第8話

俺達がダンジョンの外に出るとたくさんの銃口を突き付けられた


「大人しく手を上げろ!」

「ダンジョン法十条違反の容疑で逮捕する!」


「警察の特殊部隊か?なんで!?」

「うろたえないで。こうなる事は予想出来たでしょう」

「そ、そうだな。どうするんだ?」

「今は大人しく従った方がいいわ。暴れても不利になるだけだもの。」

「わ、分かった」


俺達は言われた通りに手を上げて、警察に連行された



「一緒にいた女性との関係はなんだ?」

「黙秘させてもらう」

「どうして封印を解いたんだ?」

「弁護士を呼んでくれ」


もう一方では…

「君の名前は?」

「ジュリエル」

「生年月日は?」

「カリレウ歴342年に産まれたわ」

「カリレウ歴?」

「私が封印される前に使われていた年号よ」

「君は古代文明の人間なのか?」

「さっき封印から出てきたばかりなんだからそんなの知らないわ」

「そ、そうか。…君は《魔女》なのか?」

「違うわ」

「しかし、写真とよく似ている」

「他人の空似じゃない?」

「分かった。少し待っていてくれ」



取り調べを担当した刑事達の会話…

「どうでした?」

「ダメだ。男の方は弁護士を呼べとしか言わない。女の方は?」

「名前と生年は答えてくれましたけど、それ以外は分からないとしか…《魔女》か?という問いにも他人の空似だと…」

「そうか…ダンジョン省には連絡しているんだったな」

「はい。そろそろ担当の職員が到着する頃だと思いますけど」

「お疲れ様です。私、ダンジョン省から来ました、藤堂と言います。」

「どうも」

「お疲れ様です。どちらと先に合われますか?」

「では、女性の方とお願いします」

「分かりました。こちらです」



「こんにちは。私は藤堂と言います。よろしくお願いしますね。ジュリエルさん」

「ええ」

「では早速、あなたがモンスターか人間かの検査をやりたいと思います」

「…」

「口の粘膜にこの綿棒を擦り付けて欲しいんだけど、いいかな?」

「いいわよ」

「ありがとう。明日には結果が出ると思うよ。ちなみに、DNAが我々と同じ場合は人間、違うDNAを持っており、なおかつ魔力を持った生物はモンスターという事になっているんだ。君はどっちかな?」

「モンスターだからすぐに殺すなんて言われなければどっちでもいいわ」

「君は《魔女》なんだろう?」

「違うわ。写真が似ているだけで特級モンスター扱いは辞めて欲しいわね」

「なるほど。あくまで《魔女》ではないということだね」

「もし、私が《魔女》だったら、どうするつもりなの?」

「フフッ。いや、私は君が《魔女》ではないと思うよ。」

「そんなに簡単に信じていいのかしら?」

「藪をつついて蛇を出す事は得策じゃない。我々は君がどういう存在なのか確信を持っているが、君が平穏な日々を過ごせるように協力しよう」

「そう。だったらありがたいわね」

「それはそうと、データベースに登録するために君のパーソナルデータが必要なんだ。答えたくない質問もあるかもしれないけどなるべく答えてくれると助かる」

「例えば?」

「年齢とか?」

「それが本当に必要な事ならいいわよ。」

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