「詩人から画家に転身した若い頃の話」

るいたにかげ

「詩人から画家に転身した若い頃の話」

かつての私は詩人をやっていた

詩は毎日書き

ハンドメイドの詩集を4冊作った

小説も書いていて

活動期間の約3年間で短編中編あわせて

40作品位書いたと思う


何故やめたのかというと

理由はいくつかあるが

ひとつは非常に良くあたる占い師に

詩人としてやっていけるかと

聞いたところ

3年後にある理由により

だんだんと太陽が沈むように

描けなくなってしまうから

別の道を探した方が良いといわれた


その時の私は詩にとてもこだわっていて

詩だけでいつか生計を立てたいと思っていた

しかし、その占い師があまりにもあたる

本物の易者だったから

私は怖くなってその日から小説も

あわせて書くようになった

不幸なことにその占いは的中してしまった

3年後、私は非常に難しい

精神病になってしまい

活動をやめざるえなかった


もうひとつ理由はある

それは世界を放浪していた頃

エジプトのゲストバーで出会った

トランペッターの男に

子どもの時に何が得意だったのか

それを大事にするんだ

と言われたことだった


幼い頃から私は比較的絵が得意だった

文章は手ごたえがさっぱりだったこともあり

旅から帰ってきた私は

最後の小説を書き終えたのを最後に

きっぱりと書くことをやめ

画家に転身した


人生をかけて真剣に取り組んでいたから

複雑な思いもあり

今まで書いた原稿は全て燃やしてしまった

メモリーが入っていたパソコンも

粉々に叩き壊してしまった

そのくらい覚悟しないと

画家には転身できなかったからだ


だから今こうやって詩を書くことになるとは

不思議な気持ちで一杯だ

きっかけは長い友人の

世話になっている兄貴に

詩が面白いから絵と詩の

両方をやったら良いと言われたからだった


その人がただの普通の人なら

決して再び書くことはなかっただろうが

彼は将来プロデュース業をするという

夢があり、常々アドバイスもかなり

的を得ていたので

私も進められてなんとなくだが

こうやって少しづつ書き始めたんだ


まだやりだしたばかりだから

どこまで書けるかはわからないが

絵と詩と、欲を言えば昔やっていた

音楽もやりたいとぼんやりだが考えている


今、私は44歳

決して若くはないが

行けるところまで行ってみようと思っている

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