第12話 私の人生
☆園島星(そのじまほし)サイド☆
私は何をしているのか。
訳が分からない行動ばかり起こしている。
これも全ては私が馬鹿だからだろう。
正直...私は学校で何をしているんだって事だ。
「星」
「な、何かね」
「ああ。すまないけどチョーク消しを叩いてくれるか」
「あ、ああ」
「...」
「...」
あの保健室の襲撃以来。
私達には溝が生まれた気がした。
その私は...うん。
これは仕方が無いとは思うけどやり過ぎたと思っている。
「星」
「...な、何かね?」
「正直あれはびっくりしたけど。だけど俺はお前とは仲たがいしたくない」
「...あ、ああ」
「だからその。...放課後にどっかに行かないか」
「...私の様なアホと一緒にか?良いのかい?」
「アホじゃない。行き過ぎただけだろ」
そうだけど...だけどおバカな事をしている。
だからこそ私は。
そう言いたかったが言葉が上手く出ない。
そう思いながら私は話題を切り替えることにした。
それは...例の話だ。
「ねえ。英二」
「...何だ?星」
「...君の...例の子はどうかね。調子は」
「...ああ。アイツか」
「そうだね。鈴島だ」
「反省している。かなりな」
クラスメイトが片づけを手伝ってくれる中で私はそれを聞く。
それから私は眉を顰めながら「そうかい」と返事をする。
そうしていると英二はチョーク入れを片付けながら肩を竦めた。
「...俺としては十分裁きを食らったと思う」
「...そうかね。君がそう言うなら」
「裁きを食らって随分と反省している様だしな」
「...そうなんだね」
「そうだな」
そしてチョーク入れを直しながら「あとはアイツがどう生きるかだ」と話す英二を見つめる。
英二は叩いたチョーク消しを見ながら苦笑した。
私はその姿を見ながら「だね」と返事をした。
「...アイツも相当複雑な感じだったしな」
「...そうかね」
「ああ。...だからもう十分だろ。...アイツがどう動くかを観察だ。これからは」
「...私的にはまだ油断はできないと思っているね」
「そうか」
そうしていると英二のスマホが鳴った。
それから英二は「?」を浮かべて中を見る。
私はそれを見ながらチョーク消しを並べたのを確認する。
そうしていると英二が「...アイツは何か小説を投稿し始めたらしい。エッセイを」と見せてきた。
「...カク〇ム?」
「そうだな。○川が運営しているサイトだな。そこになんか投稿したって」
「...読む価値がありそうだね」
「...こういうサイトはコイツには高刺激じゃないか」
「...そうかもしれないね。私は何の事か分からないけど」
英二の持っているスマホの画面を見る。
そこにはタイトルで(私の人生)と書かれたエッセイが投稿されている。
私はその重圧な...かつ重厚な感じの小説のタイトルを記憶した。
「...後で見てみるか」
「そうだね。私の考えだとあまり読者は最初は付かないとされている事を聞いた。だが...10000文字もあるみたいだね」
「そうだな」
「それなら読者も付くんじゃないだろうか」
「...」
私はそう答えながらエッセイを見る。
すると英二は「アイツらしいな」と呟いてスマホを仕舞った。
そんな姿に私は目線を外に向ける。
そして次の時間が始まった。
☆鈴島林檎(すずしまりんご)サイド☆
つまらない文章を10000文字書いた。
携帯で長々と。
それから書いたエッセイを登録したサイトに投稿してみる。
すると視聴率が60人を行った。
フォロー数は3人だ。
私の人生をこれだけの人が読んでいるのか。
こんなつまらない私のエッセイを。
そう思いながら見ていると感想が来た。
その人物はYSという名のペンネームの人物だった。
(貴方の人生はそれだけ悲惨でもきっと大丈夫です。まだ輝けます。是非...体調に気を付けて歩んで下さい)
そう書かれていた。
私はその言葉に驚きながらYSという人物を見る。
こんな私に感想か。
そう思いながら私は周りを見る。
周りの人達は皆。
私の事を罵ったり陰口を叩いている。
何というか殺人を犯した犯罪者の妹もある。
浮気だけではないしな。
仕方が無い。
「...」
私は視線に耐えかねて外に出た。
それから私は外の空気を吸う。
私は完結させようこのエッセイを。
人生の全てをかけて完結させるべきだと思う。
まだ人生は歩み始めたばかりだが。
「...周りを見れなかった私がまた周りを見る為に」
そう呟きながら私はスマホでエッセイを執筆する。
それから書き殴る様な場面でも冷静に書いてから形作ってからまた投稿する為に準備を始めた。
正直、視聴率なんてただの数字。
これを見た人がどう思うかだ。
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