#14 STAMPEDE №5

「じゃあ、アレ・・を使いますかね!!」




「ほう、アレとは何じゃ!!言ってみい!!この状況を打開できる何かがあるとは思えんがのう!!!」




「・・・私の作ったスクロールは、事前に詠唱しておき、魔力の循環等を終わらせた状態で止めておくのとほぼ同じなんだよ。しかし、スクロールにはとても大きな利点があるんだ。まず、詠唱の時間削減。戦闘時にはとても有利に働く。そして2つ目。事実上の魔力の貯蓄が可能な点だ。」




「それと今の状況の何が関係があるんじゃ?」




「要するに、何日かに分けて魔力を貯蓄すれば、自分の魔力上限を超えた魔法をも使うことができる、ということだ。どうだ?ようやく分かったか?」




「・・・!!!!まさか!!!お主!!殺す!!」




「もう遅い。絶対零度を、楽しめよ?《Absolute Zero》。」




「な・・・待t」












―――――全てが、凍る。












+ + + + +




・・・死ぬかと思った~~~~!!!!!あーーー!!!ひとまずヒールだヒール、良かったよ絶対零度のスクロール作っといて!!!つってもいつ凍結解除されるか分からんからひとまずあの太刀を取って・・・アイスチェーンで固めて・・・氷の結界で囲って、と。よし、完成!!!後は叩き起こすだけ!!!絶対零度の良いところは絶対に当たるんだけど絶対に生物を殺せないってことなんだよなぁ。ただ凍らせて分子の動き止めるだけっていう感じ。さて、どう起こすかな?よし、往復ビンタするか!!!




「痛いのじゃ!!!止めるのじゃ!!!」




うーん、まさか最初の1発で起きるとは思ってなかった・・・!よし、まずは魔獣たちを撤退させるよう指示させよう。




「よし、お前、さっさと魔獣撤退させろ。もしこっちに魔獣が1匹でも来るようであれば、四肢切断するからな。」




「帰らせるのじゃ!!帰らせるから四肢切断はやめてくれんかのう!!!『IQDCEMVQVJGHQTGUVCPKOCNU』!!」




・・・よし。撤退したな。にしても、コイツどうするかなぁ。グレンっていう組織に入ってるからなぁ・・・抜けさせて俺の部下にでもしようかなぁ。




「・・・なぁ。ところでさ、お前グレンから抜ける気無い?」




「それを知ってどうなるのじゃ?」




「さあね。ただの好奇心。」




「・・・さっきも言った通り、ワシは組織を利用してワシの「理想郷ユートピア」を作りたいだけなんじゃよ。」




「そのユートピアってのは?」




「それは、じゃな・・・魔獣と共存できる世界じゃ!!」




うん、かわいいな。魔獣がペット的な立ち位置になるのか。ちょいメルヘン・・・あっキメラさんあなたじゃないです。


・・・でも、それならば生かしておいてもあまり問題はなさそうだな。あとは、お決まりの「組織抜けたら刺客がやってきて抜けた奴殺す」が無いようにするか、だなぁ。ひとまずはコイツに俺の部下になる気があるか、ということだな。




「お前さ、私の部下にならないか?」




「部下・・・とな?組織を辞めて、か?」




「もちろん。」




「そうしたら、魔獣と共存できる世界が作れるのか?」




「少なくとも私たちが魔獣を殺したりはしなくてよくなるよ。」




「よし!!!決めたのじゃ!!!ワシは、お主の部下になるのじゃ!!組織にはオンラインで辞表提出しておくのじゃ!!」




うーん、組織から普通に抜けれんのかい。ってかオンラインで辞表ってカジュアルすぎん?俺の勤めてた企業、まず辞表なんて単語を発したら半殺しにされてたよ?




「よし、じゃあそれで決まり!!今日からお前は私の部下です!!!」




「『お前』はやめてくれんかのう、『フェリナ』と呼んでくれなのじゃ!!ところで、お主の名前を聞いておらんかったのう。お主、名前は何というのじゃ?」




「リースだよ。じゃあ、よろしくね、フェリナ!!」




「リース、よろしくなのじゃ!!」




バリバリ働いてもらって過労死ギリギリまで追い込んでやるぜぇ!!!・・・なんてのは冗談で、普通に部下ができたの嬉しいんだが。できるだけ優しくてフレンドリーな上司としてやっていこうじゃないか!!!


ところで、メイドって部下がいて良いんだっけか?






+ + + + +






では、他己紹介ターイム!!




「ということで、今日からここで働く、フェリナちゃんです!!!ちなみに今回のスタンピード起こしたのもコイツです!!なんならグレンの刺客でした!!」




「「「!?!?!?!?!?!?」」」




「何か・・・すまんのう・・・」




「すみませんが・・・『魔獣使いのフェリナ』ですか・・・?」




「メイド長、正解っ!!!」




「リース・・・・何があったのか知りませんが・・・」




メイド長さん顔が怖い顔が怖い。




「よくやりましたね。」




「・・・!!ありがとうございます!!」




ッ~~~!!!褒められた~~~~!!!うれずぃーーーー!!!




「では早速・・・」




ん?何か嫌な予感が・・・




「リース、フェリナ、片付けお願いします。」




「はい・・・」


「はいなのじゃ・・・」




だよなぁ~~~!!仕事だよなぁ~~~!!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る