第7話 ダンジョン1
「行きますよ。もちろん!」
と、ダンジョンの中に入っていく。
「うわああああああああああああ」
いきなり地面にたたきつけられる。高さがそこまでなかったから私じゃなくても生存できていたかもしれないけど、全く恐ろしい初見殺しだよ。こんなの予測できるわけがない。
そしてそこには大量の獣がいた。全員今にも襲って来そうだ。それを見て私は臨戦態勢を取る。
「グルゥゥゥ」
と、私を見てる。
「グラウ!」
と、襲いかかって来た。一体などではない、その場にいる五十体以上もの獣が。
「ウインドカッター!」
と、風の刃を複数生み出し、獣を切り刻むと同時に雷の玉も複数放ち、火の玉も複数放つ。
消費魔力は激しいがまずはこの急場凌ぐのが最初だ。
「いけえええええ!」
魔法の球を複数コントロールして魔獣たちにぶつけ、ぶつけぶつけぶつけぶつけ、そのまま魔獣を全部倒した。
「はあ、最初でこれかー」
最初でこれだと先が思いやられる。魔力量は他の人よりは余裕があると思うけど、流石は漫画とかで見るダンジョン。難易度はなかなかのようだ。それに簡単だったらそれはそれで少しいやだけど。
「まあいいや」
先に進もう!
そしてそのまま奥へと進んでいく。意外なことに全然魔物は出てこない。私にビビッて出てこないんだと信じたいけれど、普通にダンジョンの仕組みとかなんだろう。なんかワクワクしてた感じと違うな、今のところただの散歩だ。
「あーあ」
早く魔物出てきたらいいのに。そりゃあ出てき過ぎても困るけど。って、
「わっと」
急に地面がなくなった。急すぎ!
そのまま私は落下する。ふとしたを見る。すると、地面には炎があふれていた。困ったなあ、これじゃあ死んじゃう。まあ死なないけど。
考えるんだ。飛ぶ方法を!
いや待て、向こうに地面が見える。と言うことは、風で落下地点を変えてあげたらどう?
「ふう」
見事に地面に舞い戻ることが出来た。ここに立てればなんとか。
そして火の中を見る。目に魔力を込めて火の中を見れば骨が大量に沈んでいるのが見える。もし、風で体を落とすのが少しでも間に合わなかったら落ちていたところだ。
「まあ、結果良ければすべてよしなんだけど……」
異世界に来て初めて恐怖と言うものを感じた。あの時拷問されてた時も感じはしなかったのに。
「あれ?」
足が震えて先に進めそうにない。困ったなあ、さっさと進まなければならないのに。何をビビってるんだ、私は。
「とりあえずご飯食べますか!」
と、袋に入れていた、肉を取り出す。流石にご飯を食べたら、震えもなくなるでしょ。
「そう言えば異世界に来てから肉を食べるの初めてだな」
この肉料理が初めてだ。宿などでは肉はあんまりでず、大体野菜料理だった。話によると、肉を食べれるような魔物と言うのは少ないらしい。野菜はあまりおいしくなかった。私自身野菜嫌いだから当たり前と言えば当たり前だけど。
「おいしい!」
ダンジョンに行く前に捕まえたイノシシみたいな魔物の肉は最高だ。そう言えば、あのソーセージは何の肉なんだろう。
「さてと、行くか!」
体の震え求まり、私はそう火に向かって叫んだ。さっさとダンジョンを制覇しよう!
そこから上に上がると、広い空間だった。私は何かあるかもしれないと、ビビりながら進んでいく。しかし、何も起こらない。
「なーんだ」
と、安心して、その空間から出て、細い道に入った。すると、
「えええ!?」
岩が地面を転がり、私の方に向かってくる。私はとにかく、逃げていく。下り道だから、速く走れる。しかし、それは岩も同じことだ。
「もう!」
と、風で岩を切る。だが、半分個になったとはいえ、スピードは収まらない。
「えーどうしよ」
と、数秒考え、水の圧力で岩を壊す。
「これで良しと……あう」
真上から岩が落ちてきた。横からだけじゃなくて、上からも??
油断した。これじゃあどうしようもない。岩に私の半身が踏みつぶされ、血が流れ、臓器がつぶれる音がする。目も片方がつぶれ、痛い。
「どうしよう……いた」
激痛が体に走る。痛すぎてきつい。でも!
「ウインドカッター!」
腕からじゃなくても風を操れる。これで岩を切った。これでもうだいぶ重くなくなった……?
「いった!」
岩が私の顔に転がってきて、両目がつぶされ、鼻がへし折られた。確かに岩を切っても岩なこと自体は変わらない。はあ、油断した。でも! 今度こそ!
「……」
と、水を私の上を横から岩に当てる。
「やっと助かった!」
岩はつぶれて、私は激痛から解放された。私の臓器は見る見るうちに回復し、目もすぐに見えるようになった。しかし、相変わらず鳥に転生させてはくれないらしい。
「次はこんなことがないようにきおつけていきますか!」
と、再び出発をした。
「るんるんるん!」
そろそろいろいろな仕掛けにも飽きてきた。何度罠に引っかかったことか。マグマに落ちかけ、岩を落とされ、針に体を当てられ、流石に私じゃなかったらもう五回は死んでたよ(マジで)
元気なふりをしてないと流石に心がきつい。てか、魔物全然いないし。罠ばっかりは嫌だよ流石に。
「ここは?」
大きな空間が広がっていた。どういう場所なんだろう。謎だ。今までの経験上、罠がありそうで進むのが嫌だ。でも進まなければ何にもならないからなあ。
「うおおおおお!」
もうとにかく走る。それが私の選択だ!
「罠こないで!」
神に祈る。いや、神ってあいつじゃん。嫌だなあ。祈れないじゃん。
「いけー!」
しかし、私は地面に落ちる、そして、落とし穴だ。猛スピードで地面に、そこにある針山に叩きつけられそうになる。これはまずい。死ぬ。いや……
「ウインドアッパー!」
そう言って、体を風で上に持ち上げて何とか崖につかまる。だが、それまでだ。その後は上手くいかなかった。
「うう」
崖につかまるのが精いっぱいだ、その後は中々上手く崖の上には上がれない。さてどうしたものか、そろそろ腕もしんどくなってきた。
「そうだ!」
と、炎を私の足に当て、そして反動で体を上に持っていこうとする。腕の捕まる力がなくなるか、上手く上に上がれるかのどっちかだ。だけど、私はこの可能性にかける!
「行っけーーー!!!!」
そして……
「あう」
上の地面にたたき落された。
「まあでもこれで窮地は脱せたよね」
そしてなんとか少しずつ歩いていく。今度は罠に気を付けながら。
そしてまた、広い空間に来た。今度もまた罠を警戒したが、今回は違うようだ。
向こうには、若い女性がいた。
一歩足を踏み入れると、「ようこそ、挑戦者よ」と、笑顔で言われた。
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