High probability~確信~


 人を想うのはいつだって自由。だけど、その想いが愛情だけとは限らない。私はあなたの味方でいたいけどそれは許される事ではない。だから…だから、ごめんなさい。あなたを大切だと想っているから

―――――私はあなたの邪魔をする。

      


「疲れたー!終わりが見えない…」

「げ、不服申立が混ざってるし…。てかこんなもん生徒会宛てじゃねえだろ」

「文化祭の日付変更に関しては毎年の事ですし、不服申立書は処分箱行きですね」

 晴香の事件で慌しく過ごした一学期。能力の使い方が分かってきた夏美は秘かに鍛錬をしている。忙しく日々が過ぎていく中、夏休み前に終わった文化祭を思い出しながら山積みになった書類と奮闘している。簡単に言えば書類整理をしている。山積みになった書類の中には文化祭の開催日についての書類も混ざっていた。それを見つけた拓哉は文句言う。そんな二人に珪は“毎年の事”と諦め「早く終わらせましょうか」と素早く書類を裁いていく。

普段の生徒会室なら会長である雅也と副会長の喜結、新入部員の千晶がいるのだが最近不在にしていて主な業務は夏美、珪、拓哉の三人で熟している。ちなみに千晶はお馴染みの補習だ。成績が悪いわけではない。つい最近行われた期末テストは上位五十位以内と好成績だったからだ。だが“授業態度がなっていない”と因縁をつけられ補習という名目で説教を受けている。因縁をつける《この》先生に関しては夏美も経験があるため同情してしまう。一方、雅也は生徒会長としての仕事を日々熟している。雅が生徒会長だった時は「会長が態々、席を外して仕事をするなんてあり得ない」と言って逆らう者には容赦なく能力を使い脅していたので常に生徒会室に常駐していたのだが雅也は能力で脅す事をしない。その為、つけあがる者が多い。その度に会長自ら足を運んでいる。その事実に雅はご立腹らしいが「足は運ぶが下に出ているつもりはない。分をわきまえない場合、容赦はしない」と雅とは違う方法で権力を振りかざしているらしい。喜結も同様に副会長としての仕事をしているものかと思いきや違った。最近体調が優れないらしく学校を休みがちにしている。司は「たいした事ではないが体調が悪い時に一人は寂しいからね、東ヶ崎の家で療養しているよ」と笑顔で答えた。しかし見舞いに行きたいと申し出ると「うつるといけないから」と断られてしまう。その矛盾に気づいた時、喜結が司を嫌うわけが分かった気がすると感じてしまう夏美だった。

「この片付けが終わったら雅也先輩の退任の準備だな」

「退任…。去年の今頃はこんな事をしている場合ではありませんでしたからね」

「去年か。まだ一年しか経ってないのかぁ」

「時が経つのが早いのか遅いのか分からないな…」

「それだけ忙しかったって事ですよ」

 書類の確認をしては保存と処分で分ける夏美たち。整理している書類の中に雅也の退任に関する物があった。それを見つけた拓哉が呟くと潜在能力勃発事件を思い出した珪。その発言に拓哉が年寄りの様な事を言い出すと弱音と取り、珪は簡潔に話を終わらせた。忙しくしてはいるものの余裕が無い訳ではない。故に平和な日々だと痛感する。

「それよりも喜結が心配…」

「今日も休みだったんですか?」

「思ったんだけど、珪くんって…」

「喜結の体調不良に関しては雅も不思議に思っている」

「雅先輩が?」

「普段、風邪とかひかないからな」

「まぁ、今から様子を見に行くと言っていたからそこまで心配する事は無いんだろうが」

「元気だと良いな」

夏美が話題を変えて喜結の話を出すと夏美以上に心配をする珪。そんな珪にずっと疑問に思っている事がある。それは珪と喜結の関係。二人とも自分の事をあまり話さないため知らないことが多い。しかも“お互いを名前で呼んでいる”その事が不思議で仕方が無い。仲が良いだけの同級生なら拓哉も名前で呼ぶはず。だが拓哉と喜結は“お互いを姓で呼んでいる”。その事を夏美は珪に問うことしたがその声は生徒会室に戻ってきた雅也の言葉によってかき消された。

■■■

大学の授業を終えた雅は喜結の様子を見るため学園内にある東ヶ崎の家へと足を進める。住居の前に着くと秘書と一緒にいる司の姿を見つけた。その様子に見舞い後だと分かり『心配をしているんだ』と思う。折角会えたのだから司に挨拶をしようと雅が近づくが司は雅に気付かず秘書とともに住居を後にした。

『忙しい合間を縫ってのお見舞いなのね。喜結、起きているかしら』

 雅に気づかない司に“仕方が無い”と思い呼び鈴を鳴らす。だが応対がない。先ほどまで司がいたのだから“留守なんてありえない”と不謹慎だと思いながらも住居の中へと足を踏み入れる。

「喜結?起きてる?」

 玄関から雅が声を発する。だが返答は無い。返答が無いどころか人の気配がしない。過去に喜結と共に住んでいた家。その時から妙に生活観の無い家だった。“司が寝に帰る家”だとしても生活観がなさ過ぎるのだ。不思議と思いつつも雅は喜結の部屋へと足を進める。行く途中で見覚えのない扉を見つけ雅は足を止めた。部屋の間取りは把握しているつもりだった。住んでいたにも関わらず知り得ない扉。何よりその扉は増築で作られたようには見えなかった。即ち、建設当初から存在していた扉となる。だが何度か訪れた事のある家で見た事のない扉。

不思議に思い扉に触れるとそれは静かに開いた。その奥にはと地下へと続く長い階段。雅は唾を飲み込み、階段をゆっくり、なるべく音を立てずに降りる。『降りてはいけない』と思いながらも足が進む。まるで何かに呼ばれているように。長い様に思えた階段は意外にも短く呆気なく終わった。しかしその先には薄暗く長い廊下が続いていた。

『なんだろう、地上より生活感があるような…。でもダメ!これ以上進んではいけない』

 地下とは思えない空気圧と雰囲気に今までこの家では感じたことのない生活感を覚える。だが思いとは裏腹に好奇心は高鳴るばかり。足は自由を失ったかのように奥へと続く廊下を歩いていく。すると半開きの扉が姿を現した。そこからは微かに明かりが漏れている。どうやら部屋のようだ。恐る恐る扉を開ける雅。部屋の光景に声を出す事が出来なかった。そして逃げようと振り返る。

「まさか、君に見つかってしまうとは」

「あ、あの、学園長。この、部屋は一体…」

「君を信用していない訳ではないが口封じはしないとね…」

 そこには不気味な笑みを浮かべる司が立っていた。司は雅に催眠スプレーをかけて気絶させた。気を失った雅を司が抱き上げるとそのまま明かりの零れていた部屋の中へと姿を消した。

■■■

「なんでこのコップが」

 高セキュリティーマンションの一部屋。喜結が一人暮らしをしているマンションだ。喉が渇いたのだろう、キッチンで飲料水の準備をしている。飲料水を注ぐため食器棚からグラスを取り出そうと手を伸ばす。すると軽い音を立てて陶器製のカップが割れる。グラスを取る際、そのカップに手でも触れていたのだろうか。落ちたカップを片付けるため、その場にしゃがみ割れたカップを見つめ不思議に思う。何故なら割れたカップは雅が東ヶ崎の家に住んでいた時にお揃いで購入し、雅が使っていたものだったからだ。

今のマンションにも遊びに来る事があり、使うだろうと持ってきていたが普段は使わないため食器棚の奥の方へしまっておいたカップ。“嫌な予感”が過った。

この日を境に雅とは音信不通となってしまう。

     


「ちょっと前まで休まれていたので心配しましたが…大丈夫そうで何よりです」

「心配掛けてごめん。多分夏風邪じゃないかなって」

「夏風邪ってもう十月だよ?そんなに長引かないよ」

 喜結の体調も良くなって来たのかこの一週間は休まず登校していた。休みがちになっていた事で夏美と千晶が酷く心配していた。心配事言えば最近妙に雅也の機嫌が悪い。話をしかけても何処か素っ気無い。普段から落ち着いている性格のため、あまり接する事ない人からしたら“普段と変わらない”というのだが生徒会でほぼ毎日顔を合わせて会話をしている夏美たちはその違和感に気づいていた。

「雅也先輩も体調が悪いんですか?」

「ん?いや、そういうわけではないが」

夏美が心配になり声を掛けると「無意識のうちに態度に出てしまっていたな」と謝罪をする。雅也の謝罪に「何か悩み事ですか?」と夏美が続ける。原因が分からない生徒会メンバーは雅也の言葉を聞いて更に不安が募る。

「雅と連絡が取れないんだ、喜結何か聞いていないか」

「いいえ、私も連絡が取れなくて心配していたんですが雅也先輩にも連絡が無いんですか?」

雅也が雅と連絡が取れない事が不機嫌の原因だと明かし、喜結に連絡の有無を問う。しかし喜結もまた連絡が無い事が不安になっており、雅也からの事実に驚きを隠せないでいた。一方で珪が「自宅にいるのではないんですか?」と問うも即答で「大学に進学してから一人暮らしになったんだが、一人暮らしの家には帰っていないらしい」と答えた。

「最後に連絡をしたのはいつなんですか?」

「一週間前だな」

「一週間前?確か喜結のお見舞いに行くって言ってたのも一週間前でしたよね」

「なんか変ですよね」

「確かに引っかかりはするけど」

連絡が取れなくなったのが一週間前だと聞くと先週、生徒会室で話していた内容を思い出す夏美と珪と千晶。しかし千晶の言葉に「雅に限ってそんなこと無いはず」と小声で呟く喜結。同時に美音の時と似ている事に気づき不安がよぎり「他に確認する術は無いのかな」と提案する夏美。そこに「遅くなってすみません」と厚着姿の拓哉が入室した。

「すごい厚着ですね、九条先輩」

「厚着って言うか…。ガチで寒いんだって、十月とは思えん」

「それにしても、それはやりすぎなのでは」

 拓哉の姿をみた千晶は驚きを隠せず思った事を口にする。千晶の言葉に「冗談抜きで寒い」と反論するも珪にまで似た事で指摘されてしまった。しかし拓哉の言葉に喜結はすぐに気象情報を調べた。確かに寒いと感じたが体調不良もあり、あまり深く思っていなかった。検索結果は『都心を中心に寒波が入り込んでおり、早すぎる冬の到来か』と気象情報のアナウンスが生徒会に響いた。喜結が流した気象情報に嫌な想像をしてしまう雅也。危機感の無い夏美たちは「冬物出さないと駄目かな」などと暢気にこの先の予報を眺めている。

 雅との連絡が途絶えて二週間。夏美や喜結、雅也は各々で雅にメッセージを送る。メッセージを送ってすぐに確認はされないものの送ったメッセージは確認をしているようで“既読”のチェックがついている。それでも返信が来ることは一度もない。心配になった夏美と喜結は大学部に行き様子を見に行く事にした。

「高等部とは違った雰囲気なんだね…。ちゃんと進学できるかな…」

「学部にもよると思うけど、ここは穏やかな雰囲気だね。って今からその心配?大丈夫だよ、エスカレータ式だし」

「そうなんだ…。ねぇ喜結、あの人雅先輩じゃない?声かけたほうがいいかな?」

「うん、雅だ。でも友達と話しているみたいだし、割って入っちゃ失礼だよ」

「それもそうか、安否確認だもんね。あの感じなら大丈夫だよね」

 放課後、大学部の敷地内を散策する二人。高等部と違う雰囲気の建物に感動を見せる夏美。そんな夏美に率直な感想を述べる喜結。二人は歩きながら他愛も無い会話を続ける。そして夏美が雅を見つけると一安心をする。友人と思わしき人たちと話している様子に無理に話しかけるのはやめようと喜結が提案。それに賛同した夏美も雅の姿を目に焼きつけ生徒会室へと戻った。しかし翌日、思いがけない出来事が起きた。それはだれも予想していなかった出来事だったからだ。高等部校舎のメインロビーの人だかりは液晶掲示板にくぎ付けだった。

「夏美先輩、おはようございます、なんですか?この人だかり」

「千晶ちゃん、おはよう。私も来てびっくりなんだよね…」

「あ、紫享先輩と九条先輩だ!二人なら知ってるかも…。聞いてみましょう!」

「え?ちょっと千晶ちゃん!」

「卯月さん、おはようございます」

「おはようございます!紫享先輩!九条先輩」

「天野さんは相変わらずなんですね」

「ご、ごめんなさい」

 後から登校してきたのだろう、夏美を見つけた千晶が声を掛ける。千晶も思っていることは同じらしく夏美なら知っているだろうと思ったのだが的は外れてしまった。そして人だかりの中に珪と拓哉の姿を千晶が見つけ、夏美の手を掴み近づいて挨拶をする。千晶の挨拶に笑顔で返す珪。一方で夏美は相変わらず条件反射で拓哉を避けている。その様子に呆れる珪。そろそろ改めなければいけないと思いつつも実行することは難しく小声で謝罪をする。

「ところでお二人は掲示板を見ましたか?」

「今、来た所でまだ…。一体何が表示されているんですか?」

「驚かずにこれを見てください」

 珪が掲示板の事を尋ねると“見てない”と首を横に振る夏美と千晶。そんな二人に掲示板に表示されているものを撮影した画像を見せた。その内容に驚愕する二人。掲示板に表示された内容とは“下記の生徒に一ヶ月の自宅謹慎を命じる。記 三年A組 舘宮雅也。今回の処分に伴い生徒会会長の役職を剥奪。尚、生徒会会長の後任は二年E組 柚河喜結とする”というものだった。しかもご丁寧に学園長の印鑑付きだ。つまりこの内容は学園長の指示ということになる。

     


「一体何なんだ、あの掲示物は?」

「僕に聞かないでください」

「とりあえず、喜結に話を聞いてみない?」

「話を聞くって…教室にいなかった人物にですか?」

メインロビーに貼り出された掲示物を見た四人はまず喜結がいるであろう夏美のクラスに行った。今日付で生徒会長になった喜結なら何か知っているだろうと考えたからだ。しかし教室に喜結の姿はなかった。今すぐにでも話を聞きたい四人が次に向かったのは生徒会室だった。予鈴が鳴り響く中、生徒会室に着くも当然ながら施錠がされている。どうするべきかと悩んでいると喜結が姿を現した。

「喜結!あの掲示物のことなんだけど」

「言いたい事は分かっているから、とりあえず授業を受けてきて」

「納得がいきません!喜結先輩何か知ってますよね?」

「千晶。放課後ちゃんと説明するから、あと夏美…。今は本当に何も言えないの、だから」

「後でちゃんと説明してくれるんでしょ?」

真っ先に質問を投げたのは夏美だったが言い切る前に喜結になだ宥められてしまう。その言い分に納得が出来ない千晶が反論するも喜結は教室に行き、授業を受ける様に促すだけ。そして遠回しに授業を休む事を夏美に伝え、四人を見送る。 

放課後。急いで生徒会室に行く千晶。しかし生徒会室は施錠されていた。朝の事を引きずっているからだろう。冷静な判断が出来ていない。故に喜結からのメッセージを確認していなかった。逆にメッセージを確認していた夏美と拓哉と珪は指定された場所で中々現れない千晶を心配していた。

『あ、千晶ちゃん。今どこにいるの?』

「どこって生徒会室の前ですよ」

『喜結からのメッセージ確認した?』

夏美から電話で気づいた千晶はすぐに端末を確認する。端末には未読のメッセージが一件あった。内容は“放課後、生徒会メンバーはメインロビーに集合”と書いてあった。それを確認した千晶は大きくため息をつき、メインロビーに急いだ。集合場所に着くなり「何なんですが!あの短文!」と喜結に文句を言う。千晶の言い分に一理あると思う。しかし喜結はそれを聞き流し「とりあえずついてきて」と四人を誘導しながら学校を後にした。千晶が「何処に行くか聞いてます?」と尋ねるも首を横に振る夏美。行き先を告げられないまま二人は先を歩く珪と拓哉と共に喜結の後をついて行く。

渋谷駅から十分程、電車に揺られる。駅に着くとさらに五分程歩いた。辿り着いたのは一つのマンションだった。目的地に辿り着くまでの約二十分間、喜結は一言も話さなかった。無言のままマンションのエントランスをくぐり一つの部屋の前に立ち止まる。三階建マンションの最上階。左奥の角部屋。慣れた手つき喜結はドアの鍵を開錠する。玄関ドアを開け部屋の中に入るように四人を誘導した。全員が入ったのを確認すると喜結はドアを閉め施錠する。

室内に入った夏美たちが小さく「お邪魔します」と言う。すると「どうぞ」と笑顔で珪が言う。予想外過ぎる反応に驚きを隠せない二人。

「ここ、珪君のマンションなんだ」

「俺のマンションでもある」

「え?」

「珪、お茶って何処に仕舞ってあったけ?」

「食器棚に入ったままですよ」

目的地が判明した事で珪の言葉に安堵の息をつく夏美。しかし同時に横から言葉を付け加える拓哉に驚く。珪の家だと知ったからか、構うことなくリビングへと足を進め千晶。そして、キッチンの方面からは喜結が茶葉の在り処を尋ねた。勝手を知っている喜結に唖然とする夏美に「元カノなんだから知ってて当然だろう」と拓哉が答える。意外過ぎる回答に『確かに名前で呼びあっているから何かあるんだろうとは思ったけど…』と悶々と考える夏美。その姿を不思議そうに見つめる喜結だった。

「喜結先輩。何故、生徒会室ではなく紫享先輩方のマンションなんですか?」

「その理由は今から話す。朝の掲示物は見たよね」

「当たり前だろ!大体なんだ、あの掲示物!」

「拓哉、落ち着いてください」

「あれは雅也先輩の意志」

「「「意志?」」」

「最近やたらと寒いでしょ」

「確かに寒いです。十月前半とは思えないぐらい」

「「まさか、この異常気象って」」

全員がローテーブルを囲むように席に着くと千晶、夏美、拓哉、珪の順番に話し始める。珪以外の言葉に喜結は個々に応対する。だが最後の言葉が理解出来ず、三人は声を合わせて首を傾げる。そんな三人に喜結は右手人差し指を立てて話を進め、ここ最近の異常寒波の話を持ち出すと千晶は納得する。千晶の言葉を聞いた夏美と拓哉は無意識にも息を合わせ喜結に問う。しかし夏美はすぐに顔を逸らしてしまう。あからさまな態度に呆れる拓哉。拓哉の行動に『いい加減にしてくないかな』と意を込めて大きくため息をつく珪。腹黒い一面だ。

普段は穏やかで“ですます調”で話す珪。同居している拓哉はある程度知っているようだが珪の過去は公にされていない。あまり知られたくないのか本人も過去の事は口を開こうとしない。そういう珪の一面を知っているからこそ拓哉も“本人の意思に背く行為”として答えない。例えそれが自分より偉い立場の人間でも。

「僕は昨日、喜結から話を聞いていたので驚きませんが二人の想像通りという事ですよ」

「それで“生徒会室で話すのはまずい”という事ですか?」

「そういうこと」

「でもなんで珪君のマンションなの?」

「俺のマンションでもあるって言ってんだろ」

「拓哉、いい加減にしてください。話が進みません」

珪が冷静に話を続けると納得する千晶。しかし場所の選択がどうしても理解できない夏美は喜結に問うも“珪のマンション”という言葉に反応した拓哉が怒り気味に付け加える。拓哉の発言に怯える夏美。その反応を見た珪は拓哉に活を入れた。

「正直なところ、この決断は私の我儘なの。本当は生徒会室でも私のマンションでも良かったんでけど学園長(父)を信用する事が出来なくて」

「我儘と学園長を信用出来ないのとどう関係あるの?」

「雅也先輩から聞いて分かったんだけど雅と連絡が取れなくなった日、実は私の様子を見に東ヶ崎の家に来ていたみたいなの」

「そういえばそんな感じの事、雅也先輩言っていたかも」

「だけどその日、私は東ヶ崎の家じゃなくてマンションに居たの。確かに心配した学園長(父)がしばらく東ヶ崎の家で療養する様にって言われたけど、東ヶ崎(あの)の家はどうしても苦手で最初の一週間ぐらいでマンションに戻ったの。ただ、雅にそれを知らせるのを忘れしまっていて」

「まあ、今の話で信用云々は分かりませんが警戒はしたほうがいいのは確かですね。実際その日以降、音信不通に近い状態になっていますし…。ですが“会長の除名”と“本人の意志”と言うのが繋がりません」

「…夏美と雅の様子を見に行った時、すごく違和感があったの」

「違和感?そんな感じしなかったけど」

「一瞬見ただけじゃわからないよ。雅とは三年近く東ヶ崎(あの)の家で暮らしていたし、学園に入学してからだけど付き合いはあったからね」

「で、その違和感って何なんだ」

「_______」

喜結が話を進めると絡まっていた糸が少しずつ解かれていくのが分かる。しかし雅也の除名については分からず仕舞い。そこで喜結が感じたという違和感を元に立てた憶測を話す。その仮定はあまりにも想定外で驚きを隠すことが出来なかった。暫くしてインターフォンが鳴った。喜結の発言に来着の対応など出来る状態ではない家主たち。仕方の無い事だが喜結は来客の正体を知っているため対応にあたった。その来客とは雅也だった。人目を気にしているのか、雅也はすぐに室内に入り一言謝罪をした。雅也を本当に心配しているのだとすぐに分かった。そして事の経緯を話した。

     


「さ~む~い!十一月に雪とか異常にも程がある!」

「雪だもん、仕方ないよ。てか千晶ちゃん着すぎだから…。一体何着、着てるの?」

「二人が心配ですか?」

「珪…。雅也先輩はそこまで心配していないけど」

雅也が会長の任を除名されてから一ヶ月が経った。一ヶ月前のあの日、雅也が話に混ざったことでより明確に要点を確認する事が出来た。生徒会は喜結を中心に行動を開始する。準備のために忙しくする中、異常気象は酷くなる一方。十一月の頭だというのに雪まで降り始めている。雪を見るたび喜結は雅の安否を心配する。しかし計画通りに事が進んでいるのであればこの雪も想定内ということになる。“計画通りに進んでいて欲しい”それだけが頼みの綱なのだ。

―――――――十一月三十日。そこで全ては終わる。

■■■

「もうすぐ、もうすぐだ」

「学園長、もうやめませんか」

雅が見つけた東ヶ崎の家にある地下室。司と雅の二人がいる。一人で呟いている司に雅が声を掛ける。しかし司の耳には届いておらず、小さく溜息をつく。特に拘束もされていないため自由に歩き回ることが出来る。もちろん逃げる事も可能だ。しかし雅に“逃げ出す”という選択はなかった。

何かに取り付かれたように調べ事をする司を横目に雅は部屋を出る。扉を閉めると同時に立ちくらみを起こし壁に寄りかかる。能力を使い続けているため、体力の限界が近いのだ。生徒会在籍中はもちろん十代の中では飛びぬけて能力値の高い雅。氷を変幻自在に操ることが出来る能力。つまり現在、都心を中心に悩ませている異常気象は雅が好意でやっている事。

『雅は芝居をしている』

喜結があの日発した言葉だ。鬼化になったのではなく好意で行っている事。喜結が感じた違和感と言うのは雅の芝居だった。伊達に長い付き合いをしていないからこそ分かる事だ。止めようと思えば止められる。しかし止める事は雅の本心に反してしまう。これまでの事件、少なくともここ二年。潜在能力に関する事件の主犯は東ヶ崎学園・学園長、東ヶ崎司なのだから。雅也に恋心と勘違いされるほど尊敬していた人物。だからこそ関与ではなく主犯だと分かる。もちろん非道だと言う事は分かっている。だが見捨てる事が出来ない。それは司が何のために事件を起こしているのは分からなかったからだ。しかし“やらなければいけない理由”があるからこその非道行為。期日は刻々と迫る。

十一月三十日。連日降り続いた雪が積もり慣れない雪道に右往左往する東京都心。学校に人はない。日曜日を選んだからだ。真っ白に雪化粧をした高等部の中庭。夏美、喜結、雅也、珪、拓哉、千晶の前に姿を見せた雅。氷を操る能力者だけあってか寒さには強いらしい。中庭にいる中で一番薄着。

「あの雅先輩。鬼に何てなってないですよね」

「はあ、天野さんは私のことそんなに信用出来なかったの?」

「雅先輩!」「雅さん!」

「心配を掛けさせるなって事だ」

第一声を夏美が発すると雅は溜息をつきながら否定する。心配した分が行動に出たのか、夏美と千晶は雅に泣きながら近づき押し倒す勢いで雅に抱きついた。二人の行動を見ていた他のメンバーは一同に溜息をつき雅也が補足した。

■■■

「この異常気象はやっぱり雅先輩がやっていたんですね」

「そうね、でも思い通りには行かなかったわ」

「 “思い通り”ですか?」

「 “思い通り”にいって欲しくないから俺と喜結が先手を打ったんだ」

泣きじゃくった夏美と千晶が落ち着くとガゼボへと移動する。そして雅は今回の異常気象を起こしていた事を自白した。しかし計画通りに事は運ばず溜息をついた。そんな雅に雅也が釘を刺す。

「それよりも喜結。学園長は一体、何の研究をしているの」

「研究かどうか分からない。何かをやっているのは知っていたけど…」

「そんなにヤバい感じなんですか?」

「 “ヤバイ”で済ませていいのかな…。最近はずっと独りで何かを話していたわ。傍に私がいる事も気づかない程に」

「母が亡くなってから学園長(父)は変わってしまったから」

「あれですか、よく漫画とか出てくる“愛した人がいない世界に色はない”ってヤツですか?」

「そんな綺麗事だといいのだけど…。だからこれで安心するのは危険すぎるわ」

雅也の言葉に「ごめんなさい」と素直に謝罪する雅。正直に言うと体力の限界も近かった為、これ以上続けていれば“鬼”になっていたかもしれないと反省していた。同時に雅が司について喜結に尋ねる。しかし有力な情報は持っておらず、雅の話し方に疑問を抱いた珪が尋ねる。その問いに率直な感想を述べる。否、そう表現するしか出来ないからだ。

司に関しては母親の事故死以降、様子がおかしくなったと喜結が付け加える。“母親の死=司にとっての最愛の人”と認識した千晶は以前、読んだことのある本の一部を抜粋する。千晶の言葉に「それくらい単純であって欲しい」と願う雅。生徒会全員に不安が募る。相手の出方を探る事が出来ないからだ。

十二月。世間はクリスマスムード一色になっている。雅が能力を使うのをやめた事で異常気象も終わりを告げ、十二月らしい寒さを向かえる都心。生徒会室の前で翔が一生懸命、喜結に頼み事をしている。あまりにも真剣な表情に喜結も無碍に出来ないらしい。そんな二人を覗き見る夏美と珪。

「覗き見なんて悪趣味だと思わねぇーの」

「覗き見ではなく“心配”をしているんです」

「夏美先輩、後で少しお話しても良いですか?」

席に座り文句を言う拓哉に対して呆れる珪。二人の会話を他所に千晶が夏美を呼び出す。生徒会室の近くにある階段の踊り場。普段あまり人が通らないため何か秘密裏にしたい事などを話す時に生徒会メンバーがよく使う穴場だ。

「夏美先輩、率直にお聞きします!九条先輩の事どう思っているんですか?」

「どうって、どうしたの急に…」

「急じゃありません!あんなにも好意を寄せられているのに夏美先輩は応える所か避けているじゃないですか」

「それは…。でもそんな事、千晶ちゃんには関係ない…」

「関係なくありません!二人にはくっついてもらわないと困るんです!」

夏美を呼び出した千晶はすぐに本題に入る。千晶の問いに拓哉の気持ちに気づいているが夏美自信、どんな感情で接していいか分からない為、曖昧な回答をする。そんな夏美に勢いで自らの思いを言い放ち、その場を立ち去る千晶。その言葉に千晶の思いを察するも一人で解決するには難解すぎると感じてしまい帰宅後、喜結に電話で相談する。

「ってことがあったんだけど、私はどうしたら良いのかな」

『それは夏美自身で考える事じゃない?確かに千晶が珪に好意を寄せいているのは見てて分かるけど、でも千晶の思いのために夏美が意思を曲げるのは違うと思うよ』

「そう、だよね…。正直ね、本当に分からないの。最初こそあの高飛車な性格が苦手だったのは確かだよ。でも今も同じかって聞かれると違う気がして」

『生徒会に入部して少なくても一年は一緒に仕事しているからね。ただ夏美が感じている気持ちがどの“好き”に当てはまるかが大事じゃないかな』

「…喜結は?翔君と何か話していたじゃない」

『私のは…。言うならば“執行猶予が終わった”って事かな。まぁ、お互い特殊な関係だと思っているから気にしなくていいよ』

「…う、うん。少し考えてみる…。ありがとう」

電話で勇気付けられた夏美は美音と写る写真を抱きしめ「どういう行動をとるのが正解なんだろう。もう一回、もう一回だけでいいから美音に会いたいよ」と静かに涙を流す。

■■■

「学園長の事、雅也はどう感じた?」

「正直、行動が読めん人だとは思っている。変な事に手を染めてなければいいが」

「喜結が言ってた“母が亡くなってから変わった”ってやつね」

「その言葉から想像できるのは」

「「死者蘇生」」

「でもそんな事出来るはずがないわ」

「だからこそ、何を考えての行動かが読めない」

「ここ最近の事件も確実に学園長が絡んでいる。それは確定なのだけど理由が分からないわ」

都心のワンルームマンションの一室。雅也と雅がいる。雅が一人暮らし用に借りた住居だ。食事をしながら司の行動を心配する雅。十一月三十日以降、雅の話を聞いていた雅也も司の行動を気にしているようだ。お互いに頭をひねり出した答えはあまりにも現実味がないと感じている。しかし千晶が言った“愛した人がいない世界に色はない《あの言葉》”が奇行に走らないことだけを願っている。

■■■

「何で卯月の意志を無視してる」

「何ですか、藪から棒に。そんなこと言う権利が拓哉にあるとでも?」

「…。それと一緒にするな…」

 珪と拓哉がルームシェアをするマンション。夕飯時、拓哉が珪に千晶の事を尋ねた。しかし学力的にも上位を占めている珪は見事に跳ね返した。その言葉に返す術を持っていなかった拓哉。異様な空気を放ったまま食事をする二人。タイミングを見誤ったと後悔した。

    


「純、一つ頼み事があるのだけど、ちょっといい?」

「頼み事?改まってどうしたんだ、舞依…?」

「______________________」

「え?」

――――十二月。

 日曜日ということもあってか晴香は友人らと外出している。あの晴香が行方不明になった事件以降、元気がなかった晴香だったが今では笑顔を取り戻し、中学生らしく毎日を謳歌している。そんな日曜日の昼前、自室で課題をこなす純平を舞依が呼び出す。いつもと違う声色に心配になる純平。そして舞依の口から放たれた言葉に純平は驚きを隠せないでいた。

 十二月二十一日。街中はクリスマスムードで溢れていた。しかも今年の二十四日は平日ということもあり、前倒しをした日曜日であるこの日をデートなどで過す人が多い。故に駅や施設など人通りが激しい。そんな日の渋谷駅に普段以上にお洒落をした喜結がいた。遡る事十二月の頭。放課後の生徒会室で喜結はいつもの様に執務を熟している。すると翔が訪ねて来た。何やら喜結に用事があるらしく生徒会室の外に呼び出す。

「あのさ、喜結。二十一日の日曜日、暇だったりする?」

「二十一日?今の所、特に予定はないけど」

「なら、俺とデートして欲しいんだけど」

 木梨茉奈の一件潜在能力勃発事件以降、特に進展が無かった二人。お互いに気恥ずかしくなってしまい、避けていたからだ。そのため事件から一年以上が経ってしまった。遅くなれば遅くなる程、言いにくさは増すばかり。けじめをつける為、翔は勇気を出して喜結にデートを申し出た。喜結は一年という長い猶予を貰った以上、何かしらの返事をしなくては思い翔の誘いを受けた。

 翔が到着して数分後、喜結が到着する。喜結なりの精一杯のお洒落。控えめなフリルがついたスカート姿。寒さ対策のためトレンチコートを着ているがコートの下がスカートではなくワンピースなのは直感で分かる。基本、学校でしか会わないため制服姿しかしらない翔だが一度だけ夏美に喜結の普段を聞いたことがある。喜結は普段からお洒落とは縁遠いジーンズパンツにTシャツ好むと。故に翔のための洒落た服装に驚きを隠せない。

「ちょっと何、喜結のあの格好!すごく可愛いんですけど」

「はい!はーい!私がセレクトしました!」

「夏美先輩、いいセンスしてますね」

「後夜祭の時にね。淡いクリーム色のドレスを着ていたから似合うと思って!体系も細くてすらっとしてるし!」

「しかし拓哉がこんな茶番に付き合うなんて珍しいな」

「舘宮先輩こそ、彼女にここまで尽くすなんて感心します」

「まあ、雅の一件以来学園長が動かないのはおかしいと思ってな。何か仕掛けるとしたらそろそろだろうって思ってるんだが…。そういう拓哉は何でいるんだ、そんなに嫌なら来なければいいじゃないのか」

「珪に秘密を握られてまして、来ないと天野にバラすと…」

 そんな二人を遠くから見つめ小声で会話をするギャラリーがあった。雅、雅也、夏美、千晶、珪、拓哉の六人だ。気持ちを昂ぶらせる四人に対して乗り気ではない雅也と拓哉。雅に付き合う雅也に感心する拓哉。その言葉通りに返すと珪に握られている秘密を好意を抱いている相手(夏美)に言うと脅されている事を明かした。その事実に「お互い、苦労が耐えないな」と同情する雅也。

■■■

 渋谷駅周辺で軽く買い物を済ませると喜結と翔は少し離れたプラネタリウム会場へと移動する。六人は喜結と翔を尾行しながら各々でショッピングを楽しんでいた。その中で一人仕事を忘れていない雅也がある違和感に気がつく。

「ここまで二人をつけていて分かったんだが喜結が俺たちに気づいていないんだ」

「気づいてないなら好都合じゃないんですか?」

「卯月さんは喜結の能力を何処まで把握していますか?」

「風使いってことですけど、それがどうかしたんですか?」

「…!そう言われるとおかしい部分が沢山あるかも」

 二人がプラネタリウムを楽しんでいる間、六人はカフェに入り普段は潜在能力の関係で隠れていても居場所が分かってしまうのにおかしいと言い出す雅也。その言葉に千晶は理解が出来ず“尾行が成功している”と勘違いをする。そんな千晶に珪が喜結の能力について尋ねると夏美が閃いたように発言する。

「でも、そんなの気づいていないフリかも知れないじゃないですか」

「フリかどうかは後で本人確認すればいいことだけど」

「ブレスレット…」

「え?天野さん、今何て言ったの?」

「ブレスレットです!雅先輩!晴香ちゃんの事件が解決した辺りからずっと付けているんです」

「どんなブレスレットか覚えてない?」

 夏美は晴香の事件以降、喜結があるブレスレットを付けはじめたことを思い出す。ブレスレットという単語に反応する雅。“嫌な予感 ”が過ぎったのだ。だが、たかがブレスレット。翔からのプレゼントでないかと発言する拓哉に「既に確認済み」と首を横に振る夏美。そんな二人の会話に雅が割り込むようにブレスレットについて尋ねる。だがしっかり見たわけでは無い為、覚えていないと答える夏美。予想が外れてくれる事だけを願う雅。

■■■

「日も暮れたわね。今の所、喜結が私たちに気づいてない以外に心配する要素は無いみたいだし天野さんたちは帰って大丈夫よ?」

「ではお言葉に甘えて…。私、用事があるので先に帰ります」

「ええ、気をつけてね」

「はい!」

「では僕も少し見たい店を先ほど見つけてしまったので、いいですか?」

「雅先輩、私はこのまま喜結の事、見てていいですか?」

「それは構わないけど、一人では心配だわ」

 日が暮れて夜になる。ここまで何も無い事に安心した雅は別行動を提案した。その提案に賛成した千晶と珪がそれぞれその場を離れたが夏美は喜結の尾行を続けたいと提案する。しかし一人では危ないと止めるも拓哉と組ませるのは駄目だと思い躊躇する。その時、喜結達がいる方向がざわつき始めた。数人の女性が悲鳴を上げる。心配になった雅たちが近づくと翔に支えられるように気を失っている喜結がいた。懸命に喜結の名前を呼ぶ翔。その様子にただ事ではない事が見て取れる。急いで救急車を呼ぼうとする。しかしその手は震えていてとても話せる状態ではない。そんな雅に変わり雅也が救急車を呼ぶ。その後、到着した救急車で病院に運ばれた。暫くして処置を終えた喜結が病室へ運ばれた。しかし目立った外傷などがなく原因が分からず目を覚ます保障が無いと医師から告げられた。病室で呼吸器をつけられた状態の喜結。同時に腕につけていたブレスレッドが崩れるように外れた。

「おはよう、翠」

 喜結が気を失うのとほぼ同時に一人の女性が目を覚ます。その目覚めを待ちわびていたのかあの部屋東ヶ崎宅の地下室で一人不適な笑みを浮かべ、女性に声をかける司がいた。

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