第2話 初出勤! ……は向こうから。

 世の中クソだなと、某キャベツ刑事よろしくボヤいてた童貞ヒキニートの俺が、魔法少女の美男敵幹部になった。 

 変身後のビジュアルを考えまくるついでに、マジで幹部待遇か聞いてみたらマジだって。


 じゃなきゃ、前線に行くだけで最低時給の十倍なんて出さないってよ。

 新人に幹部待遇はブラックの特徴って、なんかで見たけど、魔法少女の敵組織が非合法ブラックじゃなかったら逆にビックリだから、そこ考えても無駄だな。


 あと、報酬は給与所得、事業所得、雑所得どれ扱いかとか、俺以外に魔法少女の敵はいるのかとか、いや、そもそも……

「魔法少女って実在すんの? ネットとかで話題になってるの見たことないんだけど」

「実在するさ。カメラには後でどんなに修正をかけたとしても、むしろ修正するほどボケた画像にしかならないし、

 イラストや動画がアップされたとしても広まる前に加護の魔法で、もみ消されるしで、決して人々の話題にあがることはないだけで。

 我々も同様さ。『見えんけれどもおるんやよ』ってやつ」

「わしら……俺らは妖怪かよ」

「殺しても死なないから間違いではないかもね。相応の痛みは感じるけど決して死ぬことはない。それが魔法少女と敵の宿命だよ」


「……しかし、魔法少女の敵になったはええけど、何すりゃええ?

 窃盗、いや、強盗とか通り魔化とか直球な犯罪は、普通にポリス沙汰やろし」

「あ、早速魔法少女が来たよ」


 黒妖精の言葉に「え?!」と驚き、黒妖精が見てる、今いる部屋で一番大きい窓の外を見る。

 西日が降りてきて、障子閉めてるから下半身のシルエットしか分からんけど、

 あの浮遊感、にも関わらずスカートと思しき三人組……あれは魔法少女じゃなきゃ説明つかない……!


「おい、妖精! 魔法少女の敵って、なんか異能力で直接戦うん? それとも、でかめの敵を作ってけしかける系?」

「キミは幹部だから、どっちも出来るけど、どっちにする?」

「選べる?! さすが幹部……! じゃあ異能力で直接パターンを、てかまずテレポートとかワープの類って使える? 障子とか開けて出撃は、いくらなんでもダサいし手間だし」

「魔法少女と戦う上で、幹部に不可能は少ないよ」

 よっし! じゃあ、魔法少女の背後へ、レッツゴー!


 ワープホール越しに魔法少女の後ろ姿を眺める。

 左からライトブルー、ピンク、ライトグリーンか。

 青と緑って日本語だったら青でまとめられちゃう色やけど、ええんか? ええんやろな。

 はー久しいな……後ろからミニスカの女の子眺めるの、しかも、魔法少女、俺はその敵。

 なら……と、ワープホールをまたいで、ある決意を固める。

 拘束して思う存分触ろ。


 ベランダの金属製トップレールを魔法で自在に伸縮・派生させて操って三人の手首をくくりつけ、

 足首にはΛラムダ字開脚を強いる拘束棒付きの、足枷をくれてやる。

 ……やってること、おま俺なあの子と大差ないなぁ。だって俺、イケメンになる前から女の子大好きだし?

 Honeyもとい姉さんや母さんからすら嫌がられるぐらい、女の子の身体をつけ狙うし?


 それにしても……ピンクの魔法少女がスパッツ・ショートパンツ系って珍しいな……スカートみたいなシルエットと思ってたら前かけ部分が無かったんよ……。

 俺がショートパンツな魔法少女・変身少女って聞いて、パッと出てくるキャラが少ないだけかもだけど。

 しかも、このスパッツすっごいツルツルすべすべで、いつまでも触ってたいけど……他の二人も構ってあげないと可哀想だろ?


 お、ブルーの子、パンツと思いきやレオタードタイプ? いいねぇ、俺、レオタードにプリーツミニスカの変身少女の水色リボンの子、大好きなんだ。

 あの子の水着回は最高オブ最高だし、実写ドラマ版の闇堕ち形態も発案者にすごい賞を与えたいって、あの子を思うたび思ってる。

 ……もしかして、この下ノーパン? なんか染み出してきてるんだけど……?

 ……! マジだわ、マジノーパンだわ……。

 指についたマジノーパンの証拠を舐め取り、ずっと放置プレイだったライトグリーンの子の背後に回る。


 まずはスカートの中を拝見……ん?! こ、これは、幻の、旧ドロワーズ?!

 排泄のために、また部分・乙女の大事な部分がオープンになってるという、あの?!

 こんなカタチで直接見れるとは……魔法少女の敵になってよかった! 内心は某クイズ番組でコロンビアと答えて優勝した、あのガッツポーズ!

 生モノを拝めて、生えたモノもそそり立つ……!

 そういえば、今まで、魔法少女の下半身ばっかで上半身触ってなかったや、とライトグリーンのおっぱいを下から持ち上げる。

 おお、なかなかの重み……! ノーブラ、ノーニプレス!

 私はキミの未来のクーパー靭帯が心配です!

 こっちのズボンも前開きだったら絶対入る、出し入れする、ていうか、ズボンの前開けてないのに、もう腰が止まんない!

 あっ、この感じっ、来る、出る!


 ふぅ…………。……あー、これが賢者タイムってやつ? とりあえず帰ったらパンツ洗わなきゃ。

 今何時だっけ? と思った矢先に家のタブレット端末のアラーム音が。

 うぉ、もうお米洗う時間じゃん!

 パンツとお米、どっちから洗えば……パンツやろ、ここは!

 さすがに股間気持ち悪いまま、お米洗いとうないわ!

 あと、確か今日お風呂の日だから、パンツ洗うついでに浴槽にお湯入れとこう。

 あー、忙しい忙しい! あ、ワープで帰る前に、魔法少女の拘束解くのも忘れずにね。

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