第7話 学食
そして、また次のうわさは流れていき、俺たちは所謂ラブラブカップルという認定を受けた。そうなったら未来も遠慮が無くなったようで、学校でも積極的になった。
「翔太君、翔太君!!」
そう、未来が俺の手をつかみながら、俺たちは食堂へ向かう。いつもはお弁どうなのだが、未来の提案で食堂に行くことになった。
「どれもおいしそう」
未来が目を輝かせながら言う。食堂、なんとなく行ったことがなかったが、色々とおいしそうなものがある。流石に規模では昨日の水族館のメニューにはかなわなそうだが、それでも十分なメニューがある。
そして、高校生の食事を支えるということもあり、どんぶり系ご飯が多い。
「翔太君は何食べる?」
「そうだな……」
正直いってどれも好ましい。全部食べたい気分だ。
「未来は何を食べるんだ?」
「うーん。このカツどんかな?」
「結構がっつり何だな。もっと小食なんだと思ってた」
「翔太君、それ男女差別だからね」
「流石に差別ではないだろ」
別に一般論を言っただけだ。
「それで、翔太君は?」
「……まだ決まってない」
「早く決めないと、食べる時間なくなっちゃうよ?」
確かに、休み時間は40分そ行かないから、早く決めないといけないな。
「確かにな。じゃあ、えーと。どちらにし……」
「翔太君、そう言う決め方するんだ?」
俺が、例の決め方をしようとすると、ジト目で未来がそう言ってきた。
「何だよ、悪かったかよ」
「いや、別にいいと思うよ。それでどれに決まったの?」
「えっと」
もう一ッ回、今度は脳内でどちらにしようかな天の神様の言う通りと唱えた。すると、からあげ丼になった。
「からあげ丼だな」
「翔太君もどんぶりじゃん。よく食べるね」
「そうだな」
お腹は結構減っているし。
そして二人で食券を買いに行く。
「いっただきまーす」
と、二人でどんぶりを食べる。今回は昨日みたいに未来がナンパされるということもなかったようだ。学内でナンパはそれこそ問題行動な気もするが
「ねえ、翔太君、一口交換しない?」
「分かった」
と言ってお盆を交換しようとするが……未来からまってが入った。
「一口交換と言えば、「あーん」でしょ?」
「なんで!?」
定番なのか? 全くもってわからない。
「とりあえず、しよっか」
「いや、それは恥ずかしすぎる」
周りにいる数十人の人。しかも未来はクラスだけzy無く、学校でも結構有名なのだ。確実にみられる、そしてもっと俺が有名になってしまう。も依頼は自分が人気者と言うことを分かっていないのか。
「でもこれしないと、カップルとは言えないと思うよ。だから、しよ?」
「あ……ああ」
俺にはよくわからなかったが、一理は、一理はある。それに興味自体はある。こんなところではあまりしたくなかっただけで。
という訳で、未来が一口俺にさし出した。あーんをする形で。
周りからの視線を感じる。羨ましいとでも思われてそうだ。しかも、さっきまでは築かなかったが、よく見たら三森さん、上島さんもいるじゃねえか、絶対この人たち俺たちを観察するために来ただろ。全く、こんな状態でイチャイチャするこっちの身にもなってくれ。
そして、俺は未来の差し出す端をしっかりと口にくわえ、しっかりと食べる。
「どう? おいしい?」
「おいしい!! けど……周りの目が気になる」
周りを見ると、軽く殺意を抱いている人が複数人いそうだ。
「そんなこと気にしなくていいんだよ。もしも翔太君に嫌なことする人がいたら、私が守ってあげるから」
「ああ」
「じゃあ、翔太君も、私にあーんして?」
「分かった」
と、俺も橋を差し出すと、未来は魚のようにパクっと食べた。
「おいしい!!」
「良かった」
そして俺たちはその場を後にした。そしてクラスに戻ると、
「写真撮っといたからねー!!」
と、三森さんがスマホを見せてきた。その写真には俺と、未来が食べさせ合ってる写真だった。
「それ……盗撮じゃないの?」
未来が写真をじっと見ながら言う。
「大丈夫、SNSとかには上げないから」
「それ……クラスのグループチャットにも上げないでくれよ」
と、言った。もしも仮にそんなところに上げられてしまうと、ただのイチャイチャアピールにしかならない。それに、俺が参加したのが未来と付き合ってからと言うこともある。
「分かってるって」
だが、そう言う三森さんはなんとなく危うげな感じがした。
「絶対にやめてくれよ」
「分かってるーってー」
「本当にか?」
「ちょっと、しつこいわよ」
そう、上島さんが割り込んできた。
「俺にとっては恥ずかしい写真だからさ」
「割ってる。この四人の中の秘密ってことで」
「ああ」
そして家に帰ると、しっかりと写真があげられていた。未来にも聞くが、未来が了承したようだ。これ、別の形ないじめな気がするんだが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます