Ⅱ‐5 言葉
温もり/半円形
あ
そら
ぴかり
くるった
ものたちが
ぼうととかす
しがおとずれて
としがあかくそまる
えいえんのあしおとが
またとおざかってしまい
みらいはあなたのうしろで
うぶごえをあげることも
あかるくわらうことも
しることなくさって
せんしゃのような
いしにかえり
はれつして
こなごな
やみが
おり
む
腐乱/新鮮
いまどき猫いらずを飲んで死ぬとは
あなたはなんて気取り屋なんだ
本当は長く長く舌を伸ばして
あの空をぺろりと嘗めたかったのだろう
あなたのお通夜はとても静かで
はしゃぐ子供も、憎しみ多いエリシャもおらず
曇天だったので当然、星だって見えず
その向こうにあるあの空をあなたからひた隠した
数日後、あなたは焼かれ
煙に変わって憧れの空に上って行った
あの空はあなたを受け入れて、あなたを天国に導き
わたしの何気ない想いがあなたの魂を天と地の二つに引き裂いた
人の想いはいつだって勝手なもので
林檎の味かしたり、梨の味がしたり
無花果の味がしたり、毒人参の味がしたり
サクランボの味がしたりする
やがて、それがゆっくりと無味無臭になって
やっとあなたは一つに戻れる
だけど本当に無に還れる日は、遠く、とおい
茫漠/端麗
どれだけ書き込んでもノートは言葉を飲み込んで行く
絡み合った肉体は太陽のように固まって
わたしをあなたから遠ざける
あれだけ抱き合ってもベッドは想いを逃がしてしまう
睨み合った双眸は楽園のように流れ出し
あなたをわたしから薄れさす
溺れているのは、わたしの頭の中のあなたの世紀
呻いているのは、あなたの心の外のわたしの生気
どれだけうろたえてもノードは刺激に撃たれてしまう
笑い合った口許は冷原(ツンドラ)のように燃え滾り
ふたりをひとりへと解き放つ
唱っているのは、すでに壊れてしまった永久機関
黙っているのは、天空の意思に拉致されたあの日
烏合/待合室
会った 行った 売った エッダ 追った
買った 切った 喰った 蹴った 凝った
去った 知った 吸った 競った 反った
発った 散った 攣った 照った 撮った
鳴った 縫った 煉った 乗った
張った 振った 減った 彫った
舞った 漏った
ヤった 結った 酔った
割った
「どうやって、こんなんにリズム付けんだよ」
と眠そうにタオ。
「わたしが歌えばいつだって出来てんじゃん」
と愚かにわたし。
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