#15 魔獣狩り狩り

次の日の朝・・・






「おはようなのじゃ!!良く寝れたのじゃ!!!」




「お前の!!!せいで!!一睡も!!出来なかったんだよ!!!《Freeze》!!!」




「あぎゃっ!?!?何するのじゃ!?!?ワシは何もしとらんぞ!?!?」




「お前・・・寝相悪いんだよ!!!」




「知らんのじゃ!!ワシは悪くないのじゃ!!!」




いや、知っとけ!!お前は、寝相が、悪い!!!蹴って抱きついてきて今更何を言う!?何だよ「知らんワシは悪くない」って!!!お前は逮捕後の万引き犯か!?!?




「リース、フェリナ、イチャついていないでさっさと着替えて仕事です。」




!?!?!?!?!お前にはこれがイチャついているように見えるのか!?!?お前の目は節穴か!?!?




「はいなのじゃー♪」




そしてお前もイチャついてないとか何とか反論せい!!!






+ + + + +






「はあ・・・リース、フェリナ、何回教えれば掃除できるようになるのですか?まだまだ汚いですよ?」




あのさ、まだ1回しか教えられてねぇぞ?俺は1回教えられて完璧に覚えられるほど超人じゃねぇんだよ!!そして、1日につき1個のことを教えられるならまだ覚えられるんだが、現状1日あたり40~50個くらいのことを教えられてんだぞ?もう一度言うが、俺は超人じゃねぇんだぞ!?!?とはいえ、思ったことをそのまま口にするわけにもいかないので、何とかオブラートに包んで・・・




「は!?!?そんな1回ですべて覚えられるワケないじゃろ!?!?」




「何か、言いましたか?」




「何も言ってないのじゃだからナイフを向けるのをやめるのじゃ」




うん、今何か言ったら確実にぶっ殺される。やめておこう。




「まあいいです。ひとまずお昼休憩にしましょう。昼休憩が終わったらまた掃除ですよ。」




「やった―――!!!」


「やったなのじゃー!!!」






+ + + + +






「リース!!!最近この辺りの魔獣が多く狩られているそうじゃ!!その狩ってる奴を殺しに行こうなのじゃ!!」




「待て待てストップストップ。殺しに行くのは止めよう?確かに魔獣を狩られて許せないのは分かるけど、あくまで平和的解決をしようね?」




「分かったのじゃ・・・じゃあ太刀これは置いていくのじゃ・・・」




「うん、その手に持ってる明らかに拷問用のハサミも置いていこうね?」




「分かったのじゃ・・・」




「で、魔獣が狩られてるってどういうこと?」




「本当は特定の生息域・・・例えばこの目の前の巨大な森・・・から出て人を襲った魔獣のみ狩ることが認められているんじゃが、どうもこの森の中に入って魔獣を狩っている奴がいるようなんじゃ。あと、今までそやつに何十匹もの魔獣が狩られた・・・と、この子が言っておるのじゃ。」




うん、手乗り魔獣(≒リス)可愛いなぁ。まあでも、状況は概ね掴めたから、あとはどうやって対処するかだけだな。まあ、多分知らないだけとかなんだろうな、そいつも。俺も魔獣を狩っていい条件知らなかったし。




「じゃあ、行こう!!」




「そやつをぶっ殺しに!!!」




「殺さない殺さない」




・・・フェリナ連れてくとヤバい感じがするが、本当に連れてって大丈夫かな?






+ + + + +






「KUVJCVVJGIWAAQWUCKF?」




「AGUVJCVKUVJGIWAYJQJWPVUWU!!!」




「『VJCPMAQW.AQWECPIQPQY.』・・・うん、魔獣を狩っているのはあいつじゃ。」




うん、何言ってるか全く分かんなかった。魔獣語が話せるのは便利そうだが、習うのが死ぬほど難しそうだなあ。これからも魔獣の対処はフェリナに任せよう。


・・・にしても、あいつが魔獣を狩ってる奴か。何だろう、悪そうな顔してるや。まあ、人は見た目で判断できないって言うし、まずは話しかけてみよう!!!話しあって解決するのが一番だからな!!!




「あの・・・すみません・・・」




「あ゛あ゛ん??おいチビ、ここはお前のようなか弱い女が来る場所じゃねぇ。さっさと森から離れやがれ。」




「あのう、ここは魔獣を狩ってはいけない場所だと知っていますか?」




「そんなのはどうでもいいんだよ!!!ここは俺の狩場だ、さっさと離れねえんなら、魔獣どもの餌にしてやんぞ?テメェみたいなガキが来ると俺の金稼ぎができなくなんだよ!!」




・・・・平和的解決、さようなら!!武力行使、万歳!!!ということで、悪人退散のお時間です!!




「《Freeze》!!」




「は!?!?無詠唱!?!?どういうことだ、ガキ!!!さっさとこの魔法解きやがれ!!!」




「はぁ・・・もうさ、コイツシメよう?フェリナ、その隠し持ってる太刀出して。」




「ぬ・・・バレておったか・・・まあ、役に立ちそうで良かったのじゃ!!!」




「おっ・・・お前、こんなことしていいと思ってんのか!?!?俺は大人だぞ!?!?」




「こっちのセリフだよ。ルールも守れないなんて、子供以下の大人なんだね。」




「こんのガキが・・・!!!『炎神よ、我が願いに応え』・・・」




「ほい《Ice Chain》」




「があっ!?!?お前、何者だ!?!?」




「そんなことはどうでもいいんだよ。もう二度とここに来るんじゃねぇ。あと、魔獣も狩るな。次同じようなことをやったら・・・後は分かりますね?」




メイド長直伝の「後は分かりますね」攻撃や!!おっ、みるみる青ざめていくなぁ。ここまで絵に描いたように青ざめるんだ、人って。




「は・・・はひぃ!!!もう二度としません許してください!!!」




「二度目は無いよ。あ、そうだ。私たちのこと他の人に言ったら駄目だからね?」




「ひ・・・ひえええぇぇぇぇぇぇ・・・・!!!!!」




あっ気絶した。ま、いっか放置で。魔獣はフェリナが言えば襲わないだろうし。




「スカッとしたのう!!!!」




「そうだね!!!」




・・・ヒーロー気取りの悪人裁き、癖になりそうだなぁ。

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