#19 ついてきた

よっしゃ!!帰宅だ、帰宅だ、帰宅だ―――――!!!!


「ただいま!!メイド長さーん!!!」


「リース、どうしましたか?」


「えっと報告一個ありまーす。今日の『実践魔法』の授業中にセリアちゃん狙いか分からないけど遠距離から大魔法ぶっ放そうとしてた輩がいて追っかけたら逃げられましたー。」


「それで?セリア様にケガは・・・」


「あったら襲撃者を地の果てまで追いかけて●してまーす」


「ちなみに、その襲撃者の特徴は?」


特徴・・・特徴?あんま見えなかったからなぁ。何か思い出せ、俺!!!


「あ、身長190位あったと思います!あと、声は男でした!!多分!!!」


「・・・そんな奴この世に何万人いると思っているのですか?」


「あー、でも学園の結界内にいた人か学園の結界を素通りできる人しか今回は無理だったと思うので絞られますよ。あ、あと何か板みたいなものに向かって『転移陣、起動』って言ってました。」


「はぁ・・・もっと早くそれを言いなさい。『転移陣』というのは魔具の一種で、グレンが独自に開発、使用しています。特定の文言・・・まあ、『転移陣起動』と言えば発動し、グレンの本部に転移するそうです。なので、十中八九グレンの人間と考えていいでしょう。」


うーむ、厄介すぎるな、グレン。あ、グレンってことはセリアちゃんのことを狙ってたのか?だとしたら叩きに行って良かった・・・!!!もしあのレベルの魔法がぶっ放されてたら即死だっただろうなぁ。恐ろしい!!もしセリアちゃんが死んでたら俺も死んでた!!!主に心理的要因で!!


「あと、リース。一個聞きたいのですが・・・」


「はい?」


「後ろにいる男は誰ですか?」


ん?後ろ?誰もいないと思うけど・・・まさか、幽霊!?!?


「うわぁぁぁぁぁ!?!?ランス!?!?!?!?何でここに!?!?!?!」


「主人をお守りするのは当然のことです!!」


いや、「はなたかだか~」な顔すんなって!!!何をどうやったらここまで付いてこようと思うんだ!?


「リース、説明しなさい。」


「ここは私が説明しましょう!!!私はリース様の強さを知らずに愚かにも決闘を申し込み、完膚なきまでに叩きのめされ、一生リース様に仕えることにしたのです!!!なので、これからはリース様に一生ついていきます!!!リース様、何でもお申し付けくださいね????」


・・・お前、ダルいて!!!!!!いや、決闘に負けたとこまではいいけど、そこからどういう思考回路を経て一生仕えることになるんだよ!?!?マジでお前おふざけとかじゃなかったのかよ!?!?ある意味グレンの刺客より厄介だぞ!?!?


「ああリース様・・・貴女は本当に美しい・・・!!」


ああランス、お前は本当にやかましい・・・!!!


「そういうことでしたら、良いですよ。リースと同じ部屋で生活してください。」


「有難き幸せ・・・!!!」


お願いだ、別の部屋にしてくれ!!!四六時中コイツと一緒は嫌だ!!!!!セリアちゃんと一緒ならいいけどよ!!!!って待てよ。フェリナも今同じ部屋じゃねぇか!!!!部屋がうるさくなる!!!!本格的に不眠が進行しそう!!!!



+ + + + +



「おお!!!新しいルームメイトじゃ!!!」


「はい!!私はランスと申します!!リース様に仕えております!!!もしや、貴女も・・・?」


「そうじゃ!!ワシもリースに仕えておるぞい!!!一緒じゃな!!!」


そうそう、友好的に、ね!!!


「ふっ貴女にはリース様の魅力なんて分かりませんよね!!!」


クッソお前同担拒否か!!!ランス、お前どこまで厄介になれば気が済むんだよ!!!


「なんじゃと!?!?!ワシはリースの魅力を完璧に理解しておる!!!あとお主が知らぬようなことも知っておる!!!お主、リースのパンツの色を知っておるか!?ワシは知っておるぞ!!!!」


「・・・師匠とお呼びしてもよろしいでしょうか!?!?」


「よかろう!!!お主は今からワシの弟子じゃ!!!」


・・・いや、どうやって俺のパンツの色知った!?!?

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