第2話 1+1=1
幼い頃に相手をしていた女の子の姉妹がいきなり俺の義妹になった。
それも家に帰ったら姉妹の義妹が居た感じでだ。
俺は2人を見てみる。
2人はそれぞれな感じを見せていた。
以前と変わらない景色だ。
すずは本を読み。
りんはニコニコしながらテレビを観ている。
俺はそんな2人の姿を見ながらペットボトルの紅茶を飲んだ。
「あ。お兄ちゃん。私にも入れて」
「...はいはい。おい。すず。飲むか」
「...入れてくれるならちょうだい」
「りんは甘いのだったな。すずはストレートか?」
「あ。覚えててくれたんだ。お兄ちゃん。ありがとう」
りんはそう言いながら笑顔になる。
全くな。子供の様だわりんは。
思いながら俺は紅茶を入れつつ牛乳とシロップで割った。
それからりんに渡す。
「わーい」
「しかしすず。これで良いのか。牛乳も入ってないぞ」
「良い。私はストレートが好き」
「そうか。りん。お前は大人なすずを見習えよ」
「えー!すずは大人すぎるからイヤ!」
全くコイツはな。
思いながら俺は紅茶を飲んでから==な目をしてハッとした。
俺は彼女に現に浮気された筈だ。
それも俺の彼女に、だ。
何故俺はこんなにまったりしている!?
思い出して何だか気持ち悪くなった。
「お兄ちゃん?どうしたの?」
「...いや。すまん。ちょっと色々あってな」
「そう?...悩みごとだったら私に話してね☆」
「まあ子供なお前では相談相手にならない」
「酷い!」
りんは><な目をした。
それからポカポカと俺を叩いてくる。
俺はその姿を見ながら軽くあしらった。
しかしまあ浮気。
もう忘れよう。
「...なあ。りん。すず」
「...何」
「何?お兄ちゃん」
「女子って面倒だな」
「...それを私達に告げる?」
「お兄ちゃんさいてー」
「違うぞ。お前らだから相談している」と言いながら俺はすずとりんを見る。
それから苦笑した。
本音を言いたかったが止めた。
正直...どうなるかも分からない状況だしな。
でもコイツらのお陰で和んだ。
「お兄。...もしかして女の子が居るの。彼女が」
「居ないぞ。こんな俺がモテると思うか?」
「え?モテないの?じゃあ私が貰おう」
「...待って。お姉ちゃん。だったら私が」
「待てお前ら。何でそうなる」
正直ジョークは今はキツイかも知れないと思ったがそうでも無い。
ジョークが無いと寧ろキツイ。
そう考えながら俺はクスクスと笑う。
すると「まあ冗談は置いて」と声がした。
「お兄。本気で振られたの」
「...まあな。お前らなら言っても良いかもしれないな。浮気された」
「へあ!?それはお兄ちゃんを捨てたって事!!!!?サイテー!!!!!」
「...それでお兄はどうしようと」
「どうもしないな。なんせお前ら義妹が居るし」
顎に手を添えて本を閉じるすず。
それから俺を真顔で見据えてくる。
美少女にジッと見られている。
俺は汗が噴き出す。
するとすずは俺の顔をまじまじ見てから考える。
「何故お兄を捨てたか分からない」
「...そうだな。成程そういう事か。...まあ気に入らなかったんだろうな」
「ありえない!!!!!私はフルボッコにするけど!」
「まあ落ち着け。...浮気されたとしても俺は大丈夫だ。また新しい彼女を作ればな」
その言葉にピシッと固まる2人。
それから俺を見てくる。
眉を顰めた。
「は?」
「は?」
何だその「は?」は。
思いながら(この点は似ているな。姉妹だ)と思いながら2人を見る。
すると2人は「「...はぁ...」」とため息をシンクロさせた。
何故溜息を吐かれる。
「まあ今はそれは良い。...お兄。その女は許せない」
「...確かに許せないな。...だけどしゃーない」
「それで済ませて良いの?お兄ちゃん」
「そりゃまあ俺だって不愉快だけどさ」
俺は紅茶を飲みながら反応する。
すると2人は「「お兄ちゃんが(お兄が)言うなら良いけど」」と諦めた。
その姿を見ながら肩を竦める。
それから「なあ。すず。りん。アニメでも観ないか」と聞いてみる。
「私はアニメは文学的なものが良い」
「すずは面白いアニメを観ないから駄目!」
「お姉ちゃん。子供っぽいのは...」
「む!?失礼だね!私はお姉ちゃんだぞ!?」
「コラ!喧嘩すんな!?」
唖然としながら2人を見る。
それから2人は睨み合いをしてから俺を見る。
「「「お兄ちゃん」「お兄」はどっちが良いの」」と聞いてきた。
俺はその言葉に盛大に溜息を吐く。
「取り敢えず1+1は1になる様な中間。喧嘩にならないものを決めよう」
「...うん」
「仕方がない。お兄が言うなら」
顔を見合ってから分かち合う2人。
まあこうやって直ぐに和解出来るのもこの仲良し姉妹だな。
俺は思いながら「よし分かち合えるような無難な物を観るか」と笑みを浮かべた。
浮気されたけどまあ...それを忘れさせる様な感じだ。
全くな。
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