第7話 あのお菓子、最近見んけど……どうしたろ?

 みずいろ・ハワイー、グリーン・ライミーと二人の魔法少女を割とガチ目に凌辱し、残すはピンクのみとなったが……。

 ライミーで張り切りすぎたせいか、ピンクにしたいことが、あんま思いつかない。

 とりあえず壁にX字拘束してるが、何しよっかなーと、適当に金属魔法でこしらえた椅子に腰かけ、ピンクを眺める俺。


 ……この椅子で殴るか? いや、普通に暴力なのはちょっと……。

 あと、この椅子、気持ち程度にしか角を丸めてないから、かすめただけで怪我すると思うし。

 俺のこの椅子、今、背もたれとか無いけど、背もたれとか諸々足して「はぁ、だりぃ」と♪倒れるだけで腹筋ワンダー□ア〜と笑いをこらえながらピンク魔法少女を見たところで、こいつは絶対笑わないだろうな、状況が状況だし笑うわけないなと、脳内妄想に俺はため息をつく。


 一人だけ放置プレイってのも、なんか可哀想だし、マジでどうしよう。

 いや待て、魔法少女を閉じ込めてる当初の目的を思い出せ。

 そう、ピンク魔法少女の名前を聞かなきゃ!

 ……口を開けるのもだるい。テレパシーとかできたりしないかな?

 とりあえず「ちくわ大明神」と念を送ってみる。

「何いってんの、お前」

 返答が口頭で返ってきた。

よし、この調子で名前を聞く念を送ろう。


「What's your name?」

「さっきからふざけてんのお前?」


「I'm so serious」

「ずっと英語で話す気?」


「Um……What do I call you?」

「こっちの質問は無視?」


「Oh, sorry. But, If you tell me your name, I'll forgive you and free you……Not bad for you, isn't it?」

「……英語を話してること以外の内容がさっぱりなんだけど」

 ピンク魔法少女のCOに、思わず「え」と肉声が出る。


「そ、Sorryぐらいは分かるよね?」

 「え」で喋る意気を取り戻した俺は、肉声でピンク魔法少女に問いかける。

 ピンク魔法少女はそれに同意したものの、その後なにを言ったかが、さっぱり分からないと言う。


「一言で言うなら、さっさと名前を吐け、かな。

 ……正直、この椅子で殴ろうか迷ったけど、この状況を作った目的を思い出して今さ。

 ほら吐きなよ、それともこの椅子に殴られて吐きたい?」

 相当長く攻撃を受けてたのか、衣装ダメージが他二人と桁違いで、ほぼハイネックビキニと化してるピンク魔法少女。

 ……俺の貧弱パワーでも、椅子が椅子だから吐くどころか流血、いや、内臓出てもおかしくないかも……頼む、名乗ってお願い!


「……ピンキー」

 ピンキー……そんな名前のお菓子あったよね。最近とんと見んくなったけど……どうしたろ?

「じゃ、目的は果たしたから僕は帰るよ」

 なんかもう飽きてきたし。

 一応ピンキーに背を向けないようにワープホールを展開し帰ろうと思ったが、この際「Oh, sorry.」のあとの英語の正解も解説しておく。

「ちなみに『Oh, sorry.』のあとの英語で大事な部分を日本語にすると『君が名乗ってくれたら自由にしてあげる』だよ。

 僕はこう見えて有言したら実行しなきゃと思うタイプだから、今回は見逃すけど……次は君を、あの二人みたいにペロペロぐちょぐちょしてあげるから楽しみにしてて」

 そう言ってウィンク決めて、ジャングルジムの魔物化を解きながら俺は帰った。

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