EX1・日本vsドイツ

前半で勝負が決まってしまう可能性もありました。

前田大然選手のゴールは完全なオフサイドで喜ぶ気も起きない。


攻守の攻防は右サイドが主。

左サイドの久保選手は羽毛のように軽く、現代サッカーでは技術よりフィジカルであることを思い知らされました。


前半を0-0で終えたらチャンスはあるかも、と思っていたらPK.

しょうがありません。完全に右サイドを抜かれていました。

ここで権田選手がDOGSOで退場しなかったどころか、警告すら出なかったのが大きい。

ドイツは猛攻を仕掛けてきますが、綺麗に崩すことを考えてか、ミドルシュートが少なかった。

ある意味、数年前までのアジア相手の日本代表を見ているかのようでした。


というか、この試合の審判は全然カードを出しませんでした。

これが後半、日本が守備を固める上で、相当に活きてきた気がします。




後半の日本のメンバー交代が、ものすごく効いていました。

特に3バックというか5バックが効果的。

5人でせめてくるドイツ相手に守備が安定しました。

そのせいか、セカンドボールをドイツに拾いまくられた前半と比べて、日本が中盤でも安定してきたように見えました。

遠藤航選手がメチャクチャ輝いて見えました。

そしてやはり三笘選手です。

死んでいた左サイドが活性化しました。


ゴールしたのはどちらも途中出場した堂安選手と、浅野選手。

森保采配がズバリです!


カードが出ていないため、日本は積極的に守備に行けました。

躊躇することなくタックルを仕掛けられました。

PKこそ取られたものの、相当に審判に恵まれました。




26名に増えた登録選手枠。そして5名に増えた交代枠。

この26名の日本代表を選べるようになった日本のサッカーの浸透度。

それを森保監督の戦略。

そして、この試合で効果的な交代をおこない、それに答えた選手たちと森保監督の戦術。

今まで日本にはジョーカーと呼べる選手は少なかったですが、この試合では5名全員がジョーカーでした。


1980年代からはじめたトレセン制度、Jリーグ開幕、ドーハの悲劇、ジョホールバルの歓喜、日韓ワールドカップ等で日本を導いてきた方々。

キャプテン翼を描いた高橋陽一先生。さわやかサッカー教室を開いてきたセルジオ越後さん。少年サッカーを指導してきた、名も無き指導者。

草の根運動や、サッカーを浸透させて裾野を広げてきた人々。

そういう方たちによって子供がサッカーに魅入られ、またその子供の世代がサッカーを始める。

日本のサッカーの循環、すべての勝利です。


日本のサッカーに興味を持っている人々、すべての勝利。

この試合を奇跡とかジャイアントキリングのひとことで片付けてしまうのは、あまりにも簡単すぎると思いました。

失礼すぎます。


日本のサッカーの大義名分、戦略、戦術、補給が効果的に行われた結果です。

もちろん、運も相当にありますけどね。




現実で、大空翼がカール・ハインツ・シュナイダーに勝った。

日本サッカーの父、デットマール・クラマーさんはあの世で何を思っているのでしょうか?


でもまだ1勝です。

連敗すればこの勝利も無駄になります。

あと2試合、気を引き締めてやって欲しい。

勝って兜の緒を締めよ、ですね!

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