31・『メッシ1世』戴冠

『バロンドールの呪い』がついに消えました。

 アルゼンチン代表が、前年度受賞者リオネル・メッシが優勝したからです。


 彼のデビューくらいから、バルセロナの試合は見てきたと思います。

 初めて存在を認識したのは、バルセロナ特集の雑誌で『バルセロナもカタルーニャだけでは成り立たない。なぜなら、カンテラ下部組織のエースはアルゼンチン人のメッシーだからだ』と書かれていたときです。

 当時はまだ日本では『メッシ』ではなく『メッシー』と表記されていました。


 はっきりと試合を観ているのを覚えているのは、クリスティアーノ・ロナウドがレアル・マドリーに移籍してきてから。

 そのあとのエル・クラシコ(レアル・マドリーvsバルセロナ)は全部見た記憶があるからです。

 クラシコでは守備に奔走する珍しいメッシが見られました。


 これでGOAT史上最高問題も、ペレ、マラドーナ、メッシの三者に絞られます。

 メッシはその能力の割にPKが下手だと言われてきましたが、この重圧のかかる中で2本も決めるとは!

 3本決めたエンバペもものすっごいです!




 試合としては、ディ・マリアを代えたところで流れが一気に変わりました。

「ここで、代える?」と私は疑問に思いました。

 負傷明けとはいえ、実質ディ・マリアが創っていたゲームのはずです。

 アルゼンチンは自ら主導権を渡してしまいました。


 エンバペは56年ぶりの決勝戦ハットトリックだそうです。

 もちろん負けたのは初めてのはず。

 そこに、敗者はいなかった。

 PKというのはなんでこんなにも残酷なんでしょう。


 このレベルの試合を観たのは代表では初めてです。

 クラブレベルでも、2005年のCL決勝、ACミランvsリヴァプール。

『イスタンブールのアレ』、以来です。

 日本もベスト16には行きましたが、このレベルの試合に日本代表が追いつけるのか? と本気で思いました。

 メッシが守備するレベルですもん。




『22人の男が走って、最後はドイツが勝つ』

 名古屋グランパスにも所属した、ガリー・リネカーは言いました。

 強豪国はグループリーグは流して、ベスト8からが本気。

 しかし、そのドイツは二大会連続グループリーグ敗退。

 イタリアに至っては出場すらできていない。

 サッカーの質が変わって来たんでしょうね。

 外国の選手は胸がポッコリと盛り上がって、技術だけではなく、もうフィジカル的にも優れていないと活躍できない。

 サッカー選手のアスリート化が本格的になってきました。




 リリアン・テュラムやジョージ・ウェアの子供が出てくる大会で、なかなかに感傷的にさせる大会でした。

 アスリートは世襲できませんからね。


 メッシが有終の美を飾った。

 それもジネディーヌ・ジダンとは違い、良い結末で!

 メッシはクラブレベルではまだまだ引退しそうにありませんが、良き大会でした。




 さあ、これからメッシの戴冠式が始まろうとしています!

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