第12話

:コウタ強くなってない?

:最下層まで飛ばされてるからそれで魔力を吸収してるよな


「そうかな?中層まだの予定だったけど下層までにしちゃおうかな?」


:またそうやって調子にのる

:お前死にかけたんだからな?

:マジで危機感持った方がいいよ


「はい…すいません」

「叱られてるじゃない」


:ホントに出来の悪い息子を持った気分

:俺ら子持ちだったのか

:いつの間にこんなに可愛くない子供を


「誰が出来の悪い息子だ。誰が」


:ジュリちゃんは必殺技とか無いの?

:俺も気になるー

:あんなヤツ放っておこうぜ


「あれ?ハシゴ外された?」

「私の必殺技?理論だけ構築して封印した魔法はあるけど」


:なんで封印したの?

:それまともに使えるの?


「魔法の範囲が広すぎて練習する場所を確保出来なかったの。ぶっつけ本番でそんな魔法を使う訳にもいかないから封印しているのよ」

「どれくらいの範囲なんだ?」

「魔法の有効範囲は半径数km、爆風の影響範囲は数十kmに及ぶわ」

「核兵器じゃねえか!」


:この人おかしい

:人じゃないから

:モンスターでもそんな魔法使えないぞ

:なんて名前なの?


「カラミティよ」

「技名からエグそう。ちなみに今使える魔法で一番威力がある魔法は?」

「そうねぇ…ジャッジメントかしら?」

「ヤバそう」


:どんなのかみたい

:気になる


「次に敵が来たら使ってみてくれよ」

「いいけど、完全にオーバーキルよ?」

「いいから、いいから」


哀れなモンスターが姿を表す

「あれはビッグスパイダーだな。前足は鋭いし牙からは毒が出てるし、近づくと危ないんだよな」


:遠距離だと糸飛ばしてくるし

:嫌われてるよな


「ジャッジメント」


ジュリエルが呪文を唱えると巨大蜘蛛の頭上から極光が照射され跡形も無く消え去った


:は?

:草も生えない


「でも、前に使ってた魔法の方が強く見えるけどな」

「言ったでしょう?オーバーキルだって、あんな雑魚相手では真価を発揮出来ないわ」


:ビッグスパイダーが雑魚って…

:元気出せよ

:探索者がショック受けてるw

:髪や肌の手入れはしてますか?


「確かに、綺麗な黒髪に白い肌だもんな」

「特にはしてないわ。でも魔力のお陰で最適な状態に保たれているわ」


:私探索者になる!

:やめとけ

:そのレベルになろうとすると最低でも三級にならないといけないぞ


「魔力があると病気にかかりにくかったり、ケガが早く治るよな」

「ケガが早く治りやすいと言うことは肌荒れも治りやすいのよ」

「なるほど」



「そろそろ中層のボスがいる階層だ」

「応援してるわ」


:こんな美女に応援してもらえるなんて

:羨ま恨めしい…

:爆発しろ!


「みんなも応援してくれているわね」

「どう読んだらそう読み取れるんだ?」

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