1章 7話 恋する少女へ
武は受付の前まで来てこれからレイダーの登録をするところだった
「こんにちはぁレイダーの登録ですか…って久しぶりですね東雲さん!」
「久しぶりだね加藤さん」
「スカウト任務お疲れ様ですそれでそちらの方が」
「ああ彼が今回僕が連れてきた異世界人だよ」
「神里武と言いますよろしくお願いします」
「よろしくお願いしますね神里さん私は加藤南と言います今日はレイダーの登録ですよね」
「はい」
「それでしたらこちらの用紙に必要事項をお書きください」
武は必要事項を記入して加藤に用紙を提出した
「確認いたしますねレイダー証の発行をいたしますので少々お待ちください」
「分かりました」
その間ラウンジのソファでレイダー証が発行できるまで待つことにしたその間レア魔物との戦いで使えたあの技は何だったのか聞いてみることにした
「東雲さん俺のあの技あれは何なんですか」
「ん?あああれはスキルだよ」
「ゲームでいうとこの必殺技と同じ解釈でいいんですよね」
「まあそんなところだねスキルは一度使用すれば自分のSP(スキルポイント)が減る」
「SPそれってどう見ればいいんですか」
「キャパシティって唱えてごらんそうすれば自分のSPの数値を知ることができる」
武はキャパシティと唱えるとその数値が出てきた
SP 29/35
「29/35これって最大SPが35で29の部分は残りのSPってことですか」
「そういうことだねそのSPは1レベル上がることによって3~5のランダムでSPの最大値が上がることになってるまあそのSPの部分は人によって成長速度が遅いやつもいれば速いやつもいる」
「そうなんですねでも29って乱流斬っていくつSPを消費するのでしょうか」
「それに関してはスキルって唱えてごらん」
武はスキルと唱えるとスキルの名称とその横に数値が表示されていた
乱流斬 消費SP 3
「本当だあの時慌てて見えていなかったのか」
「あともう一つ言っておくと右上を見たら次覚えるスキルの名前までわかるよ」
武は右上を見るとスキルの名称と次覚えるまでのレベルも表示されていた
六華閃 Lv 14
「次はレベル14で六華閃か」
「レベルを上げれば上げるほどスキルはどんどん強くなっていく君のこれからの成長を期待してるよ」
「ありがとうございます」
すると受付の加藤から声がかかりレイダー証を手に入れた
「こちらが神里さんのレイダー証となります神里さんはE級のレイダーからとなります」
「E級…レイダーにもランクみたいなものがあるんですか」
「はいランクはその人のダンジョンやそれ以外での功績や強さに応じてランクアップできますその段階はE級、D級、C級、B級、A級、S級、X級に分けられます特にX級は世界に10人しかいない最上位のレイダーの方達です」
「ちなみに僕はそのX級の一人だよ」
「じゃあ二宮会長も」
「そうですね会長もX級の一人です」
ランク制かなかなか面白くなってきたな
「どうすれば昇級できるのでしょうか」
「D級に上がるにはダンジョンの10層でのボスを倒すか外での下級の魔物討伐任務を15回達成すれば昇級できます」
「なるほどでも下層のダンジョンって攻略されていますよね」
「無限迷宮は入る度にダンジョンの構造が変わるただ変わらないのはそこで出てくるボス魔物と出てくる魔物は固定だね」
「へえそうなんですね」
「はい東雲さんの言う通りで上の階層になればなるほど強い敵が出てくるので今の神里さんではしんどいですね下層のほうは弱い魔物が出るのでそこで力をつけて上へと目指してください」
なるほどね要するに1層から順に攻略していってボス魔物を倒していって上を目指す感じかなかなか面白いな
「はい」
「それじゃあ僕は師匠に用があるんでここで失礼するよ」
「あっ東雲さん俺これからどこに住むんですか」
「ん?ああそうだったこれ宿の鍵ねこの鍵に宿の棟と号室が書かれてるからじゃっ!」
そう言ってすぐさま執務室へと向かって行った
武もレイダー証をアイテムボックスに入れレイダー協会を後にした
アイテムボックスとは文字通りアイテムを収納するもので物であればなんでも収納することができるちなみにこのアイテムボックスの収納の制限は一切ないが整理していないとどこになにがあるのか長時間探すという沼にはまってしまうので定期的に整理しなければならない
その頃天津は一人で宿の中でこれからのことで考え事をしていた
はあ…追い出されちゃったなぁ…確かにパーティを追い出されるのは悲しいことだけどいざ離れてみるとなんてことはないね…むしろ解放されたって気分でもこれからどうしよう私一人でダンジョン攻略なんて無理だし誰かいないかなそういえば私が異世界に招待されたのって才能があったからかなぁ私現実世界が嫌すぎてこっちの世界に来ちゃったけど…
突然自分が現実世界でクラスメートにいじめられたり親に虐待された記憶がフラッシュバックされてきた
あんなひどい世界と比べたらマシだなぁそうだいつまでもうじうじしてらんない新しい人を探すだけよ私の王子様を…
突如天津は思い出した東雲が連れていた男がいたことにすると次第に天津の頬は赤くなっていった
王子様…そういえばあの時あの人を見てかっこいいと思っちゃったな東雲さんが連れてたってことは新人よねもう一度会えるかな
天津は武のことを思い出してはジタバタして頬を赤く染めっぱなしだった
その頃武は指定の宿の棟を見つけ表示されてる号室へと向かった
「えっと603号室かエレベーターまで常備されてるのかすごいな異世界」
するとエレベーターの前で誰か待っていた
あの人もレイダーの人かな
「ふむ貴様見かけぬ面だな分かるぞ貴様の心の奥の闇を貴様も我と同じ同志と見た貴様名前は?」
「あ、はい」
なんだこの人…
「神里武ですこの世界に来るのは初めての新人のレイダーです」
「なるほどだからか我の名は黒羽峻輔我も闇のマスターから召喚にはせ参じた者だよろしく頼む」
「は、はあ闇のマスターとは」
「しかり貴様も会ったことがあるだろう黒き翼を纏いし堕天使東雲将真殿のことである」
「お前も東雲さんに招待された異世界人か」
「いかにも我はあのマスターのおかげでこうして闇の力を高めることができるそして我の魔眼も制御できている」
「えっと魔眼ってなんか特殊な能力を持ってたり」
するとエレベーターが降りてきたので武と黒羽はエレベーターに乗り話を続けた
「ふふふっその通り我の魔眼はあらゆる人間を消せる能力であるだが安心しろ我のいた世界ではその力が暴走していたがこの世界に来てからは制御できている特別に見せてやろう我の魔眼!!」
黒羽は大きく黒いマント取り外し武にその魔眼を見せたその眼はオッドアイで右目に赤左目に青という目だった
「こ、これが…!!」
「ふはははっ!!わかるか貴様にこの魔眼の偉大さを!!」
武は一瞬期待した素振りを見せたがすぐに黒羽に聞いてみた
「えっと…それってカラコンだよな…」
「いやこれは我の世界であった貴重なアイテムの一つ魔眼!ちなみに入手するにはかなりの魔力を使った…1000円で…」
「へえ…」
するとエレベーターは開き黒羽は5Fで降りた
「もう時間のようだなではさらばだ神里武お互い闇の力を高めた時いずれまた会おうふはははははっ!!」
そう言って黒羽自分の部屋へと戻っていった
これはあれだ中二病ってやつだな
武は6Fに到着するとすぐに自分の号室を探し始めた
「えっと603号室はっと…あった」
武は部屋に入ると中はまるで洋室のホテルのような部屋だったベッドも綺麗に整備されなおかつ大きかった風呂もついていたがどうやらシャワーだけだったキッチンもそこそこ広かった
「ここが今日から俺が住む部屋かぁ…なんか異世界に来たのが今でも夢を見てるんじゃないかって気がするなでも俺は異世界に来た…もうあんな退屈な人生とはもうおさらばだここから始まるんだ俺の異世界ライフは」
武はそう言って今回の戦利品の整理を行った
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神里武 E級 Lv 11
SP 35
使用技 乱流斬
天津姫奈 Lv ?
黒羽峻輔 Lv ?
東雲将真 X級 Lv ?
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