。
やったー!あのペラペラのまずいごはんから解放されましたー!
僕はあの一回か二回貰えた大きなおやつがまた食べたいと思ったんだけど、それは出ませんでしたね。
残念。美容男子たるもの歯茎ケアにも力を入れて行きたかったんですけどね。
ああ、すーちゃんの病気ですか?
先生やオカシャンには銃弾の確保は理解できないみたいだから病気扱いされたけど、「べんぴ」って言っていましたよ。
まぁ、毎日ナイスうんこしていないとオカシャンは何かと心配するし、ちょっと硬めのうんこすれば血が混じっちゃってオトシャンが心配するし、結果いつでも病院に連れていかれちゃうのです。
それに毎日うんこすると「ナイスうんこですよーじゃこさん!」と褒められるので僕はこれからも褒められるんです。
すーちゃんも頑張れ!
暑い季節って…僕にとってはそろそろこのおうちに来てちゃんとした一年が経過したんですかね?
オカシャンとオトシャンが「はっぴばーすでーとぅじゃこさんー」と歌っています。
そして僕は僕たちの年齢で推定5歳に認定されたのでした。
プレゼントは病院に行ってもいないのにとろとろの舌の止まらないやつを貰って(なぜかすーちゃんも)新しいピンクの紐を貰いました。
すーちゃんからは「ふん!」と言う言葉とパンチを貰ったので、いつも通りに売られた喧嘩を買ってやりました!
僕のお誕生日祝いでとろとろの舌の止まらないやつを貰っておいてなんて奴だ黒きレディめ。
そんな毎日がずっと続きますようにとオカシャンは子守歌に「じゃこさん長生きしてくださーいすーちゃんとも仲良くしてくださーい」としょっちゅう言っているんですね。
よく食べて、よく寝て、よく喧嘩して、よくうんこすれば僕は100点満点です!
長生きか…最高記録目指して頑張ってみましょうか。さて、この暑い季節には僕の好きなお客さんが遊びにきます。
楽しみだなぁー。
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