21・万能と一芸特化

 これは個人的な感想になります。


 万能のフォワードと、一芸特化したフォワード。

 どちらが、厄介か。です。


 私自身は、いわゆるポリバレントな選手でした。

 便利屋とも言えるかもしれません。

 ウイングと、ゴールキーパー以外は、やったことがあります。

 その分、体格にも、技術的にも、パワーも、スピードも並でした。

 県トレセンに何回か行ったことがある程度です。

 自分と同じくらいの能力だなあ、と思っていた子は大学を経てJFLの選手になりました。その子は180cmを越えていたので、体格も才能のうち、ですね。


 それで対峙したときに嫌なフォワードは、一芸特化した選手でした。

 平均的なレベルがある程度くらいのフォワードは個人で潰せます。

 少し高いレベルでも、連携で抑えられるでしょう。

 一方で、全体的に非常にレベルが高いフォワードは、本当に厄介です。


 では、それでもなぜ一芸特化したフォワードが嫌なのか。

 

 衝撃!


 そのひとことです。


 裏にボールを出されたときに、『ヨーイ、ドン!』で勝てない相手にはまったく勝てません。

 歯が立たないとでも言うのでしょうか。

 一方的に蹂躙される、その感覚。

 試合中に心が折れてしまいそうになります。


 敵のコーナーキックからセンタリングがあげられ、自分がジャンプし最高到達点だと思ったら、その頭二つは抜け出す長身&跳躍力の持主のフォワード。

 そのときは、相手が影になっているのがマジで見えました。

 敵フォワードに太陽が被って後光が差したあの瞬間を、あれから何年経とうとも忘れ去ることはできません。




 低いレベルの話ですが、一芸特化したフォワードは、相手ディフェンスに絶望感を覚えさすのです。

 本当に、対戦するのがトラウマになっちゃいます。

 そのストロング・ポイントを抑えりゃいいじゃないかという話にもなってきますが、それができたら優れたディフェンダーなぞいらん!

 それで止められないから、一芸特化!



 元ブラジル代表のロナウド。

 彼はテクニック・パワー・スピード。すべてが超一流でした。

 歴代ベストイレブンである『バロンドール・ドリームチーム』にも、ヨハン・クライフを抑えてセンターフォワードに選ばれています。

 これくらいのレベルになると、もうディフェンスは笑っちゃうしかないと思いますよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る