1章 9話 暗躍する者達そして初ダンジョンへ
武はナイフとフォークで肉を切り分けて食べている途中にふとチームの仕組みについて聞いてみた
「そういえばチームって、何人からチームって決まりがあるんですか」
「そうですね何人からって決まりはありませんが、大体2~5人規模がチームとして見られる傾向がありますね。人数の規模が大きければ大きいほどそれはチームから変わり、クランと呼ばれる一種の大規模人数のチームができます」
「なるほど」
「というか敬語やめませんか武さん」
「え?でも俺にとって天津さんはレイダーの先輩ですし」
「いいよそんなの気にしなくてもう私達仲間ですよ。私のことは姫菜と呼んでください」
武は天津にそう言われて確かに仲間になった相手に敬語は堅苦しいと思っていたので天津の提案に乗ることにした
「わかったよ姫菜」
「私も敬語をやめるからよろしく武君!」
武は天津の笑顔と綺麗な青髪に思わず見とれていた
「あの武君…?どうかした?」
「えっ…ああ別に大丈夫だよ姫菜それで明日から早速1層に潜ろうと思うんだけどどう?」
「そうだね武君はまだダンジョンを体験してないからね」
「ああ俺は東雲さんに実践訓練でレベル上げを見てもらったから戦闘の方はだいたい掴んでるから後方で姫奈は回復をお願いしたい」
「分かったそういえば武君はレベルいくつなの?」
「ああ知っておいた方がいいよな俺はE級のレベル11だ」
「初日からレベル10代って結構すごいよ」
「そうかな…最後は東雲さんに手伝ってもらって何とも言えないな俺はレア魔物に一度負けた」
「しかも初日からレア魔物っていくら才能がある人でもまず勝てないよ」
「うん…俺も勝てないとは思った。でも強いやつに勝たなきゃいつどんな時に自分より強い敵に会うか分からないだからその時に勝てる力がないと自分を守れないし仲間も守れない」
「武君…すごくかっこいいよでも少しは仲間を頼ってもいいと思うよ」
「姫菜…」
「確かに私は攻撃できないどころか普通の剣での攻撃すらダメージが少ししか入らないので何とも言えないけど回復だけは私の取り柄だから武君をサポートしていきたい!」
武は天津のその言葉に自分が背負ってるものが少し軽くなった気がした
「分かったよ姫菜」
「はい!」
武と天津はそうこう会話しながら食事を楽しんだ
その頃奥深くのある洞窟で何者か達が会議を行っていた
「それでは報告会議を始めるまずは山藤報告を頼む」
すると袋を担いだ肥った体系で背も高い男が報告を始めた
「うい!依頼されてた任務でおでが潜入したウラール国の貴族たちは殺したよ報酬は当然この袋の中に入ってるからあとでお渡しするげふ」
「うむ次は麻川報告頼む」
「はい今日の昼辺りに新たな異世界人がイニーツィオ平原にて現れましたそこには例の最強の男東雲将真もそこにいただとか」
「新しく東雲がスカウトしてきたか報告ありがとう」
「なあ!!その異世界人強ええのかよ!!麻川」
一人の厳つそうな男がそう聞いた
「はあ…裏垣まだこの世界に来てそこまで時間が経ってないのよそこまで強いとは思えないわ」
「そうかよ…まあじっくり待つとするかそれにしても最近暴れ足りねえんだよ!」
「暴れる前にお前は今回報告することがあるんじゃないのか?」
「ん?別に何もねえよリーダー俺は生きたいように生きるそれが俺の中の格言だ」
「裏垣今週で何回目だお前のその悪い癖直せ」
するとそれに同調するように色気全開で胸やお尻のラインの露出が多い女が言い出した
「任務を放棄する裏垣君には呆れるけど確かに暴れ足りないわね私のお気に入りがもう壊れちゃったし」
「皆さん落ち着きましょう。我々は今資金が圧倒的に足りないのです。まずはそれに尽力して我々の理想とする世界に近づくのです」
次に眼鏡をかけた聖職者のような恰好をした男が周りを抑えるように言った
「岡崎の言う通りだ。我々はいずれ暴力と混沌の世界を創る。理想の世界のための布石に過ぎない汚れ仕事ばかりで申し訳ないがよろしく頼む」
「けっ!それより佐山、高円寺、三崎はどうしたよ最近見てねえが」
「そうね三崎ちゃんともう一度狩りに行きたいと思ってたのよ生きのいい男の臓器の解体ショーはあ♡…やりたいわあ…♡」
「佐山、高円寺、三崎はレイダー協会でレイダーとしての資金稼ぎと情報集めを行ってもらってる」
「レイダー協会…あの胸糞悪りい場所かそれにしても三崎の野郎とそんなことしてたんすね淀川さん」
「当たり前じゃない生きのいい男を解体するのは気持ちがいいわよ男の鳴き叫ぶ姿を見ててエクスタシーに浸っちゃうわよ♡どう裏垣君も今度やらない?」
「いや俺は男には興味はねえが女だったらいいっすよ」
「あら残念…でも女も捨てがたいわねさぞかしいい声で鳴いてくれそうね…♡」
「会話は一旦そこまでにしておけ裏垣、淀川」
「へいへいリーダー」
「つい夢中になっちゃってごめんなさいねリーダー」
「それで私達はこのまま汚れ仕事を続行すればいいのですか」
「ああ、お前たちはそのまま依頼を続けろいずれこの世界を手中に収めるために」
リーダーはそう言って会議を終了した
そして夜が明けると、武と天津はダンジョンに潜るためにダンジョンの受付へと来ていた。そこにはかなりの人数がダンジョンの受付で待っていた
「うわあ、すげえ人がいるな」
「いつもこんな感じかなレイダーは全世界で約10万人いるって言われてるからねその8割がこの無限迷宮の攻略にモンドタウンを拠点としているって聞いたことがあるね」
「へえ~」
すると受付の順番が武と姫菜に回ってきた
「おはようございます!本日はどの階層の攻略ですか」
「はい1層に潜りたいのですが」
「1層ですねそちらの方と一緒ですか」
「はい!」
「ではレイダー証の提示をお願いします」
受付のお姉さんは提示された武と天津のレイダー証を確認した
「はい神里さんと天津さんですねそれではあちらの部屋へとお進みください」
受付のお姉さんにそう言われて指定された部屋へと進んだ。部屋の中に入ると狭い個室に窓がない至って何もない部屋であった。しかし地面には不思議な魔法陣みたいなものがあった
「この魔法陣って…」
「ああダンジョンに入るにはこの魔法陣に入るしかないんだよね入るとダンジョンの中の入り口へと転送されるから」
「なるほど」
武と天津はその魔法陣の中へと入ると魔法陣が紫の光を出し、周りがその光へと包まれたすると
一瞬にして薄暗い場所へと転送された
「ここが1層のダンジョン内部…」
「そう1層エントランスって呼ばれるダンジョンよ。それぞれの階層のダンジョンによって名称があるの。ここはダンジョンの入り口にちなんでエントランスと名付けられたって聞いたことがある」
「なるほど」
武と天津はそのまま進行方向を真っ直ぐ進むことにした。この空間のダンジョンは薄暗いがところどころ火が点々とついており、特段見えないというわけではなかった。魔物もまだ出てきておらず、そこまで危険というものは感じなかった
だがそう思っている最中、突然目の前にイモムシのような魔物がスポーンしてきた
Lv 5
「魔物か!レベル5かここは俺が戦うよ」
「分かった!」
レベル5か大していい経験値は得られなさそうだな
するといきなりイモムシのような魔物は粘液を飛ばしてきた
飛ばしてきた粘液をすぐさま躱し、一気に距離を詰めて武は斬撃をくらわせた
やっぱりこんなもんか経験値は半分ずつだよな
「姫菜このとき俺が倒したらチームに経験値は行くのか?」
「そうだよチームメンバーに所属していたら経験値が平等に入るよ。なので私にも先ほどのイモムシの魔物の経験値は入ってます」
「でも俺がレア魔物と戦った時倒した東雲さんに半分、戦闘関与した俺にも経験値は半分だった」
「それはチームとして見なされていないだけだよ」
「そうなのか」
「はい私と武さんはお互いにチームを組んだということになってるので、平等に振り分けられるんだよ。」
「そういうことか」
武は納得し、ダンジョンを進んでいった
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神里武 E級 Lv 11
SP 35
使用技 乱流斬
天津姫菜 E級 Lv 20
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