冒険者ギルドには問題が山積み 2
冒険者ギルドに関する内容で、我が身に届いた厄介な案件に頭を抱えておりました。
そんな折に、タイミングよくやってきた冒険者ギルドの関係者は渡りに船でした。
「あの、リベラ様」
「はい?」
「質問をしてもよろしいですか?」
冒険者ギルドに向かう馬車の車内では、我が身の隣に座るマリアンヌが可愛い顔を傾げて問いかけてきました。
彼女は自分が美少女である自覚を持ってもらいたいものです。
オジサンは毒でしかありません。
侯爵家の令嬢など高嶺の花すぎて、私が手が出ませんからね。
ほら、ビリーさんが見惚れているではありませんか。
「もちろんです。何が聞きたいのですか?」
「実は、冒険者についてあまり詳しくないんです。対外的に魔物を討伐したり、護衛任務をされている認識ぐらいはあるのですが」
「ああ、なるほど。確かに王都では冒険者という職業は近年では活躍が減っておりますからね」
冒険者という職業は、地方では傭兵や衛兵の代わりになる場合もあります。
ですが、王都では魔物が城壁によって入って来れないために、冒険者が何をしているのか貴族の令嬢は知らないかもしれませんね。
かつて、この世界に魔王がいて、魔物が溢れていた時代。
魔物の討伐を主に行うことを冒険者は仕事にされていました。
現在は、王都周辺は魔物の出現率が下がっているため、ダンジョン攻略を主にされているトレジャーハンターや、街の中で何でも屋のように困ったことを解決するようなお仕事が増えています。
つまりは、冒険者ギルドはお仕事斡旋所のような扱いになっています。
高ランク冒険者の中には国が認めた強者や権力者もいるので、厄介な組織でもあります。
「なるほど、仕事の出来高制で報酬がもらえるシステムなのですね。仕事の成功率が高い人は高ランク認定を受けて、危険な任務なども受けられるお仕事だということはわかりました」
「ご理解ありがとうございます。マリアンヌが知っている護衛や、魔物討伐依頼などは、冒険者仕事の中でも花形といえるでしょうね」
我が身の説明に納得してくれたマリアンヌ。
逆にビリーさんは我が身から発せられた説明に不満そうな顔をされています。
「そんな説明でまとめないでくださいよ!」
「違うのですか?」
「うっ、違わないですけど、俺みたいな初心者冒険者は、街のお手伝いしかできませんよ! どうせ! ですけど、国選パーティー皆さんは凄いんですから!」
「国選パーティー?」
ビリーさんの言葉にマリアンヌが不思議そうな顔して問いかけます。
「そうです! 王国を代表する五人の冒険者様です。
聖騎士フォーリング様。
聖女ミレディーナ様
賢者アーロン様
聖弓シビリアン様
聖拳ガルディウス様
どなたも凄く能力が高くて、冒険者になる者にとっては憧れの人たちなんです」
国選パーティーとして名前を挙げられた五人に我が身からは深々とため息が漏れてしまいます。
「素晴らしい方々なのですね」
「そうなんです!」
「そう言えば冒険者の国選パーティーは、ランクによって貴族位を得られるんです」
「そうなんですか!」
我が身から発せられたマメ知識にマリアンヌが反応を示す。
やはり貴族としては、同じ貴族として数えられることに反応を示すのですね。
「まぁ、それくらいに国選パーティーは権威な扱いを受けるということです」
それがまた厄介な出来事を巻き起こすことになるのですが、それはまた別の話だと思っておきましょう。
「さぁ、到着しましたね。ビリーさん。行きましょうか?」
「はい! よろしくお願いします」
王都にある冒険者ギルドは、商業ギルドよりも大きくて立派な建物が使われております。
扉を開けば、冒険者たちが交流をするための、食事処があり。
2階にはパーティーメンバーだけで話ができる個室や、冒険者ギルドの宿泊施設なども用意されています。
冒険者として仕事受けるためのカウンターがあり、依頼を達成した報酬を見極めるカウンターなどには、夕方になろうとするこの時間は人が集まっております。
また、仕事の斡旋は、掲示板に貼られた物から、カウンターで問いかけて得る物も存在します。
懐かしい空気に面倒な気持ちになりながら、ビリーさんを見ます。
「どちらの方でしょうか?」
「あの人です」
長身のスキンヘッドで、強面の顔をされた男性を指したビリーさんに我が身は深々とため息を吐きました。
「やはりですか」
「うん? 腰抜けのビリーじゃねえか! 逃げ出したかと思ったぞ!」
ビリーさんを見つけた男性は嬉々として近寄ってまいりました。
「ひっ!」
そんな威圧感ある男性にビリーさんがビビって悲鳴を上げられます。
「うん? あんたは!」
「どうもお久しぶりです」
「ハァー、ビリー。お前はまた厄介な人を……」
我が身を知る彼とはお会いした事があるので、事情は全て理解する事ができました。
そんなことよりももう一つの案件に視線を向けます。
2階では、丁度国選パーティーの五人が集まってくれているようですね。
「ビリーさん。残念ながら、あなたの主張を法律的なパワハラとして取り上げることは難しそうです」
「えっ?!」
「パワハラ?」
ビリーさんが我が身として発した言葉に驚き、パワハラという言葉にスキンヘッドの男性が驚かれました。
私は今回の案件を片付けて、二つ目に取り掛かる必要がありそうです。
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