26・サッカーゲーム

 ウイニングイレブン


「なんで日本人はサッカーがヘタクソなのに、サッカーゲームは面白いものが作れるんだ?」


 海外でそう言われていました。

 海外ではウイニングイレブンではなく、プロエボリューション・サッカー(PES)として発売されていました。


 発売された当初のマスターリーグというコンテンツにおいて、ナイジェリアのババンギタという選手が安価に買えて、スピード値がMAXでした。

 だから、今でも『ウイイレ』というとババンギタを思い出す人は物凄くいるとは思います。


『PESの自分の能力に納得がいかない!』

 そう海外のサッカー選手が言っていました。

 それほど『ウイイレ』はサッカー好きに受け入れられていた作品だったのです。


※※※※※


FIFAシリーズ


 これは初期はクソゲーでした。

 私もオリバー・カーンが表紙を飾るのを買ったことがありました。


『移籍市場がウイイレよりリアル』

 それでサッカー経営シミュレーションみたいなことができる、と書かれていましたが、CPUの試合を飛ばすことができずに、一試合7分くらいかかっちゃう。

 まごうことなきクソゲーでした。


 それが2013年頃でしょうか。

『FIFAの能力に納得がいかない』

 と海外サッカー選手が一斉に言い出したのです。


『よくチームメートとプロ・エボリューションサッカーをやっているよ』

 と言っていた海外サッカー選手たちが

『よくチームメートとFIFAをやっているよ』

 と言い出したのです。


 日本が誇る『ウイイレ』は圧倒的物量で追いかけてきた『FIFA』に負けたのです。


※※※※※


 プロサッカークラブをつくろう


 これはサッカークラブ経営ゲームです。

 もう10年くらい新作が出ていないのかな?


 あまりにも単純すぎる出来に『セガに入社したプログラマーなどは、一番最初に『サカつく』を作らされる』とまで言われた作品です。


 ですが、フットボールマニアというやつは、必ず人材コレクターの一面があります。

 自分のチームに好きな選手を集められるなら、集めまくっちゃいます。

 

 初期はJリーグだけでしたが、最近は海外リーグも対応しています。

 5のあまりの出来の悪さに客が一挙に離れました。

 ですが、ヨーロッパを舞台にした『EU』は隠れた名作です。私がPS2で一番遊んだゲームだと思います。


 右にメッシ、左にクリスティアーノ・ロナウド、センターにクライフ。

 それにパスを出すのはジダン。

 そういう脳内麻薬がモリモリ出るゲーム。


 ちなみに実際のチームでこういうことをやると、『リアルサカつく』とか『リアルウイイレ』とか言われます。

 実際やっちゃったのが、銀河系軍団のレアル・マドリードです。


※※※※※


 WCCF


 『WORLD CLUB Champion Football』というアーケードの対戦カード型サッカーゲーム。

 2002年6月に稼働開始したこのゲームは、フィールドを模した盤面に、選手のカードを並べることによって選手のポジションが決まる。

 他のゲームが1プレイ100円であった当時、1クレジット(1試合)300円、2クレジット500円、4クレジット1000円と破格のプレイ代金であったが、爆発的にプレイ人口を増やし、流行した。

 少なくとも10年間は、アーケードゲーム界の覇者であったはずである。

 2019年3月に『WCCF FOOTISTA』と名前を変えて、リニューアルされたが、そのゲーム性と、カードをその場で印刷するプリンターのミスプリント等、あまりの出来に顧客がほぼすべて離れ、わずか3年でゲームセンターから撤退を余儀なくされた。

 今では『WCCF』のカードはコレクター商品として価値が出ている。


 ちなみに、元阪神タイガースの左腕エースであった井川慶投手は、このゲームのオンライン・データ・モードでだが全国大会に行っている。


 小説・あとがきより抜粋。


 これはセガさんから出たゲームでした。

 オフェンス・ディフェンス・テクニック・パワー・スピード・スタミナの6つの項目がそれぞれMAX20で数値が付けられて、数値が高い選手ほど価値があるというものでした。


ためしにジネディーヌ・ジダンなんかは


オフェンス:18

ディフェンス:10

テクニック:20

パワー:18

スピード:15

スタミナ:16


トータル:97


という化け物仕様でした。

このジダンのカードは排出当初オークションで20万円の値が付いたのです!


リオネル・メッシなんかは


オフェンス:20

ディフェンス:8

テクニック:20

パワー:16

スピード20

スタミナ:16


トータル:100


 トータルは最高で98というのが暗黙であった中、メッシさまはそれを軽々と越えていくのでした。




 私は、『calcio2002』という雑誌に、元ブラジル代表のカカーが付録で付いてきたときに「これって何に使うんだろう?」と興味を持ってゲームセンターに行ったのが始まりでした。

 当時、私は携帯電話も持てないほどの貧窮の中、このゲームにハマってしまうのです……


 当時2万円もしたジダンのカードを購入し、いざプレーしようとすると、すぐにそいつはやって来ます。


「あ、ジダンのカード。良いね。でも、こっちのが良いカードだよ。交換してあげるよ!」

 それはMVPのパヴェル・ネドヴェドのカードでした。

 当時、1万4000円……


「なんで、トレードしないの!? こっちのが良いカードなのに!」

「損するよ、絶対!! あとで絶対後悔するよ!?」

「じゃあ、一日だけで良いからジダン貸して!!!」


 シャーク、鮫トレードと言われる悪質なそれを持ち掛けてきたのは、高校生でした。

 生きていれば、30を越えていることでしょう。

 今ごろ、何やってるのかな~。




 WCCFのカードは今ではコレクターアイテムとして価値が出ていて、ヤフオクやメルカリなどを賑やかしています。

 おそらく『WCCF ゴールデンガン』と入力すれば、今でもMVPクリスティアーノ・ロナウドが20000円近くでゲームでは使えなくなったのに売られてるんじゃないのかなあ。

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