1章 3話 レベル上げへ
「最強って」
「なんだ聞いてたのかこいつはレイダーの中じゃトップクラスの実力者だ多分世界中探してもこいつに勝てるのはいないただレイダー協会の会長とは唯一まともに戦える存在だ」
「二宮師匠は強いよ昔あの人に良くボコられたなあ今でも僕が気を抜けばやられるほどだよ」
「その二宮師匠ってのは」
「ああレイダー協会の会長だよ名前は二宮京志郎僕の師匠でもある」
「東雲さんの師匠でレイダー協会の会長…」
「そう君もいずれ会うことになるかもね」
それから武は必要事項を記入して鉄多に提出したそして提出された紙に目を通した
「なるほどな分かったすぐにお前に合う武器を製作しよう」
「製作って何日かかりますか」
「何日?数時間でできるが」
「えっ?そんな早くできるものなんですか」
「ああお前のいた世界ではどうだか知らないが数時間で済むからなちょっと待ってろ」
「はい」
武器ができるまでしばらく待つことにした
「そういえば東雲さんこの世界にレベルやステータスなんてあるんですか」
「あるよただステータスっていうのはないかなレベルはあるよ」
「そうなんですねレベルはどうやって見れば」
「エクスペリエンスって唱えてごらんよ」
武は東雲に言われた通り"エクスペリエンス"と唱えたすると自分の目の前にアルファベットと数字が浮かび上がってきた
Lv 1
「Lv 1…つまりレベル1ってことですか」
「見えたようだねまあ最初はレベル1からのスタートだねそれは戦闘によって上がってくシステムになってるつまりレベルが高ければ高いほど強くなれるここではその数値が戦闘を左右すると言っても過言ではないね」
「レベル上げシステムですかまさかゲームが現実で体感できるなんてな」
「まあゲームはいくら死んでも生き返れるけどこの世界で一度死ぬと二度と生き返れなくなるからそこは気をつけてよ」
「分かってます」
そんな会話をしていると鉄多から声をかけられた
「神里完成したぞ」
「本当ですか!」
「ああこれがお前の使う武器だ」
そう言ってマントを取り外すと日本刀と同じような剣であった武はそっと取り鞘から抜くと子供の頃からの憧れの武器がまさか自分の所有武器になるなんて思ってもみなかった
「これが俺の武器か」
「よしよし武器も新調したところで次はレベル上げだよ」
「え?いきなり実践ですか」
「そうだよこれからダンジョンに入るときに実践慣れしてないと魔物にすぐにやられちゃうからね実践慣れは必要だよ」
「早速魔物討伐か燃えるな」
そう言われて店を後にしたそれから先ほどいたイニーツィオ平原へと戻ってきた
「ここでレベル上げですか」
「そっ!さっきも言ったけどここはそれほど強い魔物は出てこない初心者にはうってつけのレベル上げスポットってわけさ」
「なるほどでも魔物が出てくる気配が全然ありませんね」
「慌てないでもうすぐだよ」
するとその瞬間先ほど出てきた羊のような魔物が出てきた
「さっきの羊の魔物!?」
その魔物の上を見るとレベルが表示されていた
Lv 2
「レベル2かいいね」
エエエエエエ!!!!
羊のような魔物は鳴き声を発しながらこちらに突進してきた武は向かってくる敵に剣で受け流そうとしたがその突進の勢いで押し返されてしまった
「ぐはっ!!」
なんて突進力だそりゃそうかそこらの犬より何倍もでかいしなだがさっきの東雲さんと同じような立ち回りで行くか
武は敵をしっかりと視覚で捉え相手の動きを見たするとまた同じように羊のような魔物はこちらに突進してきた
この程度の速さなら見切れる…
武はギリギリまで引きつけ躱した
避けたと同時に敵の隙をつき剣を振るった
ズシャン!!
メエエエエ!!アア!!
羊のような魔物は倒れたが倒したという感覚の攻撃ではなかった
ほう初陣にしてはなかなか動けるねあの動きは僕がさっき見せた躱してからの斬撃を見てそれをトレースしたってところか悪くない彼は期待できるね
さっきの攻撃はあまり入った感じがしなかったどうすれば100%の斬撃を繰り出せる…
そう思ってると羊のような魔物は四本の足でぎこちながら立ち上がりこちらに興奮しながら突進してきた
こいつ突進攻撃しかないのかだったらやることは一つだ
武は躱してから隙を伺ったここまでは同じ立ち回りだが剣で斬るときのインパクトの瞬間を意識して斬撃を放った
するとさっきよりも斬撃が深く入り羊のような魔物は身体の半分から真っ二つになった
エエエエ…
羊のような化け物はそのまま地面に真っ二つに転がり消滅した
なんだ…さっきよりも深い斬撃が入った…インパクトの瞬間を意識したからか
そう考えながら敵からドロップした赤く光る石を取った
「いいね初戦闘とは思えない良い立ち回りだったよ特に最後の斬撃は速さと威力が乗ってたね」
「はいでもなんで威力が上がったのでしょうかインパクトの瞬間を意識したからでしょうか」
「その説明の前にまずはレベルを確認しようか」
「はい」
武はエクスペリエンスと唱えると自分のレベルの数値が上がっていた
Lv 2
「レベル2に上がってる…」
「それはなにより目標はレベル7まで上げることを目標に頑張ろう」
「レベル7ですかあと5上げるのか」
「まあ大丈夫っしょ武は動き的には悪くなかったしただ攻撃がいまいち入ってない感じだね君の抱いていた疑問だが攻撃の瞬間に力を一瞬緩めた方がいいそして相手に刃が入った瞬間に一気に力を入れるんだそうすればさっきみたいにダメージがより入ると思うよ」
「なるほど」
「改善点としては初動から力みすぎだね」
「分かりましたやってみます」
しばらく次の魔物を待ってると今度はゴブリンみたいな生き物が盗賊が使う剣のようなものを持ってニタニタ笑いながらこちらに近づいてきた
「ゴブリンか」
武はレベルを確認した
Lv 4
レベル4かさっきのあの羊の魔物よりも高いなだがどこまで自分が戦えるか確かめたい
ゴブリンはニタニタ笑いながらこちらに向かって剣で斬りつけようとしてきた
武は相手の動きを見ようとしたがさっきよりも素早く反応するのに一瞬遅れたそのせいでゴブリンの攻撃をくらってしまった
「がはっ!!」
速い…しかもそれなりに攻撃力が強い…レベル差のせいかだがそれは分かり切ってたことだ問題はどうすればあの速さに対応すればいいかだ
またゴブリンは素早く動き武の間合いを一気につめてきた武はそれをなんとか躱した
危っね…!!!
武は躱した直後に斬撃をいれるだがその攻撃も簡単に防がれゴブリンは距離をとった
マジかこいつ相当強いなゴブリンなんて弱いのが相場じゃないのかよでもこれが本当の異世界の魔物…面白いじゃん俄然敵が強ければ強いほど燃える
武は改めて引き締めなおし目の前の敵に集中した
あいつの動きは速い…見てからじゃ遅いなら動きながら羊の魔物の時と同じように相手の視覚を利用する
ゴブリンの魔物は相手を馬鹿にしたような目で笑いながらまたこちらに素早く接近してきた
武は相手の視覚を利用し引きつけ一気に反対方向に動いた
ゴブリンの魔物はその動きについていけず地面を剣で叩きつけたそして隙を逃さず一気に斬撃を放った
ズシャッ!!
ヒャヤアアア!!!
手ごたえはあっただが一撃では倒せないかあと二撃入れれば倒せる…
ふむさっきの羊の魔物を倒したときの立ち回りの応用ってとこかいいねやっぱり彼には才能があるあとはどれくらい場数を踏んで強くなるだけだな
東雲はそう思いながら武のレベル上げを見守った
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神里武 Lv 2
東雲将真 Lv ?
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