Ⅲ‐12 インタリュード

五月のある日/十一月のない日


 赤い 赤い 赤い 液が流れ

 黒い 黒い 黒い 闇を這って

 少女は壊れてしまった

 勝手に壊れてしまった

 少年のことは、もう見えぬ

 だから少年は少女を食べる

 だから少年は少女を食べる

 がぶり がぶり がぶり

 うをお うをお うをお


 緑 緑 緑 コード跳ねる

 黄色 黄色 黄色 神経網

 少年は犯されて死んだ

 見ず知らずの相手だった

 初恋の人は、もういない

 だから少年は自分を毀す

 だから少年は自分を毀す

 ぼきり ぼきり ぼきり

 あをう あをう あをう


 みんなが毀れていなければ

 あの子たちだけが毀れてる

 みんなが毀れているならば

 あの子たちだって同(おんな)じだ


 青い 青い 青い 空の下で

 白い 白い 白い 雲を見上げ

 わたしは毀れてしまった

 勝手に毀れてしまった

 あなたのことは、もう見えぬ

 そしてあなたはわたしを知らずに

 だからわたしもあなたを知らずに

 きえる きえる きえる

 ゐをゑ ゐをゑ ゐをゑ

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