25・素行・悪童
さわやかな顔と、語り口で解説する、元日本代表ボランチ・福西崇史さん。
彼のプレースタイルは、『さわやかヤクザ』といわれるものでした。
サッカーにおける狡賢さ、『マリーシア』を「福西だけは日本人で持っている」とブラジル人に言われるくらいです。
審判に見えないところで小突いたり、足を踏んだりします。
すごいのは、ときにはパンチを繰り出して、敵を物理的に封じ込めるところです。
もちろんレッドカード相当です。
現役最後も退場でした。
海外では、もっとすごい人がいます。
敵を怪我させることに生きがいを感じるようなサイコ・パス。
マンチェスター・ユナイテッドの元主将、ロイ・キーン。
彼が今をときめくアーリング・ハーランドの父、アルフ・インゲ・ハーランドに対して行った飛び蹴り。
あれはすごいです。
2002年日韓ワールドカップの韓国。
対イタリアを見ればわかるのですが、倒れているイタリア代表主将、マルディーニに対し、韓国代表、イ・チョンスがその後頭部を思いっきり蹴っています。
ザンブロッタに対しては後ろから、スパイクを突き立てるようにスライディングタックルし、ザンブロッタは退場。
カードは出ませんでした。
日本では森勇介という選手がいました。
抜かれた相手に対し肘打ちで顔面を強打したり、給水ボトルを蹴っ飛ばしたり、表彰式にガムを噛みながら臨んだり。
付いた仇名が『
一時期ネットスラングで『
あれの森Verが『MQN』というわけだったのでした。
サッカー界には『悪童』と呼ばれる選手も多いです。
まずはディエゴ・マラドーナ。
彼が早逝したのは、若いころからの薬物問題、身体造りのための薬剤投与、痩せるために使った痩せ薬等、オクスリ問題と切り離せないと言われています。
ペレも、ブラジル中に隠し子がいて、ジーコより尊敬を受けていないと言われています。
イングランドからは、ポール・ガスコイン。
1990年のイタリア大会で活躍した彼は、『ガスコイン=酒』と言われるほどにアルコール依存症に陥ってしまいます。
昔の日本では、サッカーの教材はガスコインのビデオくらいしかありませんでしたから、懐かしい人も多いと思います。
スウェーデンのズラタン・イブラヒモビッチ。
未だ現役の41歳の彼は、幼い頃は自転車泥棒が日課でした。
ビッグ・マウスで自身を『神』に例え、その強烈なエゴ・リーダーシップは昨夏、若いチームをセリエA優勝へと導きました。
フランスのエリック・カントナ。
気難しい彼は、散々煽って来た敵チームのサポーターに対して飛び蹴りを喰らわせます。
1994年のワールドカップ予選で敗退したあと、フランス代表監督はジネディーヌジダンにすべてを賭けることに決め、カントナに戦力外通告を出します。
監督曰く、「人生で一番恐ろしかった瞬間だった」とのこと。
ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウド。
彼も濡れ衣ではありますが、強姦事件を起こしたと何回か提訴されています。
自分の鍛え上げられた体にウットリする、度を越えたナルシシスト。それもまた、悪童かもしれません。
北アイルランドのジョージ・ベスト。
『5人目のビートルズ』と例えられた超人気者の彼はアルコール依存症でした。
今を先取る、ウイング・ストライカーであった彼は、天衣無縫のテクニックで右サイドを席巻しました。
マンチェスター・ユナイテッドの7番が特別なのは、彼から始まったと言われています。
酒のために実質的なキャリアが20代前半で終わってしまい、彼が引退した直後に北アイルランドはワールドカップ出場を果たすという皮肉な結果に終わってしまいます。
一番悲惨な選手は、イタリアのルチアーノ・レ・チェッコリーニという選手です。
「ちょっと驚かせてやろう」と彼は冗談のつもりで宝石店に行って「強盗だ!」と言って、拳銃を向けます。
彼の『見事な演技』に騙された店主は、とっさに護身用の拳銃で発砲。
チェッコリーニは、悪戯で命を失ってしまうという、ダーウィン賞並みの最期を遂げてしまったのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます