05・キャプテン翼の功罪
キャプテン翼。
高橋陽一先生によるサッカー漫画でシリーズ累計7000万部を売り上げています。
最近の方は
「頭身!」
「荒唐無稽!」
と笑う人々も多いのですが、そういう方は一番最初の『キャプテン翼』を読んで頂きたい。
素晴らしいサッカー物語なんです。
小学生編では、日本の頂点へと登り詰める大空翼を描いています。
中学生編では国内では絶対王者となった翼に対し、ライバルたちが挑んでいくさまが描かれています。
Jrユース編では、その日本国内のライバルたちが勢ぞろいし、オールスターで海外の強敵と戦っていきます。
「自分が30年かかったのを、キャプテン翼は2年でやってしまった」
サッカー教室を営んでいたセルジオ越後氏はこう言います。
日本に、これまでなかったサッカーブームが起こるのです。
その熱は『Jリーグ』開幕と被り、中田英寿、小野伸二などの黄金世代が結集し、2002年の日韓ワールドカップで結実します。
罪もあり、日本国内の才能がすべてミッドフィルダー、特にトップ下と呼ばれる大空翼のポジションをやるようになり、他のポジションが手薄になってしまいました。
これを打破するために高橋陽一先生は『ストライカー陣』という連載を始めますが、打ち切られてしまいます。
海外ではもっと人気が激しいです。
『オリベル・イ・ベンジ』(翼と若林)というにアニメが放映され、海外でもこれを見てサッカーを始めたという選手が多いです。
ジダン、デル・ピエーロ、トッティ、ガットゥーゾ、ザンブロッタ、カフーなどが著名人ですね。
カフー
「日本のグラウンドは地平線が見えるのかと思った」
ガットゥーゾ
「俺は石崎がお気に入り」
ザンブロッタ
「岬に憧れて背番号を11にした」
1998、2002、2006年くらいのワールドカップで活躍した選手たちはいずれもキャプテン翼を見たことがあるようです。
一方でイングランドでは放映されていません。イングランド代表が低迷したのはこれが一因ではないか、とも囁かれています。
主人公の大空翼は、今ではスペインのバルセロナ所属です。
ライバルのレアル・マドリーの会長が
「なぜ、翼をレアルに入れなかった?」
と嘆いた話があります。
今、バルセロナは深刻な危機にあります。
借金が1500億円あるそうです。
イタリアのパルマが破産したときは借金200億でした。
翼くんが本当に、バルセロナに所属していたら、メッシのように放出されていたのだろうか?
フィクションながら、そんなことを考えてしまいます。
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