Dさんの話
「私、同棲してる彼がいるんですけど、その彼と結婚の話が半年前に出たんですよ。それでメインの仕事だけじゃちょっと…て感じだったので、スキマ時間でサクッと稼げるように鍵付きの個室があるネットカフェでチャットレディを始めたんです。」
今回はDさんという女性からのご依頼で窓の大きな素敵なカフェで話し始めたのだが、どこか落ち着きがなく、話している時も視線を彷徨わせている。
「二ヶ月ぐらいしたら、私がログインするとツーショットチャットに毎回誘ってくれる方が現れたんですよね。明らかにモテなさそうな感じの男性だったんですけど、その方は何時間も話してくれるし、ツーショットだと単価も高くなるのでお話ししてくれるとありがたかったんですよね。ログインした時は毎回お誘いしてもらってツーショットチャットで話してたんですけど、ふと、その人が話してる空間に目がいったんですね。そしたら前回と壁紙が違う色だったんです。あれ?お引越しされたのかな?て思いつつもスルーしたんですけど、それから毎回話すときに壁の色が変わってて…。あと、何故かお話ししてる時に毎回壁を一回叩くことに気づいたんですよ。不思議に思いつつ、毎回話し続けてたんですけど、この前再び話してた時もまた壁を一回叩いてたんですよ。
そしたらこちらも隣のブースからドン!て聞こえたんですよね。一瞬の沈黙の後に、彼がドンドンドンドンドンドン!! て壁を叩くんですけど、やっぱり隣から壁を連続して殴る音が聞こえてきて…。
その後は彼に迎えに来てもらって家に帰ることができました。でも、彼氏にチャットレディのことがバレちゃって、同棲解消することになっちゃったんです…。それで、私が出ていくことになったんですけど費用がかかるので…チャットレディ、辞められないままで
す…。」
そう話す彼女は、自嘲気味に笑いながら外に視線を移したが、その視線の先にモテなさそうな男性を見つけると、急いで視線を逸らして一言も話さなくなってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます