1章 8話 少女からの頼み事へ
その頃東雲は会長の執務室で今回連れてきた新人の報告をしていた
「それで彼は攻略者として期待できるのかね」
「はいもちろんです自分より強い敵に立ち向かっていく姿、戦闘の立ち回りに僕は高く評価しています」
「東雲君にそこまで言わせるとはなかなかの逸材と見るな」
「レア魔物には勝てはしなかったですがレベルを上げて着実に力をつけていけばいずれ僕を超える逸材の一人であることに違いありません」
「これで候補がまた一つ上がったな小金君、星崎君に続いての逸材か」
「ええ小金と星崎も僕が期待する優秀なレイダーですよ今じゃA級、B級と上がってきてますから」
「そうだなそれで報告は以上か」
「はい」
「それにしても心なしか前より明るくなったな東雲君それも神里君のおかげかね」
「師匠僕はいつだって皆のアイドル東雲将真ですよ」
そう言って東雲は執務室を退室していった
その頃武はアイテムボックスで今日倒した魔物の神石を整理していた
「えっと赤い神石は全部で13個で☆1の赤い神石が1個か確か赤い神石は一つにつき30ペアの価値か☆の赤い神石は通常の赤い神石の価値の5倍って聞いたからな150ペアか」
神石は倒した魔物が落とす日常を支えるアイテムである。基本レイダーの目的は無限迷宮の攻略であるが、もう一つの目的として魔物を倒して神石を得ることである。神石の価値にはそれぞれ色の段階があり低い価値から赤、オレンジ、黄、緑、青、紫、金、虹の順で神石の価値は高くなっていく。その中でレア魔物に該当するのはレベルに準じて通常色に☆がついた神石であるその価値は通常色の約5倍の価値となっている。神石は使い方によっては自分の武器の強化にも使えるが金銭に余裕がある者のみにしかその使用用途はできない
「合計すると540ペアか一応東雲さんから1000ペアを記念としてもらったけど今は武器の強化よりは路銀に変えた方がいいか」
武は換金すべく協会の換金受付へと向かったドアを開けてエレベータへ向かう途中急に隣の号室から扉が開いた
ん?ここの住人の人かなあの人は確かロビーで会った…
そこには先ほど協会のロビーで見かけた青髪の美少女の天津であった
「あの人を探してそれから…」
すると天津は突然立ち止まり武の方を見た目的の人がいると分かった瞬間武の手を握り頼み込んんだ
「あ、あの!あなたは東雲さんと一緒にいた新人ですよね!」
「は。はいそうですが…えっとあなたは確か」
やばい今めっちゃ女の子と距離が近い…しかも手を握られてるしいい匂い
「私は天津姫菜ですそれであなたにお願いがあるのですが!」
「ちょ、ちょっと落ち着きましょう天津さん!」
「あ、」
すると天津はいつの間にか無意識に武の手を握っているのに気づき、その事実を知った瞬間顔が赤くなり武からすぐに離れ縮こまり恥ずかしがっていた
私ったら何してるのおおおおおお!!!いくら一人で戦えないからってこんな大胆な形でチームを組みたいなんて言ったら色仕掛けとか思われて組んでもらえないよ。どうしようこの人に嫌われちゃったかなあ!
「あの天津さん頼み事でしたら神石の換金が終わってからでもよろしいですか」
えっ?まさか聞いてくれるなんて…
「はいもちろんです!」
「あっこちらも自己紹介がまだでしたね俺は神里武と言いますまだこっちの世界に来たばかりなので分からないことだらけですがいろいろと教えてくれる嬉しいですよろしくお願いします」
「はいよろしくお願いします…」
すごいいい人そう…神里武…いい名前…しかも外観もかっこいいし
「それでは協会の方へ行ってくるのでしばらく待っていてください」
「い、いえ私もついていってもいいですか」
「別にそれでもいいですよ」
「はいできれば外でゆっくり話したいことなんです」
「分かりました」
そう言うと協会の方へと向かい換金を済ませた。予想通り合計で540ペアであった換金を済ませたところで改めて天津の頼みごとを聞いた
「それで頼み事とは」
「あのその話は食事をしながらでもどうですか」
「え?」
「お金はこちらで全部出しますので」
「いや悪いですよ!初めて会った人に全部奢らせるなんてそれでしたら俺が払いますから」
ああこの人…本当に良い人だ…この人といるとなぜか暖かい
「お気持ちは嬉しいですですけどあなたはまだこの世界に来たばかりですここは私に奢らせてください」
「天津さん…すみませんそれじゃあお言葉に甘えてもよろしいですか」
「はいよろしいです」
「それでどこの店に行くんですか」
「私の行きつけの店で美味しいところがあるんですよ」
天津が言うにはエストにある肉料理のレストランがあると言われそこに行くことにした。まさか女の子に食事に誘われるなんて今までの武には考えられないことだったので少し緊張していた
初めて異性との食事…こんな美少女と一緒に食事できるなんて夢みたいだなでも俺なんかよりももっと良い人はいそうだし
はあああ…誘ってしまった初めて異性をいやパーティの方達と一緒に食事はしたことはあるけどまさか一対一での食事は初めてですし緊張しますいやいや何を言ってるの私は目的は武さんとパーティを組むことでしょ落ち着け私
そんなことを思いながら武と天津はレストランへと入っていった。するとメニューがありどれも美味しそうな肉料理ばかりだった。当然セットでついてくるサラダもなかなか美味しそうだった
武が選んだのは前いた世界にあったハンバーグに似ているドラゴンバーグセットと呼ばれる料理にした
「あの天津さんもう料理は決めましたか」
「あ、うん私も今決まったところ」
武はウェイターさんを呼びそれぞれ所望する料理名を伝えていった
それから武は天津の頼みごとについて聞いた
「そ、それで俺に頼み事って何ですか」
「ああうん武さん…」
「はい」
「私とチームを組んでほしいんです」
「チームですか」
武はまさか美少女からチームを組んでほしいと言われた時は嬉しかったが東雲から彼女はイービルスターズと呼ばれるチームに入ってることを知っていたため聞いてみた
「東雲さんから聞いたんですけど天津さんってイービルスターズのチームに入ってるじゃないですか」
「私チーム追い出されたんです。今までチームのおかげでこうして美味しいご飯にありつけられたんです。でも私は使えないと言われてチームを追い出されました。私のレベルは20ですけど攻撃系スキルは覚えていなくて、回復系のスキルしか使えないんです。回復系アタッカーなんて呼ばれていましたが、確かに私は物理属性に適正があります。けど、どうしても攻撃系スキルが覚えてくれなくて」
なるほど要するに回復と物理は適性があるが立ち回りの問題とか攻撃スキルを覚えていなくて使えない判断されたってとこか
「そうですかそれは大変でしたね」
「はい私元いた世界でもよく出来が悪くて両親に虐待されたりクラスメートにいじめられていたりしたんです。異世界への招待状を受け取ったとき、やっとこの苦しみから解放されるとそう思ったんです。でもこの世界でも私は使えない人だという烙印を押されて正直これからどう生きようか真剣に悩んでたんです。その時ロビーにあなたがいたことを思い出したんです、一目見てなんだか暖かったんです」
それを聞いた武は天津よりはひどい環境ではないものの友達もあまりできず避けられる日々と父親に暴力を振るわれてきたこともあった
「分かります俺も似たような境遇で育ったので、自分はこの世界に必要ないんじゃないかって思ったことがありました。自分を必要としてくれる人がいれば生きる活力になると思うんです。だから俺がそのあなたの生きる活力になりたい。俺で良ければ天津さんとチームを組みたいです」
「武さん…ありがとうございます!」
「それにしてもそのチームはひどいですね。攻撃ができないからってこんな可愛い子を切り捨てるなんて許されないことですよ。人には得意、不得意があるのにもかかわらずひどいですね」
「か、かわいい…」
また天津は顔を赤くして武から目を反らした
「あの大丈夫ですか顔が赤いですが」
「へ?ああ大丈夫ですよ武さん」
「それならよかったこれからよろしくお願いしますね天津さん」
「はい……!!」
すると話が終わったと同時に料理が運ばれていき一緒に美味しく肉料理を食べた
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神里武 E級 Lv 11
SP 35
使用技 乱流斬
天津姫菜 E級 Lv 20
東雲将真 X級 Lv ?
二宮京志郎 X級 Lv ?
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神石値段一覧
赤 30ペア 赤☆ 150ペア
オレンジ 200ペア オレンジ☆ 1000ペア
黄 500ペア 黄☆ 2500ペア
緑 1000ペア 緑☆ 5000ペア
青 1500ペア 青☆ 7500ペア
紫 3000ペア 紫☆ 15000ペア
金 10000ペア 金☆ 50000ペア
虹 100000ペア 虹☆ 500000ペア
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