第10話 大人への階段

☆藪本りん(やぶもとりん)サイド☆


眠れなかった。

だからお兄ちゃんの部屋に来た。

それからスヤスヤと音を立てて寝ているふりをする。

だが実際は心臓が余りに高鳴り過ぎて寝れてない。

私はお兄ちゃんを見上げる。


「...」


お兄ちゃんは念仏を唱えている。

煩悩を振り払おうとしている様だ。

まあ私が居るから当然だけど。

そういう事をしなくても良いと思う。

という事で悪戯心が働いた。


「う...ん」


そうワザとうめき声をあげてからお兄ちゃんに身体をこすり付けてみる。

するとお兄ちゃんは「hyあ!?」と訳の分からない事を言いながら私から逃げようとする。

私はそれを逃すまいと布団の中で暴れる。

そしたら何か固いものが私の腕にぶつかった。

え?


「...?」


私は下を見る。

布団の中でであるが。

するとそこに大きくもっこりしたものがあった。

私は急速に赤くなる。

まさか。


「...」


興奮している?お兄ちゃんが?私で?

私は何だかその姿を見てから必死に逃げようとするお兄ちゃんが可愛らしくなった。

それから私は試しに腕に胸をぶつけてみる。

おっぱいをぶつけてみた。

するとお兄ちゃんはビクビクと反応した。


「あは」


気が付かれない様に声を上げた。

私はそう言いながら下を見た。

ビクビク反応が止まらない。

可愛いなぁと思いつつ見ていると固い感触が消えた。

それからじわっと何か冷たい感触があった。


「?」


謎が謎を呼ぶ。

私はお兄ちゃんを見る。

目が合った。

お兄ちゃんは「りん!!!!?起きていたのか!?」と反応する。

私は「お兄ちゃん。これ何?」と聞いてみる。


「...これか!これは気にするんな...っていうかマジに離れて」

「...?...う、うん。おもらし?」

「ち、違う。違うと言いたいがそうだ。良いか。離れろ」

「...う、うん?」


私はそのままお兄ちゃんから離れる。

肘が濡れていた。

私は良く分からないままお兄ちゃんから離れてから「すまない」と電気を点けるお兄ちゃんを見る。

私は「うん。ゴメン。おもらしするって思わなかった。やり過ぎた」と謝る。

お兄ちゃんは真っ赤になったまま「そ、それは良いから」と言葉を逸らす。


「着替えるから出て貰って良いか。後で話そう」

「うん。分かった」


それから私はそのまま表に出る。

おもらしも大変だな。

男の人って。


そう思いながらドアに寄り掛かる。

そして私は出ている間にスマホで検索を...掛け...た。

その反応はおもらしでは無く射精ではないか、という検索が出てきた。


「...ふぁ?」


私は急速に真っ赤になる。

それから慌ててスマホを仕舞う。

そ、そ、そんな。

じゃ、じゃあまさか。


「っ...」


今のは射精なの?

だからビクビクしていたの?

私はそう思いながら居るとドアが開いた。

それから「すまん」と小さく声がして思いっきり驚いてビクッとなる私。


「...汚いものを見せたな」

「...う、うん。う、ん?大丈夫」

「本当に大丈夫か?お前」

「ど、何処にもおしっこは付いてないから!」


私はそう言いながら目を回す。

それから真っ赤になっていたのを隠す。

射精...。

お兄ちゃんは私でいってしまったという事だ。


「...で。お前はどうしたんだよ」

「へ!?あ、わ、私ね。寝れなくて」

「ああ。そうなのか...ってお前熱でも有るのか?」

「それ、はない、けど」

「...」

「...」


正直言葉が見つからない。

どう反応したら良いのだろうか。

思いながら私はお兄ちゃんを見る。

お兄ちゃんは真っ赤になっており...私をチラチラ見る。


「男の寝室に無断で入るな。危ない」

「...うん。お兄ちゃんだから良いかと思った。だけど今度から気を付ける」

「そうだ。お前は可愛いから」

「...ぁふ?」


私は真っ赤になる、と同時に何か知らないがお兄ちゃんが愛しく感じた。

というのもこれ違う...何か。

身体を重ねたいという意味で愛しい。

なにこれ!!!!?


「...少なくとも男はけだものでな。だから危ない」

「...そう、だね」

「お前はめっちゃ可愛いから。無自覚でもある。だからこそ...ん?どした?」

「...お兄ちゃん」

「...何だ」

「おもらし...じゃないよね」


そう言ってみるとお兄ちゃんは真っ赤になった。

やっぱりおもらしではない。

射精だなさっきのは。

思いながら私は「私で...抜いちゃったの」と聞いてみる。


「...そ、ソンナワケアルカ。お前は中学生だぞ!」

「...とは言ってもまあもう大人だよ。15歳だから」

「俺は決してお前で興奮したりしてない。それじゃ犯罪だ」

「嘘ばかりだね」

「...」


何だか身体がめっちゃ熱い。

私はそう思いながらだが(いけない)と思い落ち着いて座った。

それから心臓をバクバクさせる。

ヤバイ...何だこれ。

何だこれ。


「...りん...頼む。今のは忘れてくれ。男の生理反応だ」

「...良いよ。忘れたげる」

「...そ、そうか。有難うな...」

「その代わりに私とキスして」

「...は?」

「...私はお兄ちゃんが好きだから。だからこそ私はお兄ちゃんと絆を深めたい」


私は言いながらお兄ちゃんを見る。

するとお兄ちゃんは後ずさりしてから私を見る。

「何を言っているんだ」という感じでだ。

私は気が付くと四つん這いになっていてお兄ちゃんに襲い掛かって唇と唇をその場で合わせていた。


「...」


時が止まった感じがした。

そして私はお兄ちゃんからキスを奪い取った。

それから私は真っ赤になりながら離れる。

唇に手を添えてみた。

滅茶苦茶に心地の良いものだったのだが...!?

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