第6話 「赤き閃光」

私とカゲタミさんは手元にある物を一通確認する事にしたのだが....


「...ポートストーン忘れてたぁ......」


私はポーチの中身を出してその場に崩れ落ちた。


「もってたのか?!」


「お父様から、念の為と...3つ程....」


「凄い....父親なのだな......」


カゲタミさんは驚きながら、そう言った。

とりあえず使えそうなものは、

私の物はメイン武器のレイピア、サブ武器のナイフが3本、赤い木の実5つで、

カゲタミさんはメイン武器の刀だけだった。


「鎧は?」


「後で戦いで出す、必要ないかもだが....とりあえずこの状況をどうするかだ...」


私は考え着いた作戦をゆっくりと話し始める。


「...本体を呼び出して倒しましょう」


「何...?」


カゲタミさんは訝しげな表情を私に向ける。


「恐らくですが、今私の周りを囲んでいる存在は本体に既に殺されており、本体がその死骸を操っています。なので、本体の変異種さえ倒せれば...大丈夫かと」


「確かに...そうかもな、それで本体を呼び出す手段は?」


私は1呼吸おいて言う。


「....周りのモンスター沢山倒せば出てきてくれませんかね.....」


「....ないのかよぉ....」


私とカゲタミさんはしばらくして立ち上がり、私の隣にカゲタミさんが来て武器を構える。


「それしか思いつかないんだな?」


「えぇ....」


「なら、しょうがないな」


私もゆっくりとレイピアを構える。


「...カゲタミさんは魔力を温存してください、本体が出てきたら頼みます」


「了解した」


頭にぽんっと、カゲタミさんの手が乗っかる。


「行くぞ」


「...えぇ、あとで殴ります」


「...」


私はその場から走ってモンスターに突っ込む。


「はぁ!」


私は目の前にいた、体が半分かけているゴブリンの胴体をレイピアで貫く。


「グギュボ!」


水が詰まったような声を出しながら周りの溶けているモンスターたちが私に襲いかかる。私は素早くナイフを三本投擲し、近くにいるモンスターを倒すと、ソリキッドを素早く周り地面に広めて上に伸ばすようイメージする。すると倒したモンスター含めて襲いかかってきたモンスターの体は地面にから生えた銀色の針に体を貫かれた。

私が素早く「ライトニングスピア」を発動しすると、上から黄色の槍がすごい速度で10本降ってきて地面に突き刺さると、ジジッと音を出すと同時に電気が金属を通してモンスターの体を焼く。


しかし、モンスターを全員倒した訳じゃなく、何度も何度も大量に大量に私に突っ込んでくる。


私は負けじと何度も何度も.....難度も何度も何度も何度も、モンスターを貫き焼き倒す。


「はぁ...はぁ.......」


私の息が切れようとした瞬間、前から何かが飛びかかってくる。

私は勢いよく後ろに飛んでカゲタミさんが居るところまで避難した。


「すいません....少し...休憩させてください......」


私はそう言って、その場に座り込むと、前にカゲタミさんが立つ。


「あぁ、休んでろ」


そう言ったカゲタミさんの前には、赤黒い色のスライムがいた。


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赤黒いスライムは俺に飛びかかってくる。

俺は、素早く抜刀してスライムを切るが表面が固く逆に弾かれる。


「くっ」


俺はすぐさま横に体を拗じり、スライムが飛ばしてきた赤い液体を避ける。


(これが、様々なモンスターを溶かした攻撃か?)


俺はエンリテェアと名乗った命の恩人の邪魔にならないように、森の少し奥まで移動する。


スライムこちらに敵対したのか俺の方に液体を飛ばし向かってくる。俺はそれを避けて走りつづけ、スライムとある程度距離を取ると、俺はスライムの方を向き刀を鞘に収める。


そして魔力を刀身に纏わせさらに鋭く、素早く、相手を切ることをイメージする。

スライムが俺に飛びかかって来ると同時に俺は刀を塚を強く掴み技を小さくつぶやく。


「魔刀流『紅一閃くれないいっせん』」


そう言って、素早く抜刀すると赤い閃光が一瞬現れると、俺はゆっくり刀を鞘に戻す。


振り向けばスライムは溶け始めていた。


______________________________


「大丈夫ですか?!」


私はカゲタミさんを見つけるとそう叫んだ。


「あぁ、大丈夫だ」


「無事よかったです...そして急に走り出してびっくりましたよ....」


私は変異種のスライムの液体を今持ってる瓶全てにできるだけ詰め込むと、その場に座り込む。


「さて、もう少し休んで街に行きましょうか」


「なぁ...」


カゲタミさんが、話しかけてくる


「どうしました?」


「お前はなんで、あんなに魔法を連発できた?」


私はさっきのモンスターの大群を倒した場面を思い返す。


「....あっ」


「どうかしたか?」


「あの、銀色の液体の事は黙っててくれませんか?」


「? あぁ、正直に理由を聞かせてくれるならいいぞ」


私は自分がスキル持ちという事と都市のことを話した。そして、多分そのせいで魔力が高まってるという事も。


「わかった、秘密にしておこう」


「ありがとうございます」


「そのかわり...」


カゲタミさんは私の両手を強く握り、頭を下げた。


「その都市を探すのを手伝っだわせてくれないか?」


「いいですけど....それまた、どうしてですか?」


「私は魔刀流の新しい技を作りたいのだ」


カゲタミさんは私に魔刀流の説明を始めた。


「魔刀流は刀に魔力を流し、イメージを強くして、刀自体を変化させる技だ。そして、どんなものであっても基本的に、最初は3つの形しか教えないのだ」


「そうだったんですか、なら他の方は他の人に教えてもらったり...」


「いや、教えたりはしない、自分で作るしかないのだ」


「...」


カゲタミさんは頭を抱えてうなだれる。


「しかし俺はそれが全く思いつかんのだ...新しい形をまだ作ったことがないのだ...だから、その古代都市とやらに行ったら思いつくかもと思ってな」


「なるほど...確かに危険もあるかもだし....」


私がそういうと、カゲタミさんは土下座して私に懇願する。


「なので頼む、俺も古代都市探しに付き合わせてくれ!」


「いいですよ」


「本当か!!」


「その代わり、古代都市の事は言いふらさないでください」


「あぁ、約束しよう」


私は立ち上がって、カゲタミさんに握手を求める。


「よろしくお願いいたします、カゲタミさん」


「あぁ、カゲタミでいいぞ、そしてこちらこそよろしく頼む、エンリテェア」


彼も立ち上がって私達は強い握手を交わすと、そのまま街へ向かう事にするのだった...


ちなみに帰ってる最中、私の頭に手を乗せたやり返しに強めに殴った。

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エンシェントシティinガール 永寝 風川 @kurabure

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