04・大空翼はヤバいやつ!?

 世界で大人気であったはずの『キャプテン翼』が連載終了した。

 前回のエッセイでは、その主人公・大空翼の師匠であるロベルト本郷について語った。


 では次は、その大空翼のキャラクターについて語って行こうと思う。


 大空翼は、幼馴染である中沢早苗と結婚する。

 そして、20年以上前に描かれたお話ではあるが、双子の男の子を儲けて、それぞれ『疾風はやて』と『大舞だいぶ』と名付ける。

 直近のキャプテン翼では、設定が変わっているのかもしれない。


 いちサッカーファン・キャプテン翼ファンの私からすると、

「うんうん、翼のドリブルってハヤテのようだもんな!」

 と思う一方で、

「サッカー選手の息子の名前がダイブ???」

 と思わずにはいられない。


 わからない方に言うと、『ダイブ』というのは、身体の接触がないのに、わざと大げさに転んでファウルを貰うという、一般的にはとても酷い・醜い・情けないプレーなのだ。

 場合によっては、レッドカードを出されることすらある、卑怯な技である。


 南米では、これを『マリーシア』と呼んで、『サッカー巧者』であると美談で語られる。

 ちなみに、このプレーの第一人者がネイマール選手である。


 しかし、欧州ではこれが起きると途轍もないブーイングがスタジアム中から巻き起こる。

 サッカー文化の違いではあるが、プレーのリプレー検証を行う『VAR』(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が導入されると、真っ先にこの『マリーシア』の文化が絶たれようとしている。

 わざと行う、起こすファウルが、現代サッカーでは使えなくなってきたのだ。


 余談だが、近年、サッカー韓国代表が弱体化している。

 これはVARの導入によって、彼ら独自の汚いプレーができなくなったからだと日本のサッカーファンの間では通説になっていたりもする。




 実は翼くんは身体にタトゥーを入れていて。

 これもわからない人に言うと、893の入れる『もんもん』である。

 これは海外の若者にはファッションの一種であると受け入れられているが、ここは日本である。

 日本の温泉では入れ墨が入っている人を基本的に入浴禁止にしているので、翼は怪我をしても、日本で湯治できないのである。




 そして、Yahoo!知恵袋から転載し、引用させてもらうと、


※※※※※



翼くんは正直キャプテンにあまり向いていないと思います。

カリスマ性や常に前向きなところはいいと思いますが、あまりにも優等生すぎるところがキャプテンに不向きだと思います。


翼くんって基本的に人に優しいですからね。そこがいいところだと思いますが、キャプテンとしては優しいだけじゃダメだと思います。

ときには味方を怒ったり、厳しい態度をとったりなどなど(例えばドゥンガ)。

ドラゴンボールでピッコロが「人に甘い悟空は師匠に向いていない」と言っていましたが、同じようなことが翼くんに言えると思います。

あと、カリスマ性なら翼くんをはるかに上回っている神様ペレは意外にも代表でもクラブでもキャプテンになったことがないです。チームメイトいわく「ペレはキャプテンではない」とのこと。カリスマ性とキャプテンとは必ずしも一致しないと思います。


翼くんよりは松山のほうがキャプテンに向いていると思います。ただ、松山は日向などをまとめあげられなかったことがあるなど適任でもないと思います。

松山よりは三杉が向いていると思います。ただ、彼のネックはフル出場できなかったことでしょうね。


一番向いているとは若林だと思います。能力は文句なしですし、冷静さと熱さを併せ持つ性格も向いていると思います。



原文ママ


※※※※※



 タイトル、全否定である。



 翼は、自分と同等、もしくは友人と思っている人に対しては「くん」付けをするが、自分よりあきらかに下だと思っている人は「呼び捨て」にしていたりもする。


 また『ボールは友達』と言いながら、そのボールをフルボッコに蹴ることはよくネタとして知られているし、ときにはそのボールをキック力で破裂させていたりもする。

 理不尽な判定に味方が憤ると、「俺たちのこの怒りは、ボールにぶつけよう」とかも言ってしまう。



 こうして見ると、翼は『サッカーバカ』ではなく、ただの……



 あと、基本的なことではあるが、翼の必殺技に『彼のオリジナル』は、ほぼない。

 ドライブシュートも、オーバーヘッドキックも、ヒールリフトも、バク宙キックも、スカイウイングシュートも、サイクロンでさえも。

 かろうじてツインシュートがあるくらいだろうか。


「他の人にはできて、翼にできない技はない」

 のが公式設定であるのだから、これはまあしょうがないか……

 でも、他のキャラが心血注いで開発した技を、翼がその試合中にコピーするのは、なんだか哀れですらある。

 これで、翼は敵の心をへし折ってしまうという酷いやつでもある(ピエール……)。




 個人的に思うのは、翼は熱いやつである。

 でも、なんというか。それに感化されないやつに対しては、相当に厳しいやつでもあると思うのだ。

 すごい、仕事に情熱をもって。引っ張っていくリーダーっぽい人って居るでしょ?

 でも、そういう人って、冷めた人からは少しウザがられることも多い。


 情熱には情熱で返したくなるのが人間の情で。

 それと同時に、同じことをしていても、同量の熱量を持っていない人と作業を行うのは苦痛が伴う。

 しかし、大空翼の情熱ってやつは、世界中の人を巻き込んでいるのだ。

 地球規模で、少なくとも5億人は翼の情熱で動いている。


 だから、やっぱり大空翼というやつは、一般常識が少し足りなくて、性格がけっこうヤバくて、サッカーのキャプテンに向いていないかもしれないけど、地球規模のリーダーではあるのだ。




 もし、サッカー星人が攻めて来て。

「地球代表のサッカー選手と、覇権をかけて勝負だ!」

 と言われたとすると。

 私は、世界の命運を翼くんに託すんだろうなあ。


 そのまえに、

「ウチの星のサッカー代表は、コミックスの中に居るので。勝負がしたければ、まずはそれを絵の中から出してください!」

 と、一休さんのような真似をしなくちゃならんのだけれども。

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