#13 STAMPEDE №4

「よく避けることができたのう!!」




「・・・どなたですか?」




「ワシはグレン七神帝の六『魔獣使いのフェリナ』じゃ!!!ふははははは!!恐れおののくがいい!!」




・・・ほう、グレン七神帝、か。全くもって知らん。これさ、知らないって言ったらぶっ殺されねぇか?大丈夫?まあでも知ってると嘘をついても絶対バレるし、潔く聞くか。




「あのぅ、グレン七神帝って何ですか?」




「お主・・・本当に知らんのか?」




「・・・はい。マジで知らないです。」




「本当か・・・?」




「本当です・・・!」




「カカカッ!!!お主、面白いのう!!!ではいい機会じゃ、教えてやろう!!!グレンはのう、簡単に言うと国家を消滅させ、各々が自由に暮らせる、法に縛られない「理想郷ユートピア」を創ること目論む組織じゃ!!!お主らからしてみれば、そうじゃな・・・悪の組織じゃ!!そして、七神帝とはグレンのボスを除くトップ7じゃ!!」




「はぁ・・・というか、自分たちで悪の組織って言っちゃってもいいんですか?」




「ま、ワシの目的を達成するために組織を使っているだけなんじゃからのう。」




「・・・じゃあやめません?殺そうとするの。」




「それは無理じゃ!!この屋敷にいる「セリア」とやらを殺してこいという任務じゃからのう!!殺さないと「理想郷ユートピア」の実現が難しくなるからのう!!」




・・・そうか。セリアちゃんを殺しに来たのか。ならば、だ。




「そうか。なら殺してやる。」




「カカカッ!!!お主のような無名のメイドが七神帝に敵うとでも思ったのかのう?」




「誰であろうと、セリアちゃんにとって危険であれば殺す。」




「ならば、かかってくるがよい!!!ワシが直々に殺してやろう!!」




「《Wind Blade》!!!」




「なんじゃと!?詠唱もなしに魔法を発動した!?やるのう!!じゃが、ワシに敵うと思うたか!?」




チッ!!ウィンドブレード弾きやがった!!にしてもあの太刀なんとかしないと当たったら間違いなく即死する!!




「ワシのターンじゃ!!『炎神よ、我が願いに応え、爆炎を纏わせよ!!《Fire Gear》!!』」




太刀が炎を纏まとった!?チッ、強化系か!!でも炎ならば水系か氷系で何とかなるかもと思ったが・・・どうやらそういう次元の温度じゃないようだな。触れた瞬間にがれきが蒸発したよな、今。だが周りの者に影響がないのを見るに、触れたもののみに熱を加える感じか。ならば、本体を叩くのみ!!




「《Fire Shot》《Ice Shot》《Water Shot》!!!!」




「ほう!!自動追尾系の魔法を無詠唱か!!だがワシがそのような柔い攻撃を食らうとでも思ったのか?では、『CPKOCNUCVVCEMJKO』!!」




「greaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」


「naaaaaaaaoooooooooooiiiii!!」




な・・・!!魔獣が突然襲い掛かってきた!?そうか!今のよく分からない言語で魔獣に指令を与えたのか!!さすがは魔獣使いだな!?でもそんな普通の魔獣じゃ俺は止まらねぇぞ!?




「《Freeze》!!《Fire Ball》!!」




「すまんな、だがそいつらは囮じゃよ!!戦闘中によそ見とは感心しないのう!!」




「ああああああああああああああああ!?!?!?!??!?!」




痛い痛い痛い痛い!!!左手首にあの太刀が当たっただけなのに二の腕くらいまで腕が蒸発した・・・・・・!?傷口の止血は必要ないだろうが、今左腕を失ったのは痛手だ・・・!!しかももうスクロールもアイスチェーンとフリーズ2枚ずつとアレ・・しかない・・・もう1回斬られたり魔獣を出されたらもう打つ手がなくなる!!!




「ほれ!!頑張ってみい!!」




「《Freeze》《Ice Chain》!!!」




「お主、この炎に触れるようにアイスチェーンなんか出したら蒸発するに決まっておるだろう!!しかもそんなに大量の魔力を注いでアイスチェーンを増やしても水蒸気になるだけで意味が無いじゃろう!?」




「いや、作戦通り・・・・だよ!!!」




「がああっ・・・!!!」


「ぬああああっ!!!!お主、もしや水蒸気爆発を使ったか!?じゃが、それではお主が死んでしまうであろう!!」




「死んでもセリアちゃんを助けられれば良いんだよ!!!」




「お主、良き心がけじゃ!!!だがもう死んでしまうとは情けないのう・・・そうじゃ!!!ワシがお主を最強の魔術師にしてやろうか!!ワシのもとに来れば1年足らずでグレンの最強の座を奪えるじゃろう!!」




「・・・それで、セリアちゃんはどうなるんだ?」




「まあ、殺すじゃろうな。セリアとやらがいるとワシらの計画の邪魔になるんじゃよ。」




「そうか。なら断る!!」




「残念じゃ。では、終わりじゃ。この一太刀で終わらせてやろう!!」




「あっそ。じゃあ、そろそろコレ・・を使うかな!!!」

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