第5話

「なあ、配信してもいい?」

「配信ってなに?」

「地上にいるヤツらにこのダンジョンの光景をリアルタイムで見せてやるのさ。と言っても見てくれるのは10人かそこらだけどな」

「ふーん、まあいいけど」

「じゃあ、早速」


:キタ!

:急に配信切れたからどうなったのかと思った!

:横に魔女いるじゃん!?

:よく見るとカワイイ


「ごめんな、バッテリー切れてたみたいでさ。それと、彼女いわく特級モンスターじゃないってさ。ほら、自己紹介して」

「ただのか弱い美少女、ジュリエルでーす」

「そんなキャラだったか?」

「細かい事は気にしない」


ジュリエルはそう言いながら襲いかかってくるモンスターを細切れにする


:か弱いとは

:ジュリエルちゃんかわいい!

:ただの女の子がダンジョンに封印されてる訳ないんだよなー

:自分で美少女とか言うんだ…


「何か文句がおありで?」


:いえ何も

:文句なんて滅相もない

:かわいいは正義!

:めちゃ強やな


「ジュリちゃんに質問ある人はコメントしてくれ」


:好きな食べ物は?

:スリーサイズ!

:なんでそんなに強いの?


「おい、下ネタは禁止だぞ」

「好き嫌いはそんなに無いわ。強いて言うなら辛い物は食べたくないわ。それと強さについては鍛えてたからよ」


:辛い物嫌いなんだ

:カワイイ

:ただの美少女(自称)

:やっぱりただ者じゃなかった

:魔導装甲着けてないよね?


「魔導装甲って何?」

「俺が今着てるのがそうだ。これを着ることで、身体能力を増加させたり、魔法が使えるようになったり色々恩恵があるんだよ」

「へー、中々便利な物を使っているのね」

「ていうか封印されてた時、裸だったのにその服はどこから出てきたんだ?」

「魔力で作ってるのよ。」

「裸見られてるのに反応薄いな」

「戦ってたら服が破れて見られるくらいよくある事よ。一々気にしないわ」

「な、なるほど」


:サバサバしてるクール系美少女…良い

:変態がいるぞ

:ひっ捕らえろ!

:や、やめるんだー!


「何お前らだけで遊んでるんだよ」

「他に何か質問は無いの?地上に出るまで結構かかりそうなんだけど」


:やはりここは…今日のパンツの色を!

:やりやがった!

:ここで誰にも出来ないことをする!そこに痺れる憧れる!


「想像に任せるわ」


:とても…Hだ…

:コイツ何言っても興奮するじゃん

:無敵すぎる


「そういえば年齢とか聞いてもいいか?」

「女性に年齢を聞くなんて失礼ね。もっと他に聞くことがあったでしょう」

「ごめんなさい」


:怒られてて草

:20代前半と見た

:童貞だからな。何話したらいいか分からないんだ


「ど、童貞ちゃうわ」

「あー、まあ人それぞれって事でいいんじゃない?」

「憐れみを込めた目で見ないでくれるか!?」


:やめたげてよー!

:追い打ちをかけていくスタイルw

:コウタのライフはもうゼロよ!


「おい、お前らどんな事聞けばいいと思う?」


:頼るな

:俺らも童貞なんだから分かる訳ないだろ

:ど、童貞ちゃうわ!

:吃ってるんだよなぁ


「ご、ご職業は?」


:婚活でもやってんのか?

:コミュ障すぎる


「黙らっしゃい!」


:逆ギレw

:ジュリちゃん呆れてるぞ

:本当は良い奴なんです


「仲良いのね」

「まあ、人数少ないからな閉鎖的な分親しいんだよ」

「そうなの。…もう少しで地上だから気合い入れなさい」

「わ、分かった」

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