第3話 キャラメイキング1

 ともかく、目の前のタブレットもどきの画面に目を移す。

 時間は三十分しかないんだ。消滅する気は無い。


 画面には上から 


<年齢> 四十五歳

<性別> 男性

<種族> 人族

<身体> VIT+1

<適性> 無し

<スキル> 無し

<特殊技能> 無し

<転生先> 未設定


 とあり一番下に<決定>がある。

 それらとは別の分けられた画面に<TP>20とある。

 これが神様の言っていた転生ポイントかな?


<年齢>をタップすると『四十五歳です』と出るだけで変更出来ないらしい。

 若返りは出来ないのか……。四十五歳で魔物のいる世界に転生ってやばくない?


<性別>をタップすると『男性です』と出る。これも変更出来ないようだ。


<種族>をタップすると


<人族 設定中>

<エルフ 20>

<ダークエルフ 20>

<ドワーフ 10>

<ホビット 10>

<鬼人 20>

   ・

   ・ 

   ・


 と他にも沢山選択肢が出てきた。


<エルフ 20>をタップし、出てきた<設定>をタップしてみる。

 そしてTPが20から0となった。

 種族の横の数字は消費TPで間違いない。

 単語をタップすれば説明が出てくるみたいなのでエルフを調べてみる。


<エルフ>

 森人族 長命種 美形 長い耳が特徴 魔法や弓の扱いに長けた種族。 


 やはりエルフは長命なんだ。これは凄いメリットだしTP20の価値は充分だ。

 年齢変更出来ないのなら転生ではなくて転移では? と思ったけど種族変更出来るならやっぱり転生ぽいね。

 長命種なら四十五歳でも若い方かもしれない。


<人族>に戻してみるとTPは20に戻った。


 要領が分かってきたので、他の項目も色々と見てみる。

 

 次は<身体>


<身体>は<STR>なんかの基礎能力に関わるものが主みたいで最初から<VIT+1>があった。

 単語をタップして詳細を見る。


<STR>

 筋力。物理攻撃力、物理防御力等に影響。

<VIT>

 体力。生命力、持久力、物理防御力、肉体的状態異常耐性等に影響。

<AGI>

 瞬発力。あらゆる速度等に影響。

<INT>

 知性。魔法の威力、魔力量等に影響。

<MND>

 精神力。魔力制御、魔法防御力、精神的状態異常耐性等に影響。

<PER>

 知覚。あらゆる感覚、認知等に影響。


 各項目毎に、TP消費1で+1づつ増やせるみたいだ。

 試してみると<VIT+1>から<VIT+5>に出来た。最大は+5までみたいだ。

<VIT+1>が最初からあるのは、フィットネスクラブに通って運動続けてたからかな。


 それ以外に


<節制 1>

 必要栄養が少なくて済む。

<不眠 1>

 睡眠時間が少なくて済む。

<活性 1>

 体力、魔力、怪我や病気等のあらゆる自然回復速度が二倍。


 消費TP1にしては中々のメリットではないだろうか。


 次は<適性>


<適性>

 スキルの習得、スキルレベルアップ速度に影響。生活魔法以外の魔法系スキルの習得及び使用には該当する属性の適性が必要。


 説明によるとスキルを覚える速度に影響するらしく消費TPは軒並み5。種族以上に選択肢が多い。

 火、水、土、風、雷、氷といった属性系から、鍛冶、料理といった生産系、剣、槍といった武術系がある。

 適性が無ければ生活魔法以外の魔法は使えないらしい。

 例えば、火魔法の習得及び使用には<火適性>が必要という事か。

 逆に言えば魔法以外は適性無しでもスキルを覚えられるって事かな? 剣術の適性が無くても剣を持って振る事は出来るだろうからね。

 適性には<VIT+1>みたいに、+いくつ……の様な段階は無いようだ。まあTP消費5だもんな。才能代と思えば当然か。


 次は<スキル>


<スキル>

 技能。技能によ各行動に補正が掛かる。また技能の種類や技能レベルに応じて身体能力に補正が掛かる。


 スキルは<剣術1>、<剣術2>……<剣術5>と、これは各身体強化と同じで最大5までみたいだ。

 これも+1につき消費TP1。

<火魔法>と<火耐性>ってのがあるな。

<火適性>はこの両方に影響するのだろうか?

 だとしたら、スキルよりも適性重視の方が良いような気がする。適性があればそれに対応するスキルの習得や成長も早いみたいだし。

 ……うーん。どっちが良いというよりかはバランスかな?

 長い目で見たら適性重視が良いのだろうけど、適性があってもスキルを伸ばすのは想像以上に大変なのかもしれない。

 転生してすぐ魔物と戦わざるを得ない可能性もある。

 適性が沢山有っても、スキルが無くて戦えなくて詰んでしまう……なんて状況は避けたい。

 スキルの種類は適性よりも更に多くて、全部確認しきれない。


 先に<特殊技能>の項目を確認。


<特殊技能>

 転生者専用の特殊な能力。基本的に後から習得する事は不可能。

 

<鑑定 20>

<無限インベントリ 20>

<マップ 20>


 転生モノの定番。

 信頼と実績の鑑定やインベントリだね。

 ただこれ……TP消費全部か。

 しかも後から習得は不可能。


<鑑定>の詳細を見てみる。


<鑑定>

 全てを見極める能力。物の価値や性能、自分や他者の情報を確認出来る。自らの視界に鑑定する対象を収める必要がある。


 ……あれ?

『自分や他者の情報を確認出来る』とある。

 逆に言えば鑑定が無いと、自分のステータス見れないのか?


<無限インベントリ>は容量無限&時間経過無しの異次元倉庫が使用可能。

<マップ>は脳内に地図を浮かべるだけでなく、自分の周囲の人や物、魔物を感知出来るらしい。検索機能まであるから、薬草採取なんかの依頼をこなすのには最強じゃないか。

 どちらもかなり便利なのは間違いない。


 まあ、だいたい想像通りの性能だ。

 しかしTP全消費か。それだけの価値はあるのは間違いないけど……悩ましいな。


【残り二十分です】


 おわっ!

 頭にいきなり声が響く。神様の親切タイマー?

 もう残り時間二十分か。

 種類が多い適性とスキルはもちろん、種族もまだ全部確認出来てない。

 制限時間が短すぎるよ。

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