第6話 器
正直者の営業さんが、会議で月の目標予算について自由に意見を述べよと言われ真実を話し始めてしまった。
曰く4年で2回しか達成していない。
しかもその2回とも大口顧客が、たまたま買った月だけ。
と、そこで経営者が遮り
「お前は自分が出来ない事を棚に上げ予算が高いと言うのか!」
と一喝。
正直な彼も流石に察し、大口に頼らない営業をと方向転換。
当たり障りのない話に切り替えた。
彼は本当は根拠なき目標予算を現実的な目標に変更して欲しいと言うつもりで資料を作っていたのを知っている。
(ボスには根拠あるかも知れないが、誰も聞いた事はない、ちなみに資料は会議終了後、速攻でシュレッダーされていた)
少なくとも、うちの経営者は器が大きいフリはしたいが、実際は誰よりも器が小さい。
ちょっとした反対意見も執拗に潰す。
風通しの良い会社とかの言葉は好きだが、実際は隙間風が吹いている会社だ。
器が大きいフリをしたい人物を信じて真実を述べると社内的に死ぬ。
小説で偉ぶった小物が書きたければ、経営者か上役を思い浮かべるといい。
現実はザマア展開にはならないが……。
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